翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

終活

根無し草のように生きる

次はどこにワーケーションに行こうかとOtellのサイトを見ていると、伊東に移住を考えている人には補助金が出るとありました。 otell.jp 先月訪れた島根の温泉津(ゆのつ)は地域が一丸となって移住者を歓迎しているようす。若い人による個性的な店があちこち…

怒らない老婆になるために

昨年のスペイン巡礼中も折に触れて読んでいたのが小池龍之介の『もう、怒らない』。 巡礼の日々、できるだけ感覚を研ぎ澄ませて歩きたいと思い「今この瞬間」に集中する方法を参考にしました。 歩いているときに、「今、右足が地面を離れた。今、右足が前へ…

不要不急の北海道旅

毎年、お正月休暇が終わったタイミングで旅に出ます。旅行代金がぐっと下がるから。 しかもJALの「どこかにマイル」を利用するので交通費も空港往復のみです。 九州か沖縄に行きたかったけれど、雪の露天風呂も悪くないかと思い「帯広・札幌・鹿児島・那覇」…

確実に終わりに近づいている

お正月が来たというだけで自然におめでたい気分になれるのは子供の頃だけ。大人になるとまた年を重ねたと感じます。そして高齢期にさしかかると「門松は冥途の旅の一里塚」。一休の言う通り、門松は新年のお祝いではなく、命が尽きて冥土に近づく一里塚のよ…

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)と徘徊老人

近所の映画館で、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)を観ました。1970年のロイヤル・アルバート・ホールのコンサート映像が50年ぶりに発掘され、映画化されたのです。 そしてメンバー全員が生まれも育ちもカリフォルニアで、南部に一度も行…

生活のハードルを下げる

日本人男性の自殺率は失業率と相関しているけれど、ヨーロッパではまったく連動していないという記事を読みました。 スペイン巡礼中にバルに立ち寄ると、昼間からゆっくりコーヒーやワイン、ビールを楽しんでいる中高年の男性たちをよく見かけました。失業中…

日本のサービスはもう少しゆるくてもいい

台北で再開したカミーノ・フレンドの二人は日本が大好きで何度も来日していますが、「旅行ならいいけれど、日本で暮らすのはとても無理」と口をそろえて言います。理由は、人に迷惑をかけるのを避けるための暗黙のルールが多すぎるから。見るからに外国人と…

カミーノのテーマはアクセプト(受容)

長かったスペイン巡礼も終わり帰途につき、ヒースロー空港のラウンジにいます。ここまで来たら後はJALの羽田行きに乗るだけです。 今回の巡礼で得たものは何だったのか、まとめることはまだできませんが、カミーノで出会った人々から思いがけなく深い言葉を…

社会とつながるための仕事

スペイン巡礼を思い立ったのは、長年続けてきた週刊誌の連載の打ち切りを告げられたタイミングでした。巡礼路を歩きながら編集者と打ち合わせて原稿を書き校了までするのはいくらネットがあるといっても無理があります。 行きたくても無理だとあきらめていた…

「昔はよかった」と嘆いても、しかたがない

来月の下旬に出発するスペイン巡礼、最初の1週間の宿を予約しました。 到着地のパリは都会だからしかたがありませんが、巡礼路の始まりであるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーでは、天気のようすを見てピレネーを越えようと考えていました。しかし、カミーノ友…

マウンティング婆さんにならないために

スペインに行くのはまだまだ先のことだと思っていましたが、もう来月に迫っています。 カミーノ友の会の相談会でのアドバイスにしたがい、最初の数日間の宿を予約しました。 パリから巡礼の起点であるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーへはフランス鉄道で向かう…

残された日は限られている

30年以上続けてきたビジネス翻訳から引退することになりました。 8月下旬からスペインを7週間歩くので、月刊誌の連載はとても無理。早めに編集者に申し出たところ「まとめてデータを送るから出発前に2か月分を」と提案されました。ありがたいことですが、…

思いどおりにならないことを楽しみたい

先月亡くなった上岡龍太郎さん。関東の人にはなじみが薄いかもしれませんが、関西人にとってはこれでまた一つの時代が終わったように感じます。 隠居について語ったインタビューが、これからの老後を迎えるにあたりとても参考になりました。 dot.asahi.com …

高齢者のサバイバル

自宅からもっとも近い都市銀行をメインバンクにしているのですが、ここ数年、改悪ばかりです。 ATMの数を減らして、窓口から分離して行き来できないようになりました。窓口は予約が推奨されています。銀行に利益をもたらさない少額預金者は相手にしていない…

目的を持たず、歩くことだけを楽しみたい

東洋占術では六十干支が一巡りする60日、60カ月、60年が節目。なかでも、生まれたときの六十干支に戻る還暦は、もう一度生まれ変わって赤ちゃんに戻るという意味で、赤いちゃんちゃんこを着るのです。 60歳を超えたら、残りの人生はおまけのようなもの。仕事…

令和版『楢山節考』

JALの機内誌SKYWARD、浅田次郎の連載で二回にわたって棄老伝説が取り上げられています。 「姥捨て」と呼ばれる慣習は全国のどこにでもあり、深澤七郎は『楢山節考』でその年齢を数え70歳にしていますが、それは小説に今日性を持たせるための設定。本当は60歳…

晩節だけきれいにする

月曜の夜は、毎週ヒップホップのレッスンに出ています。レッスンが始まる前のスタジオで、先生が好きな音楽をかけてクラスで教えてくれるより段違いに複雑なステップで踊っているのを見て、「へたくそな初心者に教えるより自由に踊りたいのだろうな」と気の…

先を急がず生きる

仕事からは引退するはずだったのに、なんだかんだと編集者から連絡があり、あわただしい日々が続きましたが、ようやく一段落しました。会社勤めとちがって、フリーランスには、はっきりとした引退はないのでしょう。 学校を卒業して働き始めてから、ずっと「…

洞窟に眠る泡盛と人生の残り時間

宮古島で海宝館の次に向かったのが多良川酒造。泡盛の蔵元です。 単なる酒好きですが、背景を知ればもっとおいしく感じるので、酒蔵の見学が大好きです。 これまで訪れた酒蔵では、製造工程を見学することが多かったのですが、多良川酒造ではDVDで説明。見学…

人にはどれほどの荷物がいるか

3月のお彼岸、熊野古道への旅を思い立ちました。 羽田から南紀白浜空港に飛び、JRで紀州田辺へ。ビジネスホテルに泊まってもいいのですが、出発点の滝尻王子まではバスに乗ります。ちなみに熊野古道での王子は、参詣者の守護を祈願するための神社の名称で、…

お一人さま必読の書『兄の終い』

人間は一人で生きていくことはできないし、一人で死ぬこともできない。そんなことを痛感させられたのが村井理子『兄の終い』。 両親はすでに亡く唯一の肉親は兄。 もう何年も会っておらず絶縁状態だったところに、警察から電話がかかります。兄が自宅で死ん…

音楽で「いつまでも若く」

お母様を介護されているチャーコさんのブログ。親の介護時代を思い出しながら読んでいます。 harienikki.hatenablog.com ついにお母様が特別養護老人ホームに入所されることになり、お母様が大好きだった綺麗な紙をファイルにして持たせてあげたそうです。眺…

「嫌老」の世で老いていく不安

5月にはコロナがありふれた病気になるようです。このままコロナを特別扱いしていたのでは、日本の経済がもたないし、国際社会に歩調を合わせるためにしかたがないのでしょう。 コロナによる死亡者の9割は70歳以上の高齢者だというし、若い世代に犠牲を強い…

死者と歩く

寒い日が続きますが、春に向けての計画を立てています。 3月に熊野古道を歩くことにしました。スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼に匹敵するのは四国遍路だと思っていたのですが、熊野古道が姉妹道となっていました。共通の巡礼手帳も発行…

引き算の料理

旅に出ると、書き残しておきたいことが次々と出てきます。旅先も楽しいけれど、こうして文章にまとめるのも、心が満たされるひとときです。 というわけで、沖縄の話ばかり続きます。 沖縄料理というと、豚肉やステーキのイメージが強いのですが、健康食の一…

都留のうどん屋さんで日本の縮図を見る

「サウナを愛でたい」、最も熱心に観ているテレビ番組です。 www.bs-asahi.co.jp 山梨を紹介するシリーズで都留(つる)のサウナに心惹かれて行ってみることにしました。中央線沿線の住民にとって、新宿から特急が出ている山梨はとても行きやすいのです。 目…

老いの後始末

お正月早々、ぎょっとしたことがありました。 就寝中、玄関からガチャガチャという音がして目が覚めました。リノベをしてリビングと寝室をつなげたので、玄関と寝室はドア一枚隔てているだけです。 最初は「上か下の階の人が酔っ払って帰り、間違えて玄関を…

氷上の8、砂上の曼荼羅

冬至の日に受けた玉紀さんのインナーチャイルドカードセッション、2023年に到達すべき場所はクリスタルの8でした。 uranai8.jp 氷の上でひたすら8を描く練習。どんなに完璧に描いても、翌日はまたまっさらな氷となり、ゼロからのやり直しです。 これで連想し…

きれいなティーカップは使えるうちに使っておけ

住んでいるマンションの管理人さんは、定年退職後っぽい男性が多かったのですが、若い女性に替わりました。彼女の提案なのか、ゴミ置き場に自動センサー照明が取り入れられ、掃除道具はそれぞれラベルがついた場所に整然と並べられるようになりました。 住民…

『末期ガンでも元気です』著者ひるなまさんを悼む

大腸の末期ガンの闘病記をネットで見かけ、ウサギの絵柄に惹かれて最初のあたりを読んでいました。著者の漫画家、ひるなまさんが亡くなったというニュースを読み、単行本化されていることを知り、最後まで読んでみました。 定期的な健康診断ぐらいしか病院に…