翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

マジョルカ・タイルのような人生

今回の台湾行き、澎湖島で友人のお母さんのルーツ探訪にも興味津々でしたが、台北でヘンリク君と会うのも楽しみでした。

日本語を学ぶために初めて我が家にやって来たのは8年前。18歳でした。フィンランドの起業イベントの東京大会、京都工芸繊維大学への交換留学と来日するたびに再会していました。

もしかして日本企業に就職するかと期待していたのですが、選んだのは台湾のハイテクメーカー。このところの為替相場からしてしかたがない選択ですし、台湾人のガールフレンドができたのも大きな理由でしょう。

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今は台北本社で働いているけれど、ゆくゆくはヨーロッパ支社に転勤になるかもしれません。今回の澎湖島旅行の帰りに台北で会うことにしました。たまたま日曜日だったのでヘンリク君もガールフレンドの張さんも休日でした。

 

台湾も今年の秋は異常な暑さ。暑い秋を「オータム・タイガー」と呼ぶとヘンリク君が教えてくれました。十二支の寅は春が始まる立春を司り、陽の気が伸びていくシンボルです。本来なら陰(寒さ)が伸びるはずの秋に出現する季節はずれのトラといったところでしょうか。

夏でも涼しいヘルシンキ育ちのヘンリク君が台北で暮らして大丈夫なのだろうかと思っていましたが、張さんとの仲良さそうな様子を見て安心しました。フィンランドに帰るたびに「ここは退屈だ、何もない」と嘆いていたのですから、刺激に満ちた台北での生活を楽しんでいることでしょう。

 

大学に入ってすぐフィンランド人国民の義務である兵役に就くという話にびっくりしたのですが、ロシアの隣国でありながら危機意識のまったくない日本人にヘンリク君の方はびっくりしたようです。その点では中国の脅威を感じている台湾人と共感できるでしょう。

 

おすすめの蒸し餃子レストランでランチ。ありがたくご馳走になりました。立派な社会人になったものだと、成長を見守ってきた親戚のおばちゃん状態。張さんと仲睦まじく、ほほえましく思いました。

フィンランド人のヘンリク君と台湾人の張さんが出会ったのは、ともに留学していた京都工芸繊維大学。ヘンリク君は情報工学専攻でしたが、張さんはデザイン専攻。台北でもデザインの仕事をしているので、おすすめのスポット華山1914文化創業園を案内してもらいました。元酒造工場の古い建物を利用してさまざまなアートのイベントが開催されています。

日本のアーティストで誰が好きか張さんに聞くと、尾形光琳とのこと。日本映画は伊丹十三のファンだそうです。お兄さんも日本留学の経験があり、一家そろっての親日家です。

 

 

澎湖島で見たマジョルカ・タイル。ヨーロッパのデザインをアジア風にアレンジしたタイルで、マジョルカマヨルカ)島を経由してアジアに入ってきました。生産地は日本ですが主に台湾で愛用されました。

フィンランドと台湾と日本。マジョルカ・タイルはまるで私たちみたい」と張さんに言うと大きくうなずいてくれました。さまざまな文化が交差するからこそ、人生は楽しく、美しくなります。