翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)やビジネス記事翻訳を担当し、リタイア生活へ。2023年8月下旬からスペイン巡礼に出かける予定。ウラナイ8で活動しています。

終活

社会とつながるための仕事

スペイン巡礼を思い立ったのは、長年続けてきた週刊誌の連載の打ち切りを告げられたタイミングでした。巡礼路を歩きながら編集者と打ち合わせて原稿を書き校了までするのはいくらネットがあるといっても無理があります。 行きたくても無理だとあきらめていた…

「昔はよかった」と嘆いても、しかたがない

来月の下旬に出発するスペイン巡礼、最初の1週間の宿を予約しました。 到着地のパリは都会だからしかたがありませんが、巡礼路の始まりであるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーでは、天気のようすを見てピレネーを越えようと考えていました。しかし、カミーノ友…

マウンティング婆さんにならないために

スペインに行くのはまだまだ先のことだと思っていましたが、もう来月に迫っています。 カミーノ友の会の相談会でのアドバイスにしたがい、最初の数日間の宿を予約しました。 パリから巡礼の起点であるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーへはフランス鉄道で向かう…

残された日は限られている

30年以上続けてきたビジネス翻訳から引退することになりました。 8月下旬からスペインを7週間歩くので、月刊誌の連載はとても無理。早めに編集者に申し出たところ「まとめてデータを送るから出発前に2か月分を」と提案されました。ありがたいことですが、…

思いどおりにならないことを楽しみたい

先月亡くなった上岡龍太郎さん。関東の人にはなじみが薄いかもしれませんが、関西人にとってはこれでまた一つの時代が終わったように感じます。 隠居について語ったインタビューが、これからの老後を迎えるにあたりとても参考になりました。 dot.asahi.com …

高齢者のサバイバル

自宅からもっとも近い都市銀行をメインバンクにしているのですが、ここ数年、改悪ばかりです。 ATMの数を減らして、窓口から分離して行き来できないようになりました。窓口は予約が推奨されています。銀行に利益をもたらさない少額預金者は相手にしていない…

目的を持たず、歩くことだけを楽しみたい

東洋占術では六十干支が一巡りする60日、60カ月、60年が節目。なかでも、生まれたときの六十干支に戻る還暦は、もう一度生まれ変わって赤ちゃんに戻るという意味で、赤いちゃんちゃんこを着るのです。 60歳を超えたら、残りの人生はおまけのようなもの。仕事…

令和版『楢山節考』

JALの機内誌SKYWARD、浅田次郎の連載で二回にわたって棄老伝説が取り上げられています。 「姥捨て」と呼ばれる慣習は全国のどこにでもあり、深澤七郎は『楢山節考』でその年齢を数え70歳にしていますが、それは小説に今日性を持たせるための設定。本当は60歳…

晩節だけきれいにする

月曜の夜は、毎週ヒップホップのレッスンに出ています。レッスンが始まる前のスタジオで、先生が好きな音楽をかけてクラスで教えてくれるより段違いに複雑なステップで踊っているのを見て、「へたくそな初心者に教えるより自由に踊りたいのだろうな」と気の…

先を急がず生きる

仕事からは引退するはずだったのに、なんだかんだと編集者から連絡があり、あわただしい日々が続きましたが、ようやく一段落しました。会社勤めとちがって、フリーランスには、はっきりとした引退はないのでしょう。 学校を卒業して働き始めてから、ずっと「…

洞窟に眠る泡盛と人生の残り時間

宮古島で海宝館の次に向かったのが多良川酒造。泡盛の蔵元です。 単なる酒好きですが、背景を知ればもっとおいしく感じるので、酒蔵の見学が大好きです。 これまで訪れた酒蔵では、製造工程を見学することが多かったのですが、多良川酒造ではDVDで説明。見学…

人にはどれほどの荷物がいるか

3月のお彼岸、熊野古道への旅を思い立ちました。 羽田から南紀白浜空港に飛び、JRで紀州田辺へ。ビジネスホテルに泊まってもいいのですが、出発点の滝尻王子まではバスに乗ります。ちなみに熊野古道での王子は、参詣者の守護を祈願するための神社の名称で、…

お一人さま必読の書『兄の終い』

人間は一人で生きていくことはできないし、一人で死ぬこともできない。そんなことを痛感させられたのが村井理子『兄の終い』。 両親はすでに亡く唯一の肉親は兄。 もう何年も会っておらず絶縁状態だったところに、警察から電話がかかります。兄が自宅で死ん…

音楽で「いつまでも若く」

お母様を介護されているチャーコさんのブログ。親の介護時代を思い出しながら読んでいます。 harienikki.hatenablog.com ついにお母様が特別養護老人ホームに入所されることになり、お母様が大好きだった綺麗な紙をファイルにして持たせてあげたそうです。眺…

「嫌老」の世で老いていく不安

5月にはコロナがありふれた病気になるようです。このままコロナを特別扱いしていたのでは、日本の経済がもたないし、国際社会に歩調を合わせるためにしかたがないのでしょう。 コロナによる死亡者の9割は70歳以上の高齢者だというし、若い世代に犠牲を強い…

死者と歩く

寒い日が続きますが、春に向けての計画を立てています。 3月に熊野古道を歩くことにしました。スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼に匹敵するのは四国遍路だと思っていたのですが、熊野古道が姉妹道となっていました。共通の巡礼手帳も発行…

引き算の料理

旅に出ると、書き残しておきたいことが次々と出てきます。旅先も楽しいけれど、こうして文章にまとめるのも、心が満たされるひとときです。 というわけで、沖縄の話ばかり続きます。 沖縄料理というと、豚肉やステーキのイメージが強いのですが、健康食の一…

都留のうどん屋さんで日本の縮図を見る

「サウナを愛でたい」、最も熱心に観ているテレビ番組です。 www.bs-asahi.co.jp 山梨を紹介するシリーズで都留(つる)のサウナに心惹かれて行ってみることにしました。中央線沿線の住民にとって、新宿から特急が出ている山梨はとても行きやすいのです。 目…

老いの後始末

お正月早々、ぎょっとしたことがありました。 就寝中、玄関からガチャガチャという音がして目が覚めました。リノベをしてリビングと寝室をつなげたので、玄関と寝室はドア一枚隔てているだけです。 最初は「上か下の階の人が酔っ払って帰り、間違えて玄関を…

氷上の8、砂上の曼荼羅

冬至の日に受けた玉紀さんのインナーチャイルドカードセッション、2023年に到達すべき場所はクリスタルの8でした。 uranai8.jp 氷の上でひたすら8を描く練習。どんなに完璧に描いても、翌日はまたまっさらな氷となり、ゼロからのやり直しです。 これで連想し…

きれいなティーカップは使えるうちに使っておけ

住んでいるマンションの管理人さんは、定年退職後っぽい男性が多かったのですが、若い女性に替わりました。彼女の提案なのか、ゴミ置き場に自動センサー照明が取り入れられ、掃除道具はそれぞれラベルがついた場所に整然と並べられるようになりました。 住民…

『末期ガンでも元気です』著者ひるなまさんを悼む

大腸の末期ガンの闘病記をネットで見かけ、ウサギの絵柄に惹かれて最初のあたりを読んでいました。著者の漫画家、ひるなまさんが亡くなったというニュースを読み、単行本化されていることを知り、最後まで読んでみました。 定期的な健康診断ぐらいしか病院に…

日本人はやっぱり勤勉

62歳の誕生日を迎えて、厚生年金がもらえることになりました。会社員だったのは数年間なので微々たる金額。繰り下げるのも面倒で、規定通りに受給することにしました。ヒップホップを踊る年金受給者です。 隣の駅の年金事務所に行くのは3年ぶり。母が亡くな…

戦略的に縮む

ガス給湯器の故障に気がついたのが11月1日。翌日には点検の人が来てくれて、応急処置をしてくれましたが、新しい給湯器の年内納品はあやしいと言われました。 bob0524.hatenablog.com エコキュートなら在庫があると聞いたのですが、ガス管のカバー部分が欠…

未来は暗くても、歩き続ける

23年使ってきたガス給湯器が壊れ、なんとか在庫があって取り替えてもらえることになりました。新しい給湯器も同じぐらい使えたら、次の交換時、私は80代になっています。ここで暮らし続けているのか、そもそも、この世にまだいるのか…。 bob0524.hatenablog.…

自分に呪いをかけてはいけない

スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼にあこがれて、山に登る練習を始めました。 八丈島では勢いで八丈富士に登頂。「八丈富士に登れないようではピレネーは越えられない」と自分を追い込んでいました。 bob0524.hatenablog.com なぜ、あそこ…

捨てるための旅

旅の計画を立てていると、あっという間に時間が過ぎます。それだけ楽しいからでしょう。 前回のスペインの旅で、風車の街カンポ・デ・クリプターナ駅で出会った日本人のご夫妻は、ホテルや列車の予約はすべて旅行会社にお任せしたそうです。次のマドリッド行…

コントロールしない生き方

11月下旬、JALの「どこかにマイル」で福岡に行くことになりました。 誕生日旅行なので、奮発して黒川温泉あるいは嬉野温泉のちょっといいお宿を奮発しよう思ったのですが、平日も軒並み満室。全国旅行支援が始まって高級ホテルは一気に埋まったようです。「…

斜陽の国、黄昏の人生

いよいよ旅行割が開始。うかれたいところですが、宿泊料金は高騰しそう。 40年ほど前、大学のゼミ旅行で東南アジアに行き、物価をとても安く感じました。 なにしろ当時は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代。学生には分不相応な高級ホテルに滞在したの…

カミーノ計画、始動

コロナ前の最後の海外となったのが2019年秋のスペイン。南西部の港町、カディスまで南下しました。この時は夫と二人旅。 bob0524.hatenablog.com 2020年は4月に台湾、6月にウラジオストックに行く予定で航空券も買っていたのですがコロナでキャンセル。気…