翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ

旅も人生もバッファが必要

スペイン巡礼の体験記で「何日までにゴールしなくてはいけない」と苦しそうな表現を見かけることがあります。限られた休暇で歩くとなると、そうなるとしかたがないでしょう。 昨年秋の巡礼は、いたって気楽でした。体の調子に合わせてゆっくり歩けたから。最…

想像力をシャットアウト 映画『関心領域』

ポーランド映画『関心領域』がずっと話題になっていましたが、やりすごしていました。スペインから帰国する頃には公開が終わっていて観ないで済むと思っていたのです。ところが、話題の映画だけあってロングラン。これは観ておけということなんでしょう。 ww…

ボーダーレス化する世界

昨年に続いてスペインを歩いてみて、日本の外に出ないと私は息が詰まって内向き志向になっていくと実感しました。単なる外国好きと言ってしまえばそれだけですが、日本の外に目を閉ざして生きていくのはむずかしい時代です。 JALのスマートフォン決済サービ…

ようやく反旗を翻した体

昨年の七週間にわたるスペイン巡礼では、ゆっくりしたペースだったこともあり、身体面での問題は起こりませんでした。 今年はサリアから五日間だけということで、すっかり慢心していました。三日目の終盤でひどく疲れてやっとのことで宿に到着。夫とは歩くス…

二度目のサリアからスペイン巡礼再開

前回のスペイン巡礼はサリアまで歩いて帰国しました。 サリアから100キロ余り歩いてサンティアゴ・デ・コンポステーラまで行けば巡礼証明書がもらえるので、サリアから巡礼を始める人が多いのです。「観光客みたいな巡礼と一緒に歩くのはつまらない」「バル…

狂わずにいるためには、狂わなくてはいけない

スポーツクラブのズンバやヒップホップのレッスンが楽しいのは、単なる趣味だから。インストラクターになりたい、あるいはプロのダンサーになりたいという野望を抱いている人にとっては、目標が実現できなくても、踊っている瞬間を純粋に楽しむことはむずか…

ソウル、東京、台北、あるいはカミーノ

台湾の地震。我が家にホームステイしたフィンランド人のヘンリク君が台北で働いていますし、スペインの巡礼で知り合った台湾人の友人もいます。 そして、韓国人のスンニ。オリソンの山小屋で出会って、3日連続で同じ宿に泊まりすっかり仲良くなりました。 b…

「縦の旅行」ができているか

引き続き玉村豊男の『旅する人』からのエピソード。 日本にやってくる外国人観光客のツアーガイドのアルバイトを始めた時、先輩からこんなアドバイスがあったそうです。 要は、金魚の入った金魚鉢を、水もこぼさず金魚も殺さずにA地点からB地点に運ぶことな…

交差する人生

島根県温泉津(ゆのつ)の湯治から戻りました。 宿泊した「湯るり」はシャワーだけで歩いてすぐの共同温泉を利用します。建物の裏側が源泉という「元湯」は朝から地元の常連さんでにぎわっています。 もう一方の「薬師湯」もお湯の力は強いのですが、「観光…

怒らない老婆になるために

昨年のスペイン巡礼中も折に触れて読んでいたのが小池龍之介の『もう、怒らない』。 巡礼の日々、できるだけ感覚を研ぎ澄ませて歩きたいと思い「今この瞬間」に集中する方法を参考にしました。 歩いているときに、「今、右足が地面を離れた。今、右足が前へ…

冬至の天火同人

世の中はクリスマスムード一色ですが、東洋占術の易では冬至は一年で最も重要な日。易は陰陽の循環によって世界を読み解くので、陰が極まって陽に転じる冬至は一陽来復のターニングポイント。易者は冬至からの一年の成り行きを占う年筮を立てます。 ウラナイ…

お金の払い方で運気がわかる

着払いの送料を1万円札で払おうとした客の話を読みました。 news.yahoo.co.jp 世の中にはお金の払い方に無頓着な人がけっこういるようです。銀行の両替手数料が相次いで値上げされているのですから、少額の支払いでお札を崩そうとするのはなるべく控えたほ…

生活のハードルを下げる

日本人男性の自殺率は失業率と相関しているけれど、ヨーロッパではまったく連動していないという記事を読みました。 スペイン巡礼中にバルに立ち寄ると、昼間からゆっくりコーヒーやワイン、ビールを楽しんでいる中高年の男性たちをよく見かけました。失業中…

台北のカミーノ・フレンド

台北で楽しみにしていたのが、スペイン巡礼で会った台湾人の葉さんとの再会です。 小さな街の同じアルベルゲ(巡礼宿)で顔を合わせました。モンベルのジャケットにハローキティの水筒を持った葉さんをてっきり日本人だと思って「こんにちは」と声をかけのが…

いきなり松山

スペインの日々が総天然色カラーだったとしたら、帰国後の日本はモノクロのよう。巡礼では毎日歩いて新しい場所にに移動していたのに、今は自宅を中心に半径100メートルで生活が完結しています。 もしかして、カミーノ依存症に感染したのかも。何度も繰り返…

自分の名前に感謝する

日本に帰ったらあれもやりたい、これもやりたいと夢見ていたはずなのに、実際に帰ってみると、心ここにあらずの日々。スペインに過剰適応して、日本での生活が気の抜けた日々の連続のように感じられるのです。 朝起きたら、何も考えずにパッキングを済ませて…

最後の女神、ラクシュミー

スペインから帰国後、なかなか日本にいる実感がわかず、ぼんやり過ごしています。 易の本が出版されたというのに、他人事のよう。ウラナイ8の夏瀬杏子さんを初め、告知してくださったみなさま、ありがとうございます。 uranai8.jp スペイン巡礼の日々は、朝…

カミーノのテーマはアクセプト(受容)

長かったスペイン巡礼も終わり帰途につき、ヒースロー空港のラウンジにいます。ここまで来たら後はJALの羽田行きに乗るだけです。 今回の巡礼で得たものは何だったのか、まとめることはまだできませんが、カミーノで出会った人々から思いがけなく深い言葉を…

巡礼という長い夢の終わり

本来ならスペイン巡礼のフランス人の道は、ピレネーの麓のサンジャンピエドポーから聖ヤコブを祀るサンティアゴデコンポステーラまでに全長800キロ。ゴールまで100キロ余となったのサリアで巡礼を終えます。 というのも、サリアからはぐっと歩く人が増えて巡…

カミーノにお医者さんはいらっしゃいますか?

パトリシアの宿で「今日一日だけ」の心構えを知ったというのに、巡礼路を歩くのもあと1週間となってすっかり気が緩んでいたポンフェラーダの街。つい日本に帰ったら温泉でゆっくりしたいという気持ちが湧き起こり、心ここにあらずの状態で歩いていました。 …

にぎやかしとしての日本人

スペイン巡礼前に取り組んでいた易の本、帰国したぐらいに出版となるタイミングでしょうか。 実占例はウラナイ8の夏瀬杏子さんにお願いしたのですが、その中に「なかなか結婚しない子供を心配する親からの相談」がありました。易では、本人からの依頼ではな…

今日一日だけ、歩いてみよう

ローマ時代から都市として栄えたアストルガは、ガウディが手がけた宮殿もあり、スペイン巡礼のハイライトとなる街の一つです。アルベルゲもたくさんあり、選んだのがSo Por Hoje。ポルトガル語で「今日一日だけ」という意味です。 オスピタレイラのパトリシ…

30メートルで聖から俗へ

大都市レオンの前に立ち寄ったレリエゴスという小さな街。ベジタリアン料理を出すアルベルゲがあったので泊まってみました。 ソル(スペイン語で太陽)という名のハキハキした若いお母さんが取り仕切っています。マドリード出身ということで、夫婦と子供たち…

カミーノ・マジックが生まれる土壌

カミーノ・マジックという言葉を初めて聞いたのは、パンプローナの宿の朝。たまたま出会ったドイツ人のマイケルからです。その宿はビルの3フロアから成り、客室から朝食会場の共有スペースに入るには鍵が必要でした。私は朝食後そのままチェックアウト後する…

日本版アルベルゲの夢想

オランダ、イタリア、ブラジル、ドイツなど、スペインにいながらにして国際色豊かなアルベルゲを泊まり歩いています。もちろん、スペイン人オーナーでパエリアが出るアルベルゲにも泊まりました。 先日は韓国アルベルゲ、オリオンへ。 カミーノを歩くアジア…

カミーノ・ファミリーの罠

占いの学校で「相談される悩みの大半は人間関係。貧困の悩みなら占い師に高額な鑑定料を払うべきではないし、病気の悩みは病院に行ったほうがいいから」と教わったこともあります。夫婦や子育ても広義の人間関係であり、大きな喜びがもたらされる反面、悩み…

ドイツ婦人の完璧アルベルゲ

子供の頃に読んだ『二十一の気球』。21の国から1家族ずつが集まり、1日ごとに食事当番を担当し、世界中の料理を楽しむという話です。小さ目の私営アルベルゲを訪ねていると、スペインにいながらにして世界旅行をしているような楽しさがあります。 bob0524.…

ドネーション(寄付)の達人を目指したい

巡礼宿には公営と私営、そしてドネーション(寄付)があります。 もっぱら私営の宿に泊まっているのですが、予約がうまくいかないことがあって一度だけ公営に泊まって見ました。公営の宿は格安ですが予約ができず先着順。早めに並んだから泊まれたものの、疲…

パウロ・コエーリョゆかりのアルベルゲ

巡礼だというのに、教会より個性的なアルベルゲ巡りに精を出しています。 検索の甲斐あってたどり着けたのが、『星の巡礼』著者のパウロ・コエーリョゆかりのアルベルゲ。ビロリア・デ・リオハという小さな村にあります。 アカシオとオリエッタのカップルが…

スペインなのに、オランダとイタリア

ピレネーの麓、ロンセンバーリェスのアルベルゲ(巡礼宿)でボランティアとして働いているのは、ほとんどオランダ人でした。オスピタレイラとして巡礼者の世話をしている女性によると、オランダの教会組織がアルベルゲを所有しているそうです。 「なぜボラン…