翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

英語で学ぶ仏教

占いや宗教自体は悪くない

連日続いている旧統一教会の報道。 占いを仕事の種として、精神世界に興味があり、ケネス田中先生の仏教講座にも熱心に通いました。一歩間違えれば、報道される側になったかもしれません。信者と私を隔てているものが何なのか知りたいのです。 元信者で今は…

精神の自由のためのルーティン

「仏教の修行を体験してみたい」という外国人が数日間、日本のお寺に滞在。 「早朝の読経から始まり、寝るまでスケジュールがぎっしり組まれて、精神の自由を得るどころではなかった」という感想を抱いたところ、「次に何をやるか考えなくてすむところに、精…

アイスクリームの求不得苦(ぐふとっく)

ケネス田中先生の仏教講座で8つの苦しみについて学びました。 生死病死。そして愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦(愛する人と離れ離れになること、恨み憎む者と会うこと、求めるものが得られないこと、肉体と精神が思い通りにならないこと)。 愛別…

在野の聖職者

父は介護老人施設で看取ってもらいました。担当のスタッフの方々には本当に頭が下がります。 目を真っ赤に泣きはらした若い介護士さん。そんなに涙もろくてはこの仕事は大変なのでは。 そして、看護師さん。 「意識がしっかりしているうちに面会に来られたほ…

チャプレン(病院聖職者)の看取り

コロナ危機を言い当ててないから占いなんて意味がないという批判が起こりました。東日本大震災後も同じような流れになり、雑誌の占い原稿の依頼が一気に減りました。 迷信みたいなことを排除し、エビデンスに基づいた科学だけに従っていればいいのでしょうか…

閉まった扉を離れ、新しい扉を開く

2020年は、誰にとっても大きな転換の年となるでしょう。 歴史の授業で大恐慌など時代の転換期について学ぶと、当時の人々はどんな気持ちで毎日を過ごしていたのか想像していました。半世紀以上生きてきて、バブル景気やリーマンショックなど経済のアップダウ…

シッダールタは待つことができる

外出自粛で読書とNetflixで過ごしています。 ヘッセの『シッダールタ』を再読。 シッダールタは苦行を重ねて次の3つができるようになりました。 ・考えること ・待つこと ・断食すること 思考や断食はむずかしいけれど、待つのは簡単だと最初は思いましたが…

種子島の古いホテルで

思いのほか、種子島の旅は心に残りました。 創業1848年の老舗宿、あらきホテルに宿泊。 ネットの口コミでは「建物が古い」と書かれています。JALの航空券とセットで予約したのですが、2014年オープンの新しいホテルも候補にありました。しかし、そちらの…

笠地蔵と『シンドラーのリスト』

ケネス田中先生の仏教英語講座では、子供向けの英語漫画も教材の一つでした。 www.bdk.or.jp 愛犬を亡くした小学生の女の子が仏教に目覚める話。最後のシーンでは道端のお地蔵様に手を合わし、お供えされている新鮮な花や水を見て、すべての人が支え合ってい…

ディラン先生からケネス先生へ

NHKのETV「こころの時代」にケネス田中先生が登場しました。8月11日に再放送があり、ようやく観ることができました。 www4.nhk.or.jp ケネス田中先生は1947年、山口県生まれ。10歳の時に家族でサンフランシスコに移住しました。 日本とはまったく異な…

歩き出す前に立つことに集中する ワット・マハタートで瞑想

バンコクにまた行きたくなったのは、外国人向けの瞑想教室を開いているお寺があると知ったから。 教室は午後1時からスタートします。チャオプラヤー川のツーリストボートに乗ってワット・マハタートに向かいます。 バンコクの観光名所であるお寺はほとんど…

永遠の学生

3年続けた日本語教師の職を休職。本職のライター業は細々と続けていますが、自由に使える時間がいきなり増えました。 仏教伝道協会のケネス田中先生の講座に再び通い始めました。 思い返せば、先生に初めてお会いしたのは6年前の9月。この年に、阿佐ヶ谷…

これぞ葬式仏教

昨年の12月の母の葬儀は、葬儀会社に言われるまま、深く考えずに進めましたが、お寺に関してはちょっと思うところがありました。 実家の両親は宗教にあまり関心がないタイプ。 家族の中で一番、宗教的なのはおそらく私です。キリスト教系の学校を卒業してい…

今年は「反応しない練習」を

新しい年を迎えるたびに、新しいことを始めたいと思います。 しかし、現状の私の毎日はほぼ手一杯。 雑誌のライターとして毎週、毎月、毎年巡ってくる締切をこなし、週3回の日本語学校での授業。週4回のスポーツクラブのスタジオレッスン。要介護状態の両…

幸不幸は自分が決める part2

遠方の両親の後始末が面倒でたまりません。 実家に帰るとストレス解消のためにアルコールに手が伸びます。両親は飲まないので、もらい物の酒が死蔵されていて、せっせと飲んでいます。 実家と同じ市内に兄一家が住んでいます。 兄の奥さんは家事が得意で家は…

人生はすべて縁起で回っていく

映画『Buddhist 今を生きようとする人たち』の上映会後、監督の後藤サヤカ氏とジャーナリストの佐々木俊尚氏のトークショーがありました。後藤監督は、この映画を撮ろうとして撮ったのではなく、三浦明利氏の記録映像を撮っているうちに、次から次へと仏教関…

what to doではなく、how to do

映画『Buddhist 今を生きようとする人たち』の上映会に行ってきました。 http://buddhist-movie.com/ 3年前の秋、仏教伝道協会で開催されたシンポジウム「ここがスゴイよ 日本人の仏教観」。阿佐ヶ谷七夕祭りで知り合ったばかりの天海玉紀先生と参加しまし…

「私は観音である」

四万温泉の積善館で見た夢が楽しかったので、また泊まりたくなったというのが前回の話。 夢の世界は深くておもしろいけれど、人に伝えるのはむずかしい。そして、夢見の後にしっかり意識しないと、あっという間に忘却のかなたに押しやられていきます。4月か…

All things must pass/諸行無常

いくつになっても、4月は新しいことを習い始める月。今年の4月は仏教伝道協会でステファン・グレイス先生の講座が始まりました。 これまで1年半、ケネス田中先生の講座に出席していたのですが、大学がお忙しくなったそうで、ステファン先生にバトンタッチ…

誰も死について語れない

日常生活では、死について語ることはめったにありませんが、仏教英語講座では、頻繁に取り上げられるテーマです。 ケネス田中先生のお人柄からか、暗く重たいムードではなく、明るく理知的に死が語られます。たとえばこんな逸話。 The emperor asked Master …

心はどこにあるかを常に意識する

過去にこだわらず、未来を夢想せず、今の瞬間に集中する。そうは言っても、過去を忘れることができないし、明日の予定も気になるものです。 ケネス田中先生の講座では、今を生きるための具体的な訓練も紹介されました。先生がタイで見習い僧として暮らしてい…

この瞬間は、天からの贈り物

ケネス田中先生の英語で学ぶ仏教に毎月1回、通っています。 1月のテーマは、先月に引き続き、諸行無常(Impermanent)でした。d.hatena.ne.jpまず、仏教聖典の言葉。 Do not dwell in the past, do not dream of the future, and, instead, concentrate th…

大掃除も年賀状も、冥途の旅の一里塚

前回に続き、仏教英語講座で学んだimpermanet(諸行無常)について。ケネス田中先生は、あらゆるレベルでの変化例が挙げていきます。 宇宙的は膨張を続け、地球上の大陸もゆっくりと動いています。 私たちの身体の細胞は3ヶ月で完全に新しいものと入れ替わ…

冬至に考えるImpermanent(諸行無常)

仏教伝道協会でのケネス田中先生の講座、11月のテーマはImpermanent(諸行無常)でした。「日本では平家物語の影響か、諸行無常というと暗いイメージを持つ人が多いけれど、もっと前向きに考えることができる」とケネス先生。 常に変化しているからこそ、新…

ボブ・ディランの念仏"How does it feel?"

私がみうらじゅんのファンになったのは、ボブ・ディランつながりですが、ファンになった状況もよく似ています。 私が聴き始めた頃のディランは、もはや旧時代に属する人間だと思われていました。何より「フォークの神様」というレッテルが、当時の若者にはす…

ググって得られる知識以上のものを身に付けたい

前回、姥捨て山について書いたら、id:kamomeskyさんから「仏教聖典に棄老国の話が収められている」とコメントで教えていただきました。仏教伝道協会のケネス田中先生の講座では、仏教聖典を英語で読むのですが、講座で取り上げられる場所を広い読みするだけ…

人生は思い通りにならないから、おもしろい

前回、「阪神の優勝は人生で3度まで。それ以上は望むな」という言葉を紹介しましたが、私にとって阪神タイガースの野球はプロスポーツというより神事です。もちろん、阪神が優勝するのはうれしいけれど、あまりたくさん優勝するとありがたみが薄れるような…

いつも心にディランと仏教を 『笑う洋楽展』

NHKBSプレミアムの『笑う洋楽展』、毎週楽しみに観ています。 http://www4.nhk.or.jp/warauyo/みうらじゅんがいかにボブ・ディランと仏教を信奉しているかがよくわかります。 歌手の紹介で「この人はボブ・ディランにあこがれて歌手になろうとした」と…

双頭の鳥・集合的無意識・人は島嶼にあらず

「いつかはムスタンへ」と想像するようになって、仏教を学ぶのがますます楽しくなりました。月に1回、田町の仏教伝道協会でケネス田中先生の仏教英語講座に通っていますが、先月の講座は『仏陀の教え』に出てくるこのエピソードで始まりました。 かつてヒマ…

日本の神様≠god

NHKラジオ英会話7月最終週は小泉八雲の『怪談』から"A Dead Secret"が教材でした。フィンランド人のアンネの来日前に島根を紹介するために使ったキーワードの一つが小泉八雲(Lafcadio Hearn)でした。 小泉八雲は一神教の厳格なのキリスト教になじめず…