翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

「嫌老」の世で老いていく不安

5月にはコロナがありふれた病気になるようです。このままコロナを特別扱いしていたのでは、日本の経済がもたないし、国際社会に歩調を合わせるためにしかたがないのでしょう。

コロナによる死亡者の9割は70歳以上の高齢者だというし、若い世代に犠牲を強いるのも限界だと考えている人も多いはず。

 

1960年生まれ、現在62歳の私は微妙な立ち位置です。高齢者と呼ばれるにはまだ少し早く、かといって若い頃と同じように働くのはもう勘弁してほしい。

若手経済学者が「高齢者に集団自決を」という発言が物議をかもしています。本当に死ねと言っているわけでなく、社会の前線から引退して若い人にポストを譲ってほしいというたとえ話だと擁護する声も。

これまた私の立場は微妙。高齢者が政治を牛耳り、子育てや教育に予算が回らず高齢者の社会保障に莫大なお金を回している現状には納得できません。しかし、近い将来に社会からヘイト(嫌悪)の対象となると想像すると、暗い気持ちになります。

 

今は、なんとか世の中の流れに付いて行っていると思い込んでいますが、これから先、おぼつかないことがたくさん出てくるでしょう。

 

昨年、福岡のサウナラボへ行ったときのこと。

サウナの前に体を洗おうとしてシャワールームに行こうとしたのですが、見つかりません。初めての場所で迷ってしまい、受付の場所に戻ってしまいました。スタッフの方が「どうしました?」と親切に声をかけてくれたのですが、内心「これだから高齢者は手間がかかる」とうんざりしていたかもしれません。

 

これがシャワールームの表示。方向音痴の私は案内図に従って見つけることができず、近眼で眼鏡をかけていなかったため、シャワーのマークが見えなかったのです。

 

コロナが収まったら、あちこち旅行したいと思っているのですが、こんな状態で初めての土地でちゃんと行動できるのでしょうか。しかも海外だったら? 気がつけばもう3年半近く海外に出ていません。コロナに関する手続きは、5月から撤廃されるとしても、入出国、両替、鉄道予約、初めての街での投宿など一人でスムーズにできるか自信がありません。

 

日本の高齢者を巡るあれこれを目にして、すっかり気持ちが塞いでしまいました。スポーツクラブのズンバやヒップホップのクラスに出て気を紛らわしていますが、自分では音に合わせているつもりでも「テンポが遅れる高齢者は見てイライラする」と若者に思われているのではないかと不安です。

 

シャワールームにたどりつくのに迷いましたが、福岡のサウナラボは本当にいい施設です。この入口も目立たない場所にあり、もともとたくさんの人にアピールするより、真のサウナ好きだけに来てもらいたいのでしょう。クレームをつける方が野暮です。