台湾の地震。我が家にホームステイしたフィンランド人のヘンリク君が台北で働いていますし、スペインの巡礼で知り合った台湾人の友人もいます。
そして、韓国人のスンニ。オリソンの山小屋で出会って、3日連続で同じ宿に泊まりすっかり仲良くなりました。
先週、スンニから「台湾にいる」と連絡がありました。結婚式の準備のためだそうです。
スンニはカミーノを歩くのが二回目だったのでゆっくりしたペースで進み、アストロガの巡礼宿でボランティアをしつつしばらく滞在していました。そのときに知り合った台湾人の男性と結婚の運びとなりました。
スンニは仕事を休みカミーノを歩いていました。お母さんはフランスに留学し、お姉さんは日本留学の経験があると聞き、裕福な家のお嬢さんなんだろうなと思いました。60代の私は仕事をほぼリタイアして気ままな巡礼でしたが、30代で独身のスンニはこれからの人生行路を探しながらの巡礼だったのでしょう。儒教精神が日本より強い韓国では、女性が独身のままではかなり生きづらいのかもしれません。
国際結婚ですから、むずかしいことも多いでしょうが、カミーノを歩き同じ場所でボランティアをしていたとなれば価値観が重なる部分が大きいのでは。
スンニと一緒に歩いたロンセンバージェスからブルゲーテへの道。
スペインの巡礼に行けば人生が変わるかと期待したのですが、帰国後もあいかわらず怠惰で意志薄弱な日々を送っています。それでも「この世は生きる価値がある」という肯定感は、巡礼の大きな成果。国や年齢が異なる人たちと出会って温かい交流ができた日々を思い出すたびに満ち足りた気持ちになります。
スンニとはソウルか東京で再会しようと約束しましたが、台北になるかも。新婚旅行で5月にカミーノを再び歩くそうですが、私は6月に行くので残念ながら合流できません。何度も巡礼路を歩くカミーノフリークが何人もいましたから、再びスペインで会うかもしれません。
「いつか会おう」と約束しても、世の中は何が起こるかわかりません。台湾の地震を知り、会いたい人には機会を作って会っておくべきだと改めて感じました。