翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

日本はよみがえるか? Part2

前回、「小国のフィンランドがよみがえるのなら日本だって」と書きましたが、日本とフィンランドではいろいろと違いがあります。

まず英語力。フィンランドでは、たいていの人が英語を話します。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20130221/1361407329
フィンランド語はアルファベットを使うから、日本人より有利だ」という意見もありますが、言語学的にはフィンランド語の文法や語彙は、ヨーロッパの大部分の言語と大きく異なっています。

そして、世界を相手にしようという心構え。
『国家がよみがえるとき』にはこう書かれています。

 フィンランドは人口約547万人の小国である。だから起業をしてある程度の規模のビジネスを立ち上げようと思った場合、海外に目を向けざるを得ない。
<中略>
 フィンランドの起業家の共通語は英語であるという。フィンランドだけを相手に事業をしていても、巨大ビジネスなんてできない。そこでフィンランドの起業家は初めから海外を目指す人ばかりだというのだ。

日本が生き残るためにも、海外との関係がますます重要になってくるでしょう。インバウンド需要を考えるまでもなく、少子高齢化の日本人相手だけの商売では縮小する一方です。

日本旅行を楽しんだロンドンのイイダさんからメールが来ました。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20151029/1446083364
高山でサリーさんが転倒して頭を打ち、救急病院に運ばれるというアクシデントがあったそうです。幸いなことに、深刻なものではなく、予定通り残りの観光スケジュールをこなしてイギリスに帰国しました。
「CT画像のコピーを送ってもらうことは可能だろうか。念のためにこちらの主治医がチェックしたいと言っている。高山の病院で頼めばよかったのだが、気が動転して忘れていた」とのこと。

高山の病院のホームページには電話番号しか載っていません。少々複雑な事情なので、メールで説明したかったのですが、電話するしかありません。
代表番号につながっても、整形外科が話し中でかけ直してほしいと言われました。手間がかかります。外国人が直接、電話でアクセスすることは可能なのでしょうか。

ようやく整形外科の看護師さんにつながり、再び一から説明しました。
本人や家族以外にCT画像のコピーを渡すには、本人の署名入りの委任状が必要だとのこと。
「イギリスから委任状を郵送するとなると時間もかかるし、メールで済ませることはできないか。代金の支払いが外貨だと困るのなら、私が立て替えて、イイダさんと私の間で精算する」と私。
多忙な大病院のスタッフに面倒なことを頼んでいるので、できるだけ丁寧にお願いしました。看護師さんは親切そうな方で、何か方法がないか、検討してくださることに。

しかし、2日後に事務方らしき人から電話があり、やはり不可能だと言われました。
「メールだと本人だと確認できない」というのが理由のようです。
FacebookやLinkedIn(リンクトイン)の本人認証システムを提案しようかと思いましたが、病院は保守的なところだし、データ悪用の可能性も考えたのでしょう。

高山は外国人観光客も多いし、中には急病やサリーさんのようにアクシデントで日本の病院の診察を受ける人もいるでしょう。
日本の医療水準は高いし、メディカルツーリズムは大きな成長分野になる可能性もあります。
今は日本人の患者だけを対象にしていても、これから先は日本の外に目を向けてもいいのではないかと考えさせられた体験でした。


先月訪れた宗谷岬にて。対岸はサハリンです。