翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

ボブ・ディランの念仏"How does it feel?"

私がみうらじゅんのファンになったのは、ボブ・ディランつながりですが、ファンになった状況もよく似ています。

私が聴き始めた頃のディランは、もはや旧時代に属する人間だと思われていました。何より「フォークの神様」というレッテルが、当時の若者にはすでに時代遅れと思われたのでしょう。
その意味では、ディランが好きだった当時の自分は、小学生のときにひとり仏像が好きで周囲と話が合わなかった頃と、同じような状況になりました。
(「マイ仏教」より)

みうらじゅんのマイ念仏が「そこがいいんじゃない!」なら、ボブ・ディランのの「どんな気がする?(How does it feel?)」というのも念仏のひとつかもしれないと、みうらじゅんは説きます。

「そこがいいんじゃない!」は、おもしろくないことが起こったときに効くし、How does it feel?は、安逸な方へ流れそうになったときのストッパーとなります。

私はスポーツクラブのズンバに行く時刻のタイマーとして活用しています。
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「一日ぐらいさぼっても、そんなに変わらない」「寒いし」「今日は仕事で疲れているし」と、脳はスポーツクラブを休むための言い訳を瞬時にして並べ上げます。
しかし、昔、いい気になっていたミス・ロンリーがどんな末路をたどったかというディラン先生の「ジャスト・ライク・ア・ローリングストーン」が流れてくると、我に返ります。

決断に迷った時も、この念仏は効きます。
若い頃は、自分がどうしたいかと同時に「これをやったら、人からどう見られるか」を気にしていました。
でも、50代も半ばにさしかかると、もう人がどう思おうと、それはそれでいいじゃないか、それよりも自分がどう感じるか(How does it feel?)を考えるべきではないか。人の迷惑になったり不快にさせたりしない限りは、好きに生きていきたいと考えるようになりました。

ディラン先生の名言。
A man is a success if he gets up in the morning and gets to bed at night, and in between he does what he wants to do.
朝起きて夜寝るまでの間に、自分がやりたいことをやっている人は、成功者だ。

アメリカを代表するフォークシンガーという確固たるポジションを惜しげもなく捨て、ロックやカントリー、宗教音楽など歌いたい曲だけを歌ってきたディラン先生ならではのお言葉です。

「そこがいいんじゃない!」と「How does it feel?」を唱えていれば、これからの人生、そう悪くないんじゃないかという気がします。


島根・石見銀山の神社で見つけた亀の像。転がる石もあれば、石像になって苔むす石もあるわけです。

イントロのオルガンを弾くアル・クーパーのエピソードも印象的です。
「引き寄せの天才、ボブ・ディラン
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