大阪出身の夫に誘われて、大阪旅行へ。
両親の介護のため月に一度、神戸に帰省していましたが大阪は素通り。ゆっくり旅するいい機会です。決め手となったのは、BTSの聖地巡礼。ソウルや釜山、ニューヨークの聖地を訪れていますが、大阪のなんばグランド花月も立派な聖地です。
今となっては考えられないことですが、BTSの駆け出し時代はまず日本で成功することが世界進出の足がかりでした。日本語の曲もけっこう歌っています。それにしても吉本新喜劇とは! 国連のスピーチより練習が大変だったのではないでしょうか。すち子は日本のジミー・ファレル(トゥナイトショーの司会者)。

建物の外観を見るだけでは聖地巡礼にならないので、チケットを買って中に入りました。

この舞台にBTSが立ったのかと、感慨無量。
舞台を見ればそれで満足だったのですが、漫才と新喜劇に大笑い。特におもしろかったのがバッテリーズとパンクブーブー。知ったかぶり、社交辞令といういかにもありそうな日常をお笑いまで昇華する巧みなネタでした。
ラニーノーズを生で見たのも貴重な体験。ギターを手に歌ネタで笑いを取る男性コンビですが、バンド活動でラニーノーズのファンになった男性ファンがライブに行き「おもしろくなさすぎて帰りの新幹線で泣いた」と投稿。推しのスキャンダルで泣くのはわかりますが、ネタがおもしろくなくて泣くという斬新な切り口で、けっこう読ませる文章だったのでバズりました。そして、クローズドでつぶやいたセンシティブな内容が漏れて出禁になるという展開。吉本は所属芸人の扱いがひどいのが鉄板ネタだったのに、コンプライアンス重視の世の中となり、吉本の社員がファンに出禁を告げることもあるとは。
ラニーノーズ、なんばグランド花月の舞台に立てるということはそこそこ成功しているのでは。15分ほどの持ち時間で複数の芸人が出るので、自分の好みではなくても目くじら立てず流していけばいいのです。
大御所の中田カウスも登場し、「吉本は昔はブラックだったけど、今はグレー、いやアイボリー」と語っていました。時代は変わる。

大阪、楽しい。なんば花月も年に一度ぐらい来ようと思いましたが、クールジャパンの失敗は腹立たしい。お笑いは政府や権力とつながるべきではありませんし、土着のものですから世界展開はむずかしいのです。
若い頃、ニューヨークのミュージカルに魅了され、TKTSの半額チケットで舞台を次々に観る貧乏旅行をしました。オフブロードウエイの舞台で間違って買ったのがスタンダップコメディ。演者が一人、マイク一本で舞台に立つ漫談です。早口でネタをしゃべり、わけがわからないけれど適当に周りに合わせておもしろがっているふりをしてごまかしました。
1980年代半ば、ロックフェラーセンターを始めマンハッタンの不動産を日本人が買い占めようとした時代。最後のネタはしっかりわかりました。
アメリカは日本のヒロシマとナガサキを破壊したけれど、日本だってアメリカの都市を破壊した。デトロイト。
観客から拍手喝采で幕が閉じました。アジア系だけど私は日本人じゃないからというふりをして劇場を出たのを覚えています。
スタンダップコメディも漫才も海外進出は無理。だからこそ大阪のお笑いの舞台に立ったBTSの努力に感服し、日本人として大阪でお笑いをしっかり堪能しようと思った日でした。









