翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)、ビジネス記事翻訳。副業で外国人に日本語を教えていましたが、2019年3月で卒業。フィンランドが大好き。ウラナイ8所属。

ルース・ベイダー・ギンズバーグに学ぶ老後の生き方

先週、アメリカ連邦最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)が亡くなりました。87歳の大往生ですが、これほど死去が惜しまれた高齢女性はいないでしょう。

長官を含めて9人いる連邦最高裁判所判事は、アメリカという大国の行方を左右する存在。大統領に任命され、任期は終身で人工中絶や同性婚など、アメリカ社会を二分するような問題に最終的な判断を下します。

 

性差別に戦う女性を象徴するRBGですが、男性のためにも戦っています。シングルマザー対象の社会保障をシングルファーザーも受けられるように裁判を起こしたこともあるのです。

 

ドキュメンタリー『RBG 最強の85歳』で印象的だったのは、パーソナルトレーナーについて筋トレを行うシーン。

トランプ大統領が就任し、右傾化するアメリカで彼女は命ある限りアメリカの自由を守ろうとしたのでしょう。そのためには健康を保たなくてはいけません。

ズンバで汗を流して運動している気分になっていますが、筋肉はふにゃふにゃ。筋トレみたいなストイックなことは苦手ですが、長い老後を考えると筋トレも必要です。何しろ日本の女性の四人に一人が70歳以上に。RBGほどのことは到底できませんが、少なくとも人の助けを借りずに自立した生活を送りたいものです。

 

腹筋も腕立て伏せもまともにできないのですが、ネットに流れてきたのがプランクツイスト。1分だけというのがいい。

 


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RBGの人生を開花したのは夫。『君がアメリカの法曹界の階段を駆け上がっていくのが何よりうれしかった』という台詞は並みの男には言えません。

 

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そして、三児の母だったRBGは料理が下手だったというエピソードも心安らぎます。苦手なことは無理にしなくてもいい。子供たちからの苦情を受けて料理することを控えるようになったそうです。

 

孫娘も法曹の道を選びハーバード大学ロースクールに進みます。同期の卒業生は男女半々。RGBが入学した時は560人のうち女子学生は9人だけでした。

問題だらけの世界でも、着実に進歩しています。

 

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 帯広・真鍋庭園のリスの教会。

この世界に自分が生きる隙間を見つける

先週の朝日新聞、哲学者の古田徹也のコラムに「親ガチャ」という言葉が出てきました。

何が出て来るかわからないカプセル型のおもちゃの自動販売機「ガチャガチャ」から始まり、今はスマホのゲームのくじを指すそうです。

さらに言葉は進化し、子供がどんな親のもとに生まれてくるかを「親ガチャ」と若者は呼んでいるとか。古田徹也は東京大学文学部の先生。東大に入学できるほど優秀で、文学部進学が許されるリベラルな親を持つ学生が多いでしょう。自分たちが恵まれていることがわかっているから「親ガチャ」なんて言えるのかも。

 

スピリチュアル系では「子供は親を選んで生まれてくる」という言葉がありますが、わざわざ虐待する親のもとに生まれたいという子供がいるのでしょうか。親は選べないし、どの家に生まれるかはまさに「ガチャ」です。

シャーリー・マクレーンは『アウト・オン・ア・リム』で、人は生まれてくる前に今生のテーマを決めていて輪廻転生すると聞き、「強制収容所ガス室で殺されたユダヤ人に同じことを言える?」と反論しています(徐々に精神世界を受け入れていきますが)。

 

コラムには「親ガチャ」以外にも「顔ガチャ」「体ガチャ」「国ガチャ」「時代ガチャ」が出てきます。愛情深い両親にもとに生まれても、病弱だったり、国が政情不安定だったりで困難な人生を余儀なくされることも多いでしょう。

 

どんな「ガチャ」を引いても、そこから努力すれば人生は切り開けるというお説教は今どきの若者たちに不評です。

 

彼らの手にはいつもスマホがある。そして、その中で回るガチャが、自分の人生の寓意になっている。これは、一歩引いたところから自分や社会を捉える諧謔であり、皮肉であり、同時に深い諦念でもあるように思われる。

 

私は40年ほど前に学生でしたが、若者がここまでの諦念を持つような空気はありませんでした。日本はどんどん豊かになって、生まれる時のガチャに恵まれなくても、人並みの暮らしができるという希望が持てた時代でした。

  

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まだコロナが深刻でなかった2月初旬、種子島で見つけた小さなカフェ。

ホテルに隣接する赤尾木の湯の建物の1階にある「スキマカフェ」。ホテルをチェックアウト後、空港行きのバスまで時間があったのでお茶を飲みに入りました。一人で切り盛りしている若い女性がランチ用のカレーの仕込みをしており、店内にはいい匂いが漂っています。

コーヒーを丁寧に淹れてくれた彼女に「どうしてスキマカフェという名前なんですか」と質問すると「スキマ時間を好きな時間に」いうコンセプトとだと説明してくれました。「それに、ちょうどこのスペースが隙間みたいに空いていたんです」。

種子島の出身ではないそうです。きっとこのカフェをオープンするまでには波乱万丈の物語があったでしょうが、昼の仕込みに忙しい彼女にそれ以上の質問はできませんでした。フードメニューはどれもおいしそう。何より、カフェの切り盛りが好きで楽しんでやっている雰囲気が伝わり、とてもいい場所だと感じました。

赤尾木の湯は水風呂もあって気持ちよかったし、あらきホテルのホスピタリティも最高だったし、次は種子島にもっと長く滞在して、スキマカフェに毎日通って少しずつ話を聞いてみたいものです。

 

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コロナによる経済への打撃で、はずれガチャを引いた人はますます苦しくなるという深刻な社会情勢になっていますが、なんとか抜け道を探してほしい。誰もがうらやむような成功を目指すのは競争が激しいけれど、自分の適性に合った隙間さえ見つかれば、人生は展開していきます。

 

物語を旅し、いつかはメキシコへ

当たり前のように思っていた旅する自由がコロナによって奪われ、改めて旅について考えました。

コンフォート・ゾーンで暮らしていれば楽なのに、人はなぜわざわざ旅に出るのか。

 

その理由の一つは、物語のためでしょう。豊かな社会になると食べて寝るだけでは満足できず、物語がないと生きる意味を見出せません。

映画やアニメ、小説の舞台になった場所を追体験したい。その物語に夢中になったからこそ、その場にリアルで立ってみたい。昔は宗教を口実にした聖地巡礼が旅の理由でしたが、今は聖地巡礼といえばアニメの舞台を巡ることです。

 

東京から寅の方位にある大洗には吉方位取りでよく行きます。そして、大洗を訪れる人の大半は『ガールズパンツァー』のファンだとわかりました。 bob0524.hatenablog.com

 

このところ熱烈に行きたいと願っている別府にも、聖地巡礼の舞台がありました。 

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鬼滅の刃』の聖地の一つとされる八幡竈門神社。鬼が作ったという石段があります。

奉納された絵馬には、鬼滅の刃のイラストがそれぞれの思いが描き込まれていました。

これこそ現代の聖地。単に日々を送るだけではなく、人は物語によって生かされているのです。

 

コロナが収まって再び海外旅行が解禁されたら、どこに行こう…。

フィンランドの友人を訪ねて夏至を体験するのもいいし、スペインにはぜひまた行ってみたい。韓国、台湾、タイ、ベトナムといったアジアの国にも行きたい。

物語という観点では南米コロンビアが第一候補です。愛読しているガルシア=マルケス、毎日のように踊っているズンバの創始者ベト・ペレスの国。

コロンビアの治安はあまりよくないし、日本人観光客が訪れるにはハードルが高そう。だったら南米のアルゼンチンまで行ってみようかと思いを広げました。

しかし、ガルシア=マルケスの生涯を追っていると、母国のコロンビアよりメキシコで認められ、ノーベル文学賞受賞。タキシード嫌いだったため、式にはカリブ海の礼装で臨みました。ノーベル賞史上、民族衣装での受賞は初めてのことです。

 

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ベト・ペレスにしてもズンバが世界的なエクササイズとして発展したのはコロンビアではなく移住先のフロリダです。

となると、私の人生の物語を紡ぐのはコロンビアではなくメキシコのほうがふさわしい。

そして、メキシコには駆け出しの日本語教師だった頃に支えてくれた愛すべき学生、ディエゴがいます。村上春樹ヒカルの碁を原文でよむために日本語を学び始めたディエゴ。コロナ禍をきっかけに頻繁にメール交換をするようになりました。

 

bob0524.hatenablog.com

 

メキシコでディエゴと会おう。そしてガルシア=マルケスに思いを馳せよう。実現するかどうかわからないけれど、物語さえあれば、今日も明日も生き抜くことができます。

 

私たちにはルビーパレスがある

温泉もいいけれど、サウナと水風呂ははずせません。

旅館の豪華な夕食は持て余しがちで、夜は地元の居酒屋で好きな量だけ食べたいとなると、大浴場とサウナのあるドーミイン一択となります。ただしドーミインでも女性浴場には水風呂がないところもあるので事前チェックは必須です。

 

モール温泉、フィンランドサウナ、水風呂、森林浴とすべたが揃った帯広の北海道ホテルは理想の宿泊先。

しかし、そんな理想郷にも不満を抱く罰当たりな人がいるのです。

前回訪れた時、常連らしき女性が「水風呂がぬるい」と従業員に延々とクレームをつけていました。温度計を見ると20度。「男性のほうは社長も入るし、ちゃんと温度管理しているんだろう、私はネットもチェックしている、取材には男性用しか使っていないしね」とかあれこれ言ってました。

人間、身近なところにあるものの価値はなかなか実感できないものです。

サウナは男社会。池袋に新しくオープンした「かるまる」は、お風呂が5種類、サウナが4種類、水風呂が4種類もあるそうですが、限定イベントのレディースデーを待つしかありません。北欧、マルシンスパ、ニューウィングなどサウナの名店も男性専用でしす。

 

女性も入れるけれど、男性よりサウナの種類が少なかったり、外気浴ができるのは男性だけという施設もあります。

女性のサウナ人口が男性より少ないのだから、しかたがないこととあきらめていたのですが、新大久保に女性専用のルビーパレスがあります。

 

日本語教師をやっていた時、月火水と授業があり、心身共に消耗した水曜は都内のサウナを転々としていました。ルビーパレスにも行ってしっかりととのったのですが、コリアンパワーに圧倒されて、アウェー感を抱きました。距離的にはそれほど変わらないのに、つい足が向くのは同じ区内の施設。

先日、サウナ愛好者仲間の玉紀さんが、ルビーパレスのよもぎサウナを推しているので、また行ってみました。

 

ルビーパレスは女の天国!

私は極端な性質なので、熱いドライサウナと水風呂が好み。その合間によもぎサウナを挟み、水風呂の後の休息に低温の遠赤外線サウナを加えました。

 

総武線大久保駅から韓国の店を覗きながら歩くのも楽しい。コロナが収束して海外旅行が解禁されたら釜山に行きたいと願っていましたが、こんな近くに韓国がある!

あまりのすばらしさに会員になり回数券も購入しました。貴重な女性専用サウナの火を消さないようにせっせと通うつもりです。

 

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ルビーパレスは私にとって王宮というよりサウナの神々が集う神殿。サウナ教というものがあるなら、「先生」と呼ばれるあかすり担当のアジュンマたちは神官。隠し事のない露わな姿で身をさらし、穢れを落としてもらうのです。

水風呂さえあれば生きていける

水風呂に目覚めたのは、2017年9月。JALの「どこかにマイル」で北九州が当たり、ドーミイン下関でサウナと水風呂に開眼しました。

それまでサウナはおじさんのイメージが強く、がまん大会みたいなものだと思い込んでいました。フィンランドでは一般のお宅や夏の別荘でサウナに入って湖に飛び込んだりしましたが、旅先での異文化体験でした。

ところが、phaさんの本で「サウナトランス」を知り、そんなにすごいものなら体験してみたいと思ったのがきっかけで、今ではすっかり水風呂中毒です。

   

 

まず体を洗って温浴と水風呂を繰り返し、体が慣れてきたらいざサウナへ。サウナ8~10分、水風呂2分、外気浴8~10分の3セットを目安としています。

サウナでは「熱い」、水風呂では「冷たい」という感覚だけになって余計なことを何も考えなくていい。気にしていたことがどうでもよくなってきます。

最初は冷たいとしか感じられなかった水風呂が2回目、3回目になると、最高に気持ちよくなります。

最初は外気浴のよさがあまりわからず、水風呂からすぐにサウナに戻ったりしましたが、ポイントは外気浴にあります。熱さと冷たさを通り抜けてきた体が、空気に触れて不思議な感覚に包まれます。いわゆる「ととのう」状態。

 

若い頃、TM(Transcendental Medeitation 超越瞑想)を身に付けようとしたことがあります。発祥はインドで欧米を通して広まったマントラ瞑想です。日本の公認機関にも通ってマントラも授かって、毎日朝夕20分瞑想しようとしたのですが、いつのまにかやめてしまいました。

その後、ウラナイ8の玉紀さんに教えてもらった座禅の会に参加したり、バンコクでヴィッパサナー瞑想の講座を受けたこともあります。

じっと座っているだけでは雑念が浮かび、あとどのくらいで終わるのかばかりを気にしていました。ところが、サウナと水風呂を繰り返しているうちに、頭が空っぽになり世界と自分が一体化していることに気付きました。

サウナと水風呂に入って悟るという宗教があってもいいのにと思いましたが、人それぞれ入り方は違うし、教義がなくてもいとも簡単にトランスできるのだから宗教にする必然性もないでしょう。ドラマ『サ道』の最終回では「サウナを信じるな」と繰り返し叫ばれていましたが、人に布教するものではなし、個人の体験としてふわっとした気持ちになって生きるのが楽になればそれでいいのです。

 

将来、高齢者施設に入るとしたらサウナと水風呂がぜひ欲しいけれど、年寄りの冷や水は危険だから、そんな施設はないでしょう。冬の入浴は急激な温度変化で命を落とす高齢者も多いし。サウナと水風呂の間で死ねたら最高ですが、人の迷惑も考えなければ。

 

暇があればネットでサウナ情報をチェックし、次はどこに行こうか考えてばかりいます。有名な温泉地も行きたいけれど、水風呂がないところにはあまり魅力を感じなくなりました。

サウナと水風呂さえあれば生きていける。これほど手軽に多幸感が得られる体験はそうありません。

 

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モール温泉にフィンランドサウナ、札内川伏流水の水風呂がある帯広の北海道ホテルは「森のスパリゾート」というだけあって、外気浴と森林浴が同時に楽しめます。帯広に住んでいる人がうらやましい!