翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)、ビジネス記事翻訳。副業で外国人に日本語を教えていましたが、2019年3月で卒業。フィンランドが大好き。ウラナイ8所属。

趣味も旅も新しいスタイルで

でラジオの英語講座を聞いていたら「ホビーという単語は、産業革命前は子供っぽい遊びを指し、あまりいい意味はなかった」という話が耳に入って来ました。

今の英語では、ホビーは技術や知識を必要とする趣味を指します。単なる暇つぶしはパスタイム。「あなたのホビーは?」と聞かれて、テレビを見たり近所を散歩することはホビーとは言わないと教わりましたが、働かなくては食べていけない時代には、労働者階級がホビーやパスタイムを持つのはいいことではなかったのでしょう。

 

時代は変わり、コロナにより不要不急の外出がはばかれる現在、自宅で楽しめる趣味がないと時間を持て余します。リモートワークも普及し、無駄な仕事を見直して自由時間が増えるにつれ、ますます趣味の重要性は増すでしょう。お金をかければ短絡的に楽しめる趣味ではなく、創意工夫しながら自分だけの世界が作れるような趣味。長い人生を考えたら、子供は勉強だけではなく、生涯にわたり楽しめる趣味の芽を植えるのも必要でしょう。

 

趣味と同じく旅の意味も昔と今では大違いです。

トラベルの語源は、古代ゲルマン語のトラバイルで、苦労や骨折りを意味します。ここからにトラブルという言葉も派生。家の中にいれば安全なのに、外は危険がいっぱい。盗人や野生動物に襲われるリスクを抱えながら知らない土地を旅するのは苦労の連続だったことでしょう。

易の卦で「火山旅(かざんりょ)」が出たら「旅に行ける!ラッキー」ではなく、孤独で思うようにいかない状況という意味。ただし、得た爻によっては資金も潤沢で仲間もいて楽しかったり、おいしい話が転がりこんでくることもあります。

そして、六十四卦の順番を示す序卦伝では、火山旅の次は「巽為風(そんいふう)」。旅先では風のように柔順に人の輪に入っていき、そうすれば楽しさや悦びを示す「兌為沢(だいたく)」へとつながっていきます。この並びをながめると、古代中国はヨーロッパより柔軟なで楽しそうな気がします。

 

思い立ったらどこへでも旅ができる自由を謳歌していたのが、コロナで一変しました。今月から県をまたく移動ができるようになりましたが、旅先で「東京から来た」というと嫌がられそう。「巽為風」に教えに従い、目立たないように現地に溶け込むことにします。

  

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 共立メンテナンスの近隣住民向けプランを利用して格安にドーミイン秋葉原に宿泊。夫と二人で泊まったので、一人3250円。女風呂に露天とサウナはあるのに水風呂がないのは残念でしたが、この値段で宿泊、お風呂、朝食付き! お茶の水や神田あたりの散策も楽しめました。

「東京差別」という言葉も出てきたそうですが、それなら近場で楽しむ旅のスタイルを探します。

 

運を天に任せてNintendo Switch当選

 

コロナによって「新しい生活様式」が提唱されています。

混雑した酒場で語り合ったり、バイキング形式の食事を楽しむことはもうできないのでしょう。

 

休館となっていたスポーツクラブが6月から再開しました。ズンバのレッスンに通っていた私にとって、約2か月間の休館はつらいものでした。頭の中を空っぽにして、音楽に合わせて踊る時間があるから、体と心の状態をなんとか維持してきたのです。日本語学校で教えていた頃は心身とも消耗しきっていましたが、ズンバがあったから3年間続けられたようなものです。

 

ジムのマシーンは一台ずつビニールで区切られ、ロッカールームでの会話を控えるようにと注意書きが貼られています。

ズンバやエアロビクスのレッスンは30分に短縮。スタジオには床にテープが貼られて区切られていました。枠から出ないように踊るのです。曲ごとに後ろ向きになったり、左右2グループに分かれて向き合って踊るなど、さまざまなスタイルで楽しむのがズンバなのに。もちろんハイタッチ、声出し禁止。

一番大きな変化は、20名の定員制となったこと。人気のインストラクターのレッスンは受付開始の1時間半前に行列ができ、たちまち満員となります。

 

私は行列が嫌い。マスクが不足していた頃、ドラッグストアの行列に絶対並びたくないと思いました。暇な高齢者が買い占めるので、マスクが本当に必要な人に行き渡らないと聞いたからです。

 

老人ばかりで活力のない国に成り果てそうな日本。

高度経済成長期に子供時代を送り、社会人としてバブル景気を謳歌した世代としては、今の若い人たちに後ろめたい気持ちがあります。せめて、多くを望まず人に道を譲るような高齢者になりたい。ズンバのレッスンも、空きがあったら参加するけれど我先に行列に並ぶつもりはありません。スポーツクラブには水風呂がなくてもサウナはあるので、レッスンに参加できない日はゆっくり入浴して帰ることにしました。

 

そんなふうに淡々と生きようとしているのに、これを目にしてしまいました。

 


『Zumba de 脂肪燃焼!』紹介PV

 

YouTubeのズンバはいま一つだったのですが、これならゲーム形式で楽しめそう。しかもインストラクターにズンバの創始者、ベト・ペレスがいます!

 

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エアロビクスのインストラクターをしていたベト・ペレスがレッスン用の音楽テープを忘れてしまい、しかたなくお気に入りのラテン音楽で即興の振付でレッスンをしたことでズンバが生まれたというエピソードは最高!
いつかはズンバ発祥のコロンビアに行き、現地のスタジオでズンバに参加するのが夢ですが、とうてい叶えられないとあきらめていました。
このゲームなら、その夢を疑似体験できるのです。
 
問題はNintendo Switchが手に入らないこと。
転売で買うのは避けたいし、「あつまれどうぶつの森」が遊べなくて悲しんでいる子供たちが多いのに、いい年をした大人が買おうとしていいのでしょうか…。
そのうち品薄状態も解消されるといいますが、できたら早く欲しい。運を天に任せて1回ぐらいチャレンジしてもいいだろうと、任天堂オンラインストアの抽選販売に申し込みました。
 
その結果、当選。
自分の欲の深さと引きの強さにめまいがしましたが、ズンバへの思いが天に届いたのでしょう。

 

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昨年9月に訪れたマドリードの街角。

ズンバとガルシア=マルケスを生んだコロンビア行きの夢は果たせなくても、スペインを旅していると「まるでガルシア=マルケスの小説の舞台みたい」と思うことがよくありました。スペインの流れを汲む国ですから、よく似ているのでしょう。

お金は結局、幻想かもしれない

 

外出自粛期間中「あつまれどうぶつの森」が話題になっていました。買おうとしても正規ルートでは手に入らず、割高なお金を出して転売で買うのもくやしい。流通するまで待つことにしたのですが、「あつ森」にはカブというアイテムがあるとを知りました。カブは価格が変動し、自分が買った時より高く売ると儲けが得られます。一週間たつとすべて腐るので、高値狙いで待つことはできず、損切りも必要…現実の株よりむずかしそう。そもそも現実でアメリカ株の価格変動に踊らされているのに、わざわざゲームでやることはないので、「あつ森」の購入は断念しました。

 

お金が幻想なら、ニューヨーク市場のアメリカ株も、「あつ森」の株も似たようなもの。コロナに人種暴動と大混乱のはずなのに、なぜかアメリカ株は堅調。ウラナイ8を一緒にやっているゆみこさんが「景気の『気』は心。経済指標ではなく人々の心で株価も上下する」といった意味のことを話していました。ゲームのつもりで軽く取り組むぐらいがちょうどいいのでしょう。

 

相場や為替なんてものにわずらわされることのないように1年間お金を使わずに暮らした記録を読みました。無人島でのサバイバルではなく、イギリスのブリストルです。

   

 

『ぼくはお金を使わずに生きることにした』の著者、マーク・ボイルはアイルランド生まれでイギリスに暮らし、フリーエコノミー運動の創始者

 

郊外の農場の手伝いをして、野菜をわけてもらうのに加えて、食べられる野草を採取。空き缶2個で作ったロケットストーブで調理します。

住まいは無償で譲り受けたトレーラーハウス。製造後10年が経過したのでキャンプ場の使用許可が下りなくなり、売却するには手間がかかり、保管するだけで月25ポンドの維持費が必要なので、前の持ち主はただでも手放したかったのです。

電力はソーラーパネル、暖房は廃材を燃やす薪ストーブ。

執筆でパソコンを使う時間を最小限にするため、構成を紙に書き出してからパソコンで清書したそうです。紙とペンは野生のキノコから作る方法もあるそうです、街でゴミに出された裏の白い紙やペンを拾ったほうが手っ取り早い。街への移動は自転車です。

 

同じような生活をしているのがユタ州の洞窟に暮らすダニエル・スエロ。もう何年もお金とは無縁の生活を送っているそうです。

金なしになるのは、財産を手放すことではない。実際、手放す物など何もないのだから。何かを所有している人など、どこにもいない。だとすれば、金なしになるとは、これまで何も所有していなかったと認めるだけの話である。何かをなくしても、もともと所有していなかったものだと思えば、喪失感はない。誰かに何かをくれと頼まれたら、あげても惜しくない。あげるといっても、そもそも自分のものではないのだから。そうして、必要なものは必要なときに手に入ると信じよう。

さらに、「お金は悪だと思うか」という質問に「お金は幻想だ。幻想によいも悪いもない」と答えています。100ドル札を見ても、しゃれた絵のついた1枚の紙にか見えず、実際に20ドル札を見つけたので切り抜いてコラージュを作ったそうです。

 

さすがにここまで過激になれませんが、東京に暮らしていても、なるべくお金を使わない生活を心がけています(電子マネーでキャッシュレス払いという意味ではなく)。

食品と洗剤などの消耗品、書籍、講座、音楽、映画以外は買い物断食を心がけています。フィンランド人のペトリ・ルーッカイネンに啓発されました。  

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所有物すべてを倉庫に預け、1日に1個だけ持ち帰る1年間の生活のチャレンジしました。マークはわざわざ11月末の寒い日からお金を使わない生活を始めて寒さに苦しみましたが、ペトリも雪の舞う冬に真っ裸で倉庫に走っています。生半可な決意ではこういうことは始められないのでしょう。

コロナはとんでもない災いのようでいて、今まで当たり前だと思い込んでいた生活様式を見直すいい機会になりました。見栄のためにお金を使うことはなくなるし、気の進まないお付き合いは断ってもOK。食べる物、心の糧となる物、そして毎日使う必需品だけにお金を使うシンプルな生活を目指します。

  

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フィンランド西部の伝統的な農家。

「日本には片付けの方法を教えてくれる有名な女性がいるって本当?」とフィンランドの女性に質問されたことがあります。マリメッコなどお洒落なイメージのあるフィンランドですが、実際の暮らしは質実剛健。ショッピングを楽しむ習慣もあまりなさそうです。アメリカで引っ張りだこのコンマリは、フィンランドではあまり需要がなさそうです。

 

またたびの誘惑

今年の5月は毎年恒例の島根旅行を楽しむはずでした。地方の人にとっては「東京は日本の武漢」と聞き、大っぴらに国内旅行ができるのはいつになることやらと思ったものです。

 

国内旅行ではもっぱらJALを利用していましたが、キャンセル不可の安いチケットもすべて全額払い戻しとなり、助かりました。

政府の「go to キャンペーン」より一足早く、JALでは国内旅行用に「また旅に出ようクーポン」を出しています。

2名以上で航空券と宿泊合わせて4万円以上なら2万円引き。一人あたり1万円が割引になります。

羽田から東北や四国あたりなら2万円台で往復航空券と宿泊ができます。このクーポンを使えば一人1万円ちょっとで行って泊まって帰れるわけです。

 

出発対象期間は7月1日から。コロナの第二波があるかもしれないのに大丈夫かと思いましたが、その時は無料でキャンセルできるようになるはずです。

というわけでフライング気味に7月からの旅を予約しました。猫にまたたびならぬ、旅好きに「また旅」クーポンです。

 

「どこかにマイル」とは違い、行き先を選べるので、7月の最初の旅は最も行きたい場所にしました。帯広です。

 

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2年前の夏に帯広を訪れ、北海道ホテルに宿泊しました。「森のリゾート」というキャッチフレーズ通り、市街地なのに豊かな自然に囲まれているホテルです。

帯広の温泉は「モール温泉」。地中に埋もれた植物から生じた有機物が溶け出したお湯で、いかにも体によさそう。東洋占術で「土」の気を持つ私にとっては、豊かな大地への開運も期待できます。北海道ホテルにはサウナと水風呂も完備して何日でも滞在したいぐらいです。

 

市街地から北海道ホテルまで歩ける距離ですが、送迎バスも出ています。

チェックアウトしてバスに乗ると、新人運転手の研修のためホテルのお偉いさんのような方も同乗していました。駅に着くまでの数分間、研修そっちのけで話が弾みました。「ホテルのパンがどれもおいしかった」と言うと、生粋の帯広人なのか、「帯広にはいい小麦と牛乳があるから、パンもお菓子も全部おいしい。北海道で一番いいところです」と嬉しそうに語ってくれました。

 

遠い土地を旅して、地元の人とちょっとした会話を交わす。

こうした体験がとても贅沢なものだったとこの数か月でつくづく実感しました。コロナの第二波、第三波も予測されていますし、能天気に旅なんかをしている状況じゃないのかもしれませんが、人との接触を最小限にして、旅先の空気に触れてきます。

 

手に入れるより、捨てるほうが大変だ

『クリミナル・マインド』シーズン10の『地獄めぐり』で紹介された名言が紹介されました。

It doesn't take a lot of strength to hang on. It takes a lot of strength to let go. — J.C. Watts
しがみつくには、そんなに力が要らない。手放すには、強い力が要る。

アメリカの政治家J.C.ワッツの名言です。

この回は、父親に虐待された男性が、ダンテの『地獄めぐり』に出てくる9つの地獄に沿って殺人を重ねていくというストーリー。単に殺すのではなく、父への復讐という強い念によりやたらと手の込んだ方法で殺していきます。

 

虐待された育つと自分も虐待するようになると言われます。同情の余地のある犯人もいますが、対するFBI行動分析課のプロファイラーたちもそれぞれ心の闇を背負っていて、捜査する側、逮捕される側になるかは紙一重みたいなメッセージが込められているのでしょう。

トラウマとなった過去を手放すのは並大抵のことではありません。

 

そして「しがみつくにはあまり力が要らない。手放すには強い力が要る」は、こんなふうに脳内変換されました。

手に入れるより、捨てるほうが大変だ

 

クリックするだけで玄関先まであらゆる商品を届けてもらうことができる時代です。実際に手に入れると、イメージと違うとか、あまり使う機会がなくて死蔵。それらを捨てるにはエネルギーが要ります。粗大ゴミで出すならネットで申し込みんで処理券を買い、指定の日の朝8時までに出さないといけません。

何より、愚かな買い物をしてお金も資源も無駄にしてしまった自己嫌悪。つい、なかったことにしてクローゼットの奥に押し込みたくなります。

 

昨年の春、築20年のマンションを思い切ってリノベ。3LDKの仕切りを取り払って1LDKにしました。

収納は押し入れ部分と目隠しされた1・5畳のスペースにまとめました。

 

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 リノベ後の部屋で暮らし始めた直後は、すっきりした空間を保つつもりだったのに、1年以上たつとかなり乱れてきています。

 

コロナ以降、高価な洋服を着て出かける機会はめったになくなりました。新しい洋服を買うよりも、zoomで映る部屋がすっきりしているほうがずっとお洒落な生き方です。

改めて、今後は捨てるために要するエネルギーまで考えて買うかどうか決めようと決意しました。

 

昨年から始めた終活では、死後の事務処理をNPO法人に委託しました。

長生きしすぎてお金が足りなくなるのも困りますが、子供や孫がいない場合、死後にお金が余ったらどうするか決めるのも大変です。ハゲタカのようにむらがりそうな親戚に遺す気はないので、寄付する先を決めておかなければいけません。

このNPO法人と契約するのは、頼れる身内がいない人が大半です。他の方々はどうしているのか質問してみました。

自分で基金を作りたいという人もいたけれど、ものすごく大変。結局は国境なき医師団か山中先生、あるいはお世話になった病院といったところに落ち着くそうです。そしてこのNPO法人に寄付する人もいるそうです。たしかに、ここがなかったら、私は残りの人生が少なくなるのがとても不安だったでしょう。

今考えているのは、向学の志のある外国人留学生を受け入れ、しっかりケアしている単科大学への寄付です。国立なのでつぶれることもないでしょう。試しに昨年、少額の寄付をしてみましたが、対応は丁寧だったし、何より用途を指定して寄付できるのが気に入りました。

 

若い頃はお金が欲しくて、どこかに寄付するなんて思いもしませんでしたが、あの世にお金は持っていけません。お金を手に入れるのは簡単なことではありませんが、適切なところに回すのも大変です。