翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

2020-01-01から1年間の記事一覧

ボブ・ディランの夢と終活

老後は旅人のように過ごしたい。 体の自由がきくうちは、自宅でずっと過ごすのではなく、温泉とサウナ、水風呂のある場所で気ままに滞在したい。自宅は東京都内の駅前にあるので、民泊の条件がゆるくなり、短期貸しで収入が得られるようになれば最高です。 …

テキサスのリチャード、シカゴのマイケル

コロナが収まったら長い旅に出たいと思うのは、繰り返しこの本を読んでいるから。 離婚のダメージで心身共にぼろぼろになったエリザベス・ギルバートはイタリアに4か月、インドに4か月、インドネシアに4か月の合わせて1年の旅に出ました。 そんなスケー…

異なる境遇への想像力『メイドの手帖』

年末の大掃除のモチベーションアップに読み始めた本。 深刻な内容に打ちのめされながら読みふけり、掃除どころではありませんでした。 日本では清掃業者に頼むと、そこそこのお値段でプロの仕事という感じですが、アメリカでは定期的に依頼して、主婦はあま…

ウラナイ8と迎える2020年の冬至

易者にとって一年の始まりは冬至。陰が最も強くなるタイミングでぽつんと一陽が生じて、そこから陽が伸びてきます。一陽来復。この日に次の一年間の指針となる卦を立てます。今年は冬至が月曜なので、前日の日曜にオンラインで年筮の会を開きました。 天海玉…

私にとっての聖地、登別

父方の家系は瀬戸内海沿岸にルーツがあり、真言宗です。熱心な信徒ではなく、お葬式や法要の時しか意識しません。それでも、高知を旅して室戸岬を訪れた時は「ここで空海は悟ったのか」と感慨深かったし、いつかは高野山の宿坊に泊まってみたいとあこがれて…

一期一会のととのい

伊豆のやすらぎの里養生館では、11月の寒くなりかけた時期ということもあり、水風呂に入っているのは私だけでした。「冷たくないのですか」と声をかけられ、サウナと水風呂の交互浴を説明することがよくあり、「サウナの人」と呼ばれるようになってしまいま…

家に帰るために旅に出る

コロナが収束して、のびのびと旅に出られるのはいつになるのでしょうか。 旅が好きだけど、観光スポットを駆け足で巡るのではなく、暮らすような旅をしたいとずっと思ってきました。 Wi-Fiのある宿なら旅先で仕事もできますから、1週間ぐらい滞在できるので…

人にはどれほどの服がいるか

自分の生活をすっきりしたいと願っているのですが、その前に親の家の片づけがあります。 母は何とかしなくてはいけないと考えていたようですが、実行に移す前にパーキンソン病を発症し、何もできないまま亡くなってしまいました。 bob0524.hatenablog.com 母…

還暦を過ぎて余生を生きる

冬が到来し、コロナがまた心配になってきましたが、ひっそりと青森に出かけました。緊急事態宣言が解除された時にJALの「また旅に出よう」キャンペーンで申し込んでおいたものです。 どうしても行きたかったのは、還暦を迎える誕生日旅行だったからです。…

2021年は60年に一度の辛丑(かのとうし)の年

毎年11月末が近づくと、来年の六十干支について書くことにしています。2020年は庚子(かのえね)の年、そして来年は辛丑(かのとうし)の年です。 しかし、今年は気が重い。世界中にコロナが広がり、東京オリンピックが中止に…庚子の年がこんなことになろう…

裏切者ロビーの選択 ザ・バンド『かつて僕らは兄弟だった』

数年前、母がお世話になっていた高齢者の施設に面会に行った時のことです。 施設主催の唱歌や民謡イベントには見向きもせず、食い入るように美空ひばりコンサートを映すテレビ画面を観ている老婦人がいました。私の将来の姿のよう。どこに入所するにせよ、ザ…

未来の自分に期待するな

伊豆やすらぎの里の1週間滞在から戻り、旅行バッグから重たい本を取り出しました。 1週間もあるのだから、じっくり腰を据えて本を読めるだろうと期待しました。前回の断食コースでは、空腹のあまり食事シーンの出てくる本は思わず閉じてしまい、強制収容所…

伊豆やすらぎの里養生食コース1週間滞在記

11月初旬、伊豆やすらぎの里に行ってきました。 やすらぎの里といえば断食で有名な施設ですが、今回選んだのは養生食コース。1日2食合計1000カロリー、玄米に味噌汁、漬物、野菜、魚中心のメニューです。 前回の滞在では、断食コースが大半で食事付きの人…

自分の力だけでは成功できない マルコム・グラッドウェル『天才!成功する人々の法則』

マルコム・グラッドウェルに夢中です。こんなにおもしろい本の書き手はめったにありません。 bob0524.hatenablog.com 2冊目に読んだのが『天才!成功する人々の法則』。 天才というと"genius" という英単語を思い浮かべますが、現代は"outliers"。ラインを…

お金の流れを止めるな 石井妙子『おそめー伝説の銀座マダム』

『女帝 小池百合子』が興味深くて、ウラナイ8のメンバーと読み会を開いたりしました。 bob0524.hatenablog.com 小津映画を一通り観ているので、『原節子の真実』もおもしろく読めました。 bob0524.hatenablog.com 石井妙子の他の著書も読んでみたいと手に取…

この世はすべて幻想

ウラナイ8で一緒に活動している杏子さんに誘われて、お台場の「チームラボボーダレス」に行ってきました。 アートにあまり興味がなく、自分から美術鑑賞に行くことはまずないので、ちょうどいい機会でした。 チームラボボーダレス、体験型美術館というのでし…

見知らぬ人に話しかける

『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ(見知らぬ人に話しかける)』というタイトルに惹かれてこの本を読んでみました。コロナでむずかしくなりましたが、旅先で見知らぬ人とちょっとした会話をするのがとても好きなので。 私が想像していた内容とはかなり違…

東洋占術をめぐる冒険

占い師に求められるのは、まず当てること。話を聞いてほしい、共感してほしい、あるいは叱ってほしいという要望もあるでしょうが、一般には迷っていること、悩んでいることを占ってもらい、占い師の言うことに従った結果が吉であれば「当たった」ということ…

老いの階段を一気に降りる

筋トレしながらずっと働き続ける高齢女性の記事を紹介しましたが、すべての人があんなことができるわけではありません。老化現象は右肩下がりのなめらかな線ではなく、階段状にがくっと下がると聞いたことがあります。 これまであまり意識しなかったのは、根…

ずっと働き続ける人生

調理補助のパートで働いている79歳の女性の記事を興味深く読みました。 president.jp 配膳と片付けは体力勝負。20代の栄養士とペアを組んで厨房を走り回るため、週6回、カーブスに通っているそうです。まるで日本のルース・ベイダー・ギンズバーグ。 「あな…

5秒ルールと2分ルール

日本語教師を辞して以来、のんびり過ごす毎日。今年はコロナの自粛期間もあり、家でだらだらすることが多くなりました。あまりに楽過ぎて、このまま一生が終わってしまいそう。そんなだらけた自分に活を入れるために、メル・ロビンズが提唱する「5秒ルール…

マイル錬金術とGoToの教訓

登別温泉に行ったのは、JALの「どこかにマイル」で行先が札幌になったから。1泊旅行なので朝一に出発し、翌日は一番遅い時間帯で申込みました。帰りは空席があれば早い便に振り替えることもできます。 羽田発6時25分の便となり、始発電車で羽田へ。 搭乗口…

登別で天国から地獄を臨む

雪が降る前の北海道を堪能したくて、 JALの「どこかにマイル」を札幌、旭川、釧路、女満別の北海道揃いにしてみました。 当たったのは札幌で、登別温泉に一泊旅行。 宿は第一滝本館。決め手はサウナと水風呂。10月から東京都民もGO TOトラベルが使えるように…

気になるドラマ『アンという名の少女』

ネットフリックスで『アンという名の少女』を観ています。NHKでの放映も始まりました。 アンを演じる女の子が原作のイメージ通り。ただし、エピソードがかなり追加され、往年の『赤毛のアン』ファンは意見が分かれているようです。 新完訳本の詳しい訳注によ…

主(ぬし)になんか、なるもんか

女性用サウナを語る時、必ず出てくるキーワードが「主(ぬし)」。 古参の常連客で、我が物顔でサウナを支配します。サウナマットや持参のタオルで自分の場所を確保し、水風呂や外気浴でサウナを離れていても誰かに取られないようにキープ。サウナの温度を自…

伊豆「やすらぎの里」の飢えの記憶

海外旅行は無理でも、感染対策に気を付けた個人の国内旅行なら許される雰囲気になってきたように感じます。 秋の到来で温泉も気持ちいいだろうし、水風呂とサウナのある温泉の情報を集めるようになりました。 東京から近い熱海や伊豆もいいということで思い…

GTDで人生の棚卸し

「異常も日々続けば日常となる」という言葉がありますが、外出時は必ずマスクという習慣もすっかり身につきました。 緊急事態宣言の頃は、朝からドラマを見ても罪悪感はなく、お上の言う通りに家に閉じこもる模範的な国民になった気がしたものですが、社会は…

ルース・ベイダー・ギンズバーグに学ぶ老後の生き方

先週、アメリカ連邦最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)が亡くなりました。87歳の大往生ですが、これほど死去が惜しまれた高齢女性はいないでしょう。 長官を含めて9人いる連邦最高裁判所判事は、アメリカという大国の行方を左右する存在。…

この世界に自分が生きる隙間を見つける

先週の朝日新聞、哲学者の古田徹也のコラムに「親ガチャ」という言葉が出てきました。 何が出て来るかわからないカプセル型のおもちゃの自動販売機「ガチャガチャ」から始まり、今はスマホのゲームのくじを指すそうです。 さらに言葉は進化し、子供がどんな…

物語を旅し、いつかはメキシコへ

当たり前のように思っていた旅する自由がコロナによって奪われ、改めて旅について考えました。 コンフォート・ゾーンで暮らしていれば楽なのに、人はなぜわざわざ旅に出るのか。 その理由の一つは、物語のためでしょう。豊かな社会になると食べて寝るだけで…