翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌やビジネス誌の原稿書きを30年。現在はリタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。2025年夏、ガルシア=マルケスの作品舞台となった地を一目見たくてコロンビアへ。ウラナイ8https://uranai8.jp/で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで四刷になりました。

ロビー・ロバートソンの晩節

田舎の女子高校生だった私に広い世界を垣間見せてくれたのが、ボブ・ディランザ・バンド。無味乾燥な教科書の英語には興味が持てませんでしたが、彼らの曲の意味が知りたくて英語を学びました。

 

ボブ・ディランは元気そうですが、ザ・バンドの5人のメンバーは4人が亡くなっています。とりわけ悲しかったのが昨年のロビー・ロバートソンの死です。

ザ・バンドのファンにはロビーを嫌う人がいます。ロビー以外はザ・バンドの存続を望んでいたのに、無理やり解散に持ち込んだから。ミュージシャンである以上にビジネスセンスに恵まれたロビーは、ツアーを続けていけば破滅が待ち受けると知っていたのです。メンバーの中で最も繊細だったリチャードは自死、リックはアルコールとドラッグの乱用でくぶく太り、ある冬の朝に突然死しています。

堅実派のリヴォンは2012年に病死。亡くなる前にロビーと和解したというニュースにほっとしました。

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ロビーは自堕落なミュージシャンのたまり場となっていたウッドストックから西海岸のマリブに移住。愛する妻と子どもを育て、音楽プロデューサーとして堅実に生きていたと思っていたのですが、死後に意外なニュースが入ってきました。

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たしか奥さんのドミニクとは、ボブ・ディランのヨーロッパツアーのバックバンドとしてパリに行ったときに劇的な出会いから結婚に至ったはず。子どもにも恵まれ、妻子を守るためにザ・バンドを解散したのに、離婚していたとは!

しかも再婚相手は後妻業の女? 鎮痛剤で朦朧としていたロビーに結婚を強要し、ビバリーヒルズにある600万ドルの豪邸の所有権を後妻に与える書類に署名させたとか。

実家の一族にも後妻業の女にひっかかったり、ひそかに公正証書を作り子どものいない伯母の遺産を総取りするなど、とんでもない話を聞きます。ロビーほどのやり手でも、こんな晩節を迎えるなんて。年を取ると判断力も鈍るから、終活は早ければ早いほどいいと思います。特にお金関係は死後に禍根を残さないように、公正証書を作っておくべきでしょう。

 


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ロビーの手腕により、ザ・バンドの解散コンサートはボブ・ディランを筆頭にリンゴ・スターロン・ウッドニール・ヤングジョニ・ミッチェルなど70年代の錚々たるスターが集結。マーティン・スコセッシが映画化し不朽の名作となっています。ボブ・ディランヴァン・モリソンと歌っているのがロビー・ロバートソンです。曲の後にボビーのセリフのシーンがあり、「偉大なミュージシャンは早死にする」と、ハンク・ウィリアムスジャニス・ジョプリン、ジミー・ヘンドリックス、エルビスなどの名前を挙げ「そんな人生を送るのは不可能だ」と解散の説明をしています。

 

旭川の買物広場は駅前から続く広い道。サキソフォンと猫の彫像に心なごみます。音楽は心を満たすものですが、ロックンローラーは過激化しておだやかな死を迎えるのがむずかしいのでしょうか。