翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

2015-01-01から1年間の記事一覧

失敗を失敗で終わらせない

先日、放送されたNHK総合「おせち家族に福きたる!〜平野レミの早わざレシピ〜」。 生放送でおせち15品を作るという無謀で楽しい番組でした。マーマレードで田作りという斬新なレシピが紹介されました。子供も食べる田作りにしようとして、いちごジャムで…

貴人と出会う

2015年も残りあとわずか。 易の新年は冬至(12月22日頃)、四柱推命と九星気学の新年は立春(2月4日頃)とはいっても、大晦日と元旦は大きな区切りです。人間関係がそう広くない私ですが、今年も新しく知り合った人、疎遠になった人がいます。 好きな人と…

一陽来復!易で占うあなたの2016年 ありがとうございました

ウラナイ・トナカイが今年の8月に南阿佐ヶ谷に移転し、我が家から徒歩5分というご近所に。いつも占い談義で盛り上がる天海玉紀先生から「何か講座、やりましょう」とお声をかけていただき、実現したのが「9月連休講座はじめて講座みだれ打ち」。 d.hatena…

出会いが幸運をもたらす

『ムーミンのふたつの顔』を読むと、ムーミンがフィンランド国内だけでなく世界的な人気キャラクターとなった背景には、3つの重要な出会いがあったことがわかります。まず、ムーミンとイギリス人教師との出会い。 ヘルシンキで英語を教えていたイギリス人、…

老いを受け入れる

前回、紹介した『ムーミンのふたつの顔』では、トーベ・ヤンソンが自由や孤独について語っている箇所があります。ムーミンシリーズで、自由というと真っ先にスナフキンをイメージしますが、ヤンソンによれば、真の自由人はムーミンママだそうです。 なぜなら…

ムーミン谷の掟

今年、フィンランドから我が家に迎えたアンネとヘンリク。二人ともムーミンの大ファン。特にヘンリクはトーベ・ヤンソンと同じスウェーデン系フィンランド人なので、ムーミンへの愛着はひとしお強いようです。ヘンリクのお母さんが「フィンランド人と友達に…

理想の死

前回に続いて「コレラの時代の愛」について。フェルミーナ・ダーサの夫、ウルビーノ博士は医師です。 小説の冒頭は、ウルビーノ博士の友人、ジェレミア・ド・サン・タムールが自殺した現場。「60になったら、どんなことがあっても自らの命を絶つ」と恋人に宣…

フェルミーナ・ダーサの断捨離

ジェーン・オースティンと同じように、夢中で読んでしまうガルシア=マルケスの小説。たとえば、「コレラの時代の愛」。コレラの時代の愛作者: ガブリエル・ガルシア=マルケス,木村榮一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/10/28メディア: 単行本購入: 3人 …

「高慢と偏見」から得られる教訓

先月(11月)、水曜日になるとテレビの前にかじりついていました。 イマジカで「水曜日はジェーン・オースティン」と銘打ってドラマや映画を放映していたからです。最終日の25日は、BBC版の「高慢と偏見」を一挙放送。原作を何度も読み、NHKの放送で一…

十二支の冲vs向かい干支

来年は丙申(ひのえさる)年。 四柱推命や算命学なら十干・十二支、九星気学なら二黒土星が中宮となった九星盤で吉凶を占います。占い雑誌の企画などでは、今年のラッキーアイテムやカラーが求められることが多いのですが、万人に向けて「これが幸運をもたら…

2016年は60年に一度の丙申(ひのえさる)の年

年末が近づくと、「来年はどんな年になるか」という原稿の依頼が舞い込みます。 ここ数年、占い雑誌が相次いで休刊したため、極端に忙しくなることは少なくなりましたが、この時期は占いライターにとっては稼ぎ時です。今年は未年で来年は申年。占いなんか興…

易はスーパー・クール

12月が近づくと、そわそわしてきます。組織に属さずフリーランスで働いている私は、年の瀬だからといって特にあわただしいわけではありません。冬至が近づいてくるからです。六つの陰陽を重ねて占う易者は、陰が極まって陽に転じる冬至の日に、易(年筮)を…

「気がひらける」人になりたい

「七人の侍」の話を続けます。 後半の合戦シーンより、前半の七人が集結するプロセスが好きです。 「野武士の略奪から農民を守る」プロジェクトは、名誉にもお金にもなりません。当然ながら「自分の志はもっと高い」と断る浪人もいます。参加するのは、志村…

「七人の侍」と「荒野の七人」

日本語教師養成講座で習った項目の一つに「数詞」があります。 たとえば、ハ行の「杯、匹、本」の前に1、6、8、10がくると、数字の最後が促音となり、pの音が加わって「いっぱい」「ろっぴき」「はっぽん」となります。9はハ行、カ行(個、階…)、サ行…

日本はよみがえるか? Part2

前回、「小国のフィンランドがよみがえるのなら日本だって」と書きましたが、日本とフィンランドではいろいろと違いがあります。まず英語力。フィンランドでは、たいていの人が英語を話します。 http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20130221/1361407329 「フィン…

日本はよみがえるか?

私が最初にフィンランドに惹かれたのは、アキ・カウリスマキの映画『浮き雲』です。 夫婦揃って失業し、なかなか仕事がみつからないというストーリーで、おしゃれな北欧とは程遠い、地味で野暮ったい映画です。d.hatena.ne.jp映画の舞台は1990年代前半、ソ連…

「いつも見知らぬ方の親切に頼ってきました」

めったに病気もせず、病院にはなるべく行かずに生きてきたのですが、歯科には歯のクリーニングで定期的に通っています。そして、眼科にも通うようになりました。緑内障です。 リタイアしたら、好きなだけ本を読み、映画を観ようとたくらんでいるのに、目が悪…

「東京物語」と「日の名残り」

クリストファーさんとサリーさんのイイダ夫妻と半日過ごした時、「ロスト・イン・トランスレーション」から映画の話になりました。フィンランド人に、よく「東京物語」について話します。「あなたの国のアキ・カウリスマキは、『東京物語』を観て、映画監督…

アイルランドの日本庭園を巡る長い物語 Part2

25年ほど前に訪れたアイルランド、キルデアの日本庭園。 明治時代に日本からはるばるイギリスへ渡った飯田三郎氏が造園監督を務め、今では国立庭園となっています。 飯田三郎氏の孫、ブライアン・イイダさんを紹介してもらい、週刊朝日に記事を書いたことも…

尾道で「東京物語」を思う

愛媛県の大島でルーツ探しの後、しまなみ海道を北上し尾道へ出ました。 尾道といえば小津安二郎の「東京物語」のラストシーン。東京物語 [DVD]出版社/メーカー: コスモコンテンツ発売日: 2011/02/26メディア: DVD購入: 3人 クリック: 11回この商品を含むブロ…

村上水軍の末裔

歴史好きの兄と、祖父の出身地である愛媛県今治市の大島に行ってきました。祖父は婿養子で旧姓は「矢野」。出身地の地名の名前は父が覚えていたので、昨年、兄は四国への出張ついでに足を伸ばしてみたそうです。 小さな集落なので「矢野」という名前を出せば…

無意識の知恵

前回紹介した「つぐみの髯の王さま」は、女性の心の中の男性(アニムス)がテーマでしたが、男性の心の中の女性(アニマ)については、「なぞ」という昔話が取り上げられています。女性の心にはアニムスがいて、男性の心にはアニマがいるわけですが、キャリ…

家事でアニムスを鍛える

英語で学ぶ仏教講座で十牛図が取り上げられたことから、河合隼雄氏の著作を読み直しています。 大学時代にユング心理学を学び、一通り読んでいたのですが、数十年の時を経て再読すると、なかなか味わい深いものがあります。 たとえば、この本。昔話の深層 ユ…

コリン・ファースだって学んでいる

ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』を愛読しています。映像で観るならはハリウッド版より断然BBC版です。 http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20150205/1423092566BBC版でダーシー役を演じたコリン・ファースが出ているので観た『キングスマン』。 お…

次に行くべき場所、次にやるべき事

稚内への旅を思い立ったのは、この夏、我が家に滞在したヘンリク君の影響です。ある夜、『トータル・バラライカショー』のDVDを一緒に観た時のこと。フィンランドのレニングラード・カウボーイズとロシア赤軍合唱団のジョイントコンサートです。 『ボルガ…

諦念と受容を学ぶ旅

日本語教師養成講座は3ヶ月単位のカリキュラムで、合間に1週間の休みがあります。 休みとなれば、どこかに行きたい。 別に行かなくてもいいのに、やみくもに旅のプランを立てたくなります。 25年ほどフリーランスとして働いてきたため、毎日が仕事であり休…

死ぬまで働きたい

いまどき、毎朝、新聞を読むのは高齢者ぐらいでしょうが、もう何十年も続けてきた習慣なので止められません。朝日新聞の1面の「折々のことば」を愛読しています。哲学者の鷲田清一氏がこれまで書き留めてきたことばを紹介するコーナーです。高尚な名言だけ…

いくつになっても『最後の授業』はせつない Part2

気がつけば9月も終わり。 組織に属することなく、フリーランスで仕事をしているため、季節の区切りをあまり意識しません。ところが1月から通っている日本語教師養成講座は3ヶ月単位でカリキュラムが組まれています。私は週2日ペースで1年3ヶ月かける予…

ウラナイ・トナカイ「はじめての方位取り」ご参加ありがとうございました

9月22日、阿佐ヶ谷のウラナイ・トナカイにて「はじめての方位取り」の講師を務めました。 連休の真っ最中にも関わらず、ご参加いただいた方々、ありがとうございました。まずは、八方位のイメージをしっかり自分の中に植え付けることを目指しました。 たと…

逆ブロークン・ウィンドウ現象

前回のガルシア=マルケス作「この世でいちばん美しい水死人」の続きです。長身で堂々とした体躯、凛々しい水死体を「エステーバンという名前に違いない」と名前を付け、立派な葬儀を準備する村の女たち。 粗末なバラック、石のごろごろした中庭には草花ひと…