お母様を介護されているチャーコさんのブログ。親の介護時代を思い出しながら読んでいます。
ついにお母様が特別養護老人ホームに入所されることになり、お母様が大好きだった綺麗な紙をファイルにして持たせてあげたそうです。眺めるだけで、きっと心が和むだろうから、と。
私はこういう心遣いに欠けていました。東京と神戸の遠距離介護だったので、仕事のやりくりをして月一回帰省して各所の打ち合わせと事務管理をするだけで介護をした気分になっていました。すでに両親は亡く、今更どうしようもありませんが、もう少しゆとりのある生活だったら、せめて仕事をもう少しセーブしていたらと考えてしまいます。
そして、子供のいない私は高齢者施設の入所準備も自分でしなくてはいけません。生活必需品以外に何を持っていきたいかを考えました。
本はもう読めなくなっているかも。持っていくにしても、電子書籍だから端末さえあればOK。
音楽は本より長く楽しめるだろうから、山のようなCDをデータ化しなくては。ボブ・ディランとザ・バンドの膨大なコレクションがあるのです。
「ほとんどの人は若い頃に好きだった音楽だけを一生聴き続ける」と言われますが、10代の頃から聴き込んだ70年代のロックが今でも好きです。何年か後には、高齢者施設にボランティアが来て、音楽会などを開いてくれても、自室に閉じこもって半世紀前の音楽を一人で聴いている偏屈な老婆となっているでしょう。
それでもズンバでエド・シーランやテイラー・スウィフトなど新しい音楽に触れるようになりました。いい音楽だと思って調べたら、韓国のグループだとわかったのがBTS。
そして、ヒップホップではインストラクターから、曲の意味を知って情感を込めて踊るように指導されます。韓国のstray kids、日本のYOASOBI、Mrs.GREEN APPLEなど、今どきの流行りの曲のよさもわかってきました。
ダンスのクラスで、体だけでなく精神の若さも保とうとしていますが、晩年に聴きたいのはやはり昔の音楽。
高齢期のテーマ曲としたいのが、ボブ・ディランの「いつまでも若く」。ディランが息子のジェイコブに向けて書いた曲です。
May your heart always be joyful
May your song always be sung
May you stay forever young
君の心がいつも喜びにあふれ
君の歌がいつも歌われ
君がいつまでも若くいられますように
息子のジェイコブもミュージシャンとして成功し、ディランは孫にも恵まれました。
孫の幼稚園にも行き、園児たちに歌を聴かせたのですが、子どもたちは「ギターを持った変なおじさんが来る」と親たちに語っていたそうです。超大物スターも幼稚園ではまったく受けなかったのでしょうか。
高齢者になった自分を想像すると、暗い気持ちになりがちですが、音楽さえあればなんとか死ぬまでの時間を耐えられるのではないかと期待しています。