翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

日本人はやっぱり勤勉

62歳の誕生日を迎えて、厚生年金がもらえることになりました。会社員だったのは数年間なので微々たる金額。繰り下げるのも面倒で、規定通りに受給することにしました。ヒップホップを踊る年金受給者です。

 

隣の駅の年金事務所に行くのは3年ぶり。母が亡くなって、実家のある区役所で「年金の手続きは全国どこの事務所でもできる」と教えてもらい、自宅の近所で続きをしたのです。事前に予約してスムーズに終わったのですが、アポなしで突撃する暴走老人も目にしました。高齢者相手の煩雑な業務、苦労が多いでしょう。

 

今回もすぐ終わるだろうと思ったのに、やたらと時間がかかりました。担当者によると、「仕事をしていない期間は第3号被保険者の資格があり、国民年金を払わなくてもいいのに、払っている月がある」とのこと。第3号、いわゆるサラリーマンの妻が夫の厚生年金にただ乗りできる制度です。

指摘された期間は30年近く前。フリーランスのライターになると同時に国民年金に加入したけれど、仕事をしてすぐ原稿料が振り込まれるわけではなく1~2か月のタイムラグがありました。その期間のことのようです。

掛け金が戻って来るというので、教えられるまま手続きをしましたが、よくもまあ、調べてくれたものです。受付だけして、さっさと終わらせることもできただろうに。

 

ガルシア=マルケスの『大佐に手紙は来ない』を思い出しました。

1965年のコロンビア。恩給支払いの手紙を15年間も待ち続けているる退役軍人(75歳)の話です。頼りの息子とは死別し、妻は喘息に苦しみ自分も胃腸の痛みを抱えています。受給資格はあるはずなのに、政治の混乱と役所の怠慢により、手紙はまったく来ません。他に収入源もない夫婦はその日に飲むコーヒーさえ事欠くほど窮乏します。

短編小説ですが、ガルシア=マルケスは「自分の最高傑作。これを読んでもらうために『百年の孤独』を書いた」と述べています。すべてが混沌とした南米で、社会の不条理に振り回される庶民の姿を描きたかったのでしょう。

 

それに比べて日本の年金事務所のなんと優秀なこと! 

消えた年金問題はありましたが、ほとんどの職員は来訪者の利益を最大限にするために働いています。

 

たまたま同じ日に目にしたネットの記事。

blog.tinect.jp

レンタカーを借りるのに2時間かかり、間違いを訂正してもらおうとすると20分30分待たされる。苦情を言うと「嫌なら借りなくていい」。

運転手を雇えば、迎えに来たホテルで勝手に朝食を食べ、その請求を回してきたあげくケーキまで食べたいという。

そんな状態でも国が保たれているからくりを興味深く読みました。

 

海外からの留学生を教えていた頃、日本のコンビニやファミレスのサービスに彼らがびっくりしていたのを思い出します。

日本はこのまま傾いていくだけかと悲観的になっていたのですが、世界から見れば日本人の勤勉さは突出しています。仕組みを改革し、まじめに働く人が報われる社会になってほしいものです。

 

ガス給湯器が故障して、本体は在庫が見つかったものの、コードをカバーする部品が欠品。工事はいつになることかと思っていのですが、11月末に無事に完了。結局、1か月待ちで済みました。

約束した日時にちゃんと工事担当者が来てくれるという当たり前のことに感動。しかも「東京ゼロエミッション」で1万円相当のポイントがもらえるそうです。人のため、社会のために尽くす年齢になりつつあるのに、先日の旅行支援といい、国からお小遣いをもらっているようで情けないかぎりです。

bob0524.hatenablog.com

bob0524.hatenablog.com

 

フィンランドの友人からのクリスマスプレゼントが届きました。マリメッコのランチョンマット、手帳、カード、シール、お菓子など。フィンランドと日本の郵便制度がちゃんとしているから、こうしてやりとりできます。

フィンランドも社会がしっかり機能していますが、現場の労働者は日本ほど勤勉ではありません。5時閉店のショップに4時50分頃入ると「もうレジを閉めたから」と追い出されたことがあります。絶対に残業はしないという強い意志。それはそれでいいことだと思います。