翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

外国語としての日本語

なくなる仕事、なくならない仕事

読書感想文といえば小学校の宿題の定番ですが、ChatGPTが書いたものを提出する小学生が出現したという話がネットで流れてきました。あまりにも上手で、先生は親に手伝ってもらったのかと思うほどの出来だったそうだです。 数年前の同窓会で、就職活動中の娘…

アラブ人とユダヤ人、ロシア人とウクライナ人

先月のオンラインイベント「開運虎の巻」で紹介した『自分の小さな「箱」から脱出する方法』。 続編と位置付けられていますが、前書の20年前という設定の『2日で人生が変わる「箱」の法則』。ユダヤ人とアラブ人の民族的対立がストーリーの軸になっています…

物語を旅し、いつかはメキシコへ

当たり前のように思っていた旅する自由がコロナによって奪われ、改めて旅について考えました。 コンフォート・ゾーンで暮らしていれば楽なのに、人はなぜわざわざ旅に出るのか。 その理由の一つは、物語のためでしょう。豊かな社会になると食べて寝るだけで…

外出自粛で飲みすぎないために

テレワークでアルコール依存になる人が増えているとか。私も危険水域です。 元々自宅で仕事をしているので、曜日を意識するのはスポーツクラブのズンバのスケジュールでした。いやなことがあっても、ズンバのレッスンに出ればすっきりします。そして、夕方か…

まぼろしの東京オタクハウス

つい数か月前には想像もしなかったような展開が続く世界。 昨年の3月まで外国人留学生に日本語を教えていました。 2016年の春から教壇に立ち、目標は東京オリンピックまで4年間続けることでした。 結局3年で力尽きましたが、現時点で続けていたとしても留…

台湾がうらやましい

広がる一方の新型コロナウイルス。 今年の日本経済はきびしくなると思っていましたが、まさかウイルス騒動でここまで相場が下がるとは。ウイルスで亡くなる方より、経済的苦境で自ら死を選ぶ人のほうが多くなるのでは。 日本語学校で教えた台湾人の学生から…

子育てせずに息子の成長を知る喜び

ベルギー人のエデンとの再会の喜びをしみじみと感じていたら、4年前の夏にホームステイで受け入れたフィンランド人のヘンリク君からうれしい知らせが届きました。 この秋から半年間、京都工芸繊維大学に交換留学するとのこと。 「応募する前に相談しようか…

天国の再会

日本語学校の教え子、ベルギー人のエデンが再来日し、東京で再開しました。 エデンというファーストネームから漢字名は「天国」。ご両親が願いをこめて命名したのでしょう。慈しまれて大切に育てられたことが伝わってくるすばらしい学生。いつも笑顔で機嫌よ…

ドイツ人と鼎泰豊

去年の教え子、ドイツ人のセリナから「東京にいる」とメールが来ました。 たしか今は大学生でバイオテクノロジーを専攻しているはず。両親と日本に観光旅行に来ているそうです。 「先生をびっくりさせようと思って学校に行ったのに、バケーション中なんです…

太宰の『トカトントン』が聞こえた

日本語教師として4年目の春を迎えるはずでしたが、休職を決意しました。気持ち的には退職に近いのですが、流動性が高く人の出入りが多い職場なので、慣例に従って休職にしました。「夏には戻りますか?」と聞かれましたが、先のことはまったくわかりません…

所有から解放される

海外で近藤麻理恵の『片づけの魔法』が受けるのは、禅とか、わびさびといった日本文化が背景にあると思われているからでしょうか。 bob0524.hatenablog.com 日本語学校で私が教えているデンマークの女学生、トーベはかなり優秀。デンマークでかなり日本語を…

この世は決して公平じゃない

私が教えている日本語学校はけっこう学費が高いようで、学生たちは裕福な家庭の子弟が大半です。 「大学に入学する前のギャップイヤーで見聞を広めるために日本にやって来た。本当は秋葉原に入り浸っていたいけれど、親がせっかくなら日本語を勉強しろという…

これやこの 行くも帰るも 別れては

2018年も終わりつつあります。 ライター業は出版業界全体の縮小で徐々に仕事が少なくなった一年でした。 ありがたいことに週刊誌と月刊誌の連載が続いているので、本業と言えるのですが、活字媒体の衰退を思えばいつ打ち切りになるかわかりません。 副業の日…

みんな何かにだまされて生きている

たまたま見たテレビで「国際ロマンス詐欺」というのをやっていました。 ネットで知り合った外国人男性とメッセージのやりとりをして疑似恋愛関係に。 軍人や医師、エンジニアになりすました男性から「軍の任務で特殊な環境にあり、銀行送金ができない。娘の…

マギーの『東京物語』

イタリア人のマギーが我が家に滞在したものの、週のうち4日は、ほぼ放置状態でした。 「本業と日本語学校が忙しくて、ほとんど相手できないから。食事もなし。外で食べるなり、コンビニで買うなりして」と伝えておきました。 カウチサーフィンやホームステ…

外国語を学ぶストレス

村上春樹の小説に、大学でスペイン語を教えている男性が「砂漠に水を撒くような仕事」と言い換えるシーンがあります。 その国に移住するというのなら、言語の習得は最優先事項です。 でも、大学での副専攻とか、私が教えている日本語学校の学生のようにオタ…

あなたの生活は、誰かのあこがれの生活

イタリア人のマギーがやって来ました。 3年前の夏に日本語学校で教えた学生です。 彼女の夢は日本で暮らすこと。 「必ず、また日本に来ます」と言い残してイタリアに帰国しました。 歓迎パーティーと称して、近所のイタリアンレストランへ。 マギーは愛称で…

先生がアホやから

阪神タイガース、17年ぶりの最下位。 4位とか5位みたいな中途半端なところより潔くていいか。これ以上落ちることもないし。 実家が神戸の私にとっては、阪神タイガースは最も親しみを感じる野球チーム。 大学時代は甲子園でボールガールのバイトをしていま…

富士山に一度も登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿

日本語学校の作文クラス。月曜日、スイス人のルカとスウェーデン人のマイケルはいつも疲れたようすでした。 それもそのはず、彼らは週末ごとに富士山に登っていたのです。 なんと合計3回。 どうして3回も富士山に? マイケルはまじめくさった顔で原稿用紙…

自分では決めない、と決めた

「こんなおもしろい仕事があるなんて!」と楽しみつつ「苦しいからもうやめたい」と、ぐるぐる悩んでいる私。 出した結論は「自分では決めない」。 決められない背景には、どっちを選んでも後悔するのがわかっているからです。だったら、自分で決めなければ…

働かなくても楽しく生きていける?

新聞なんて読むのは高齢者の習慣なんでしょうが、朝起きたらとりあえず活字を読みます。 この記事を読んで完全に目が覚めました。 www.asahi.com 2030年以降、大半の仕事が消えて古代ギリシャのような社会へ。 古代ギリシャでは、労働は奴隷がするものであり…

レニングラードからサンクトペテルブルクへ

8月の中旬を過ぎると私が教える日本語学校の学生たちは帰国ラッシュとなります。 北ヨーロッパは8月半ばから新学年が始まる学校が多いからです。 ピークの時期は2クラスで合計30人以上の学生に教えていました。これが1クラスになると、ぐっと楽になりま…

自分の船で漕ぎ出そう

旅に出ると、帰って来てから何度も旅の思い出を反芻します。 西日本豪雨の後の広島への旅は少し躊躇したのですが、結果的にはすばらしい体験となりました。 私の祖父はしまなみ海道の伊予大島出身。ルーツを訪ねていくと、村上水軍の末裔だとわかりました。 …

ミルウォーキーの客と昨夜のマディソンの客

カズオ・イシグロがボブ・ディランとザ・バンドのファンだと知って愛読するようになりました。 音楽をテーマにした短編集もあります。 夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫) 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄 出版社/メ…

着物警察なんか気にしない

ドイツ人とスペイン人の女の子がキモノ姿で日本語学校の教室にやってきました。 着物じゃなくキモノとカタカナで書くしかありません。 連日の猛暑ですが教室の中はエアコンが効いて肌寒いくらい。そこで彼女たちは、Tシャツに短パンの上に、キモノをロング…

加齢を喜ぶ生き方

誰だって年を取りたくない。特に女性は。 私もそう思っていました。 でも、この3年間近く「早く時がたって早く年を取りたい」と熱望しました。 それは新しい仕事、日本語教師を始めたから。 「まったく教壇に立ったことのない素人が教師として慣れるまで3…

教室という名の酒場

夏の訪れとともに、私が勤める日本語学校は繁忙期を迎えます。 日本人学生が夏休みを利用してアメリカやイギリスに短期語学留学する逆バージョンで、世界中から学生が東京にやって来ます。 私が教えるのは選択科目の作文クラス。 時々、教師というより、酒場…

ロウソクの火を灯し続ける

世間が騒ぎ続けている日大アメフト問題。 関西学院大学の会見でこんな言葉を聞きました。 発言者は小野ディレクター。 闘志は外から言われて大きくなるものではなく、心の中から内発的に出てくるものであり、選手の成長を育てるもの。 そして、その一番根源…

いつも機嫌よくありたい

日本語学校で教え始めて3年目。あれこれ参考書を買いあさりましたが、最も参考になったのがこの本です。 もしも…あなたが外国人に「日本語を教える」としたら (クロスカルチャーライブラリー) 作者: 荒川洋平 出版社/メーカー: スリーエーネットワーク 発売…

たった一人の読者のために

自己啓発本の古典、デール・カーネギーの『人を動かす』。 人を動かす 新装版 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,山口博 出版社/メーカー: 創元社 発売日: 1999/10/31 メディア: 単行本 購入: 174人 クリック: 3,319回 この商品を含むブログ (618件) を…