翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

不要不急の北海道旅

毎年、お正月休暇が終わったタイミングで旅に出ます。旅行代金がぐっと下がるから。

しかもJALの「どこかにマイル」を利用するので交通費も空港往復のみです。

九州か沖縄に行きたかったけれど、雪の露天風呂も悪くないかと思い「帯広・札幌・鹿児島・那覇」の組み合わせを選んだところ、札幌に決定。

 

羽田・札幌便といえば、1月2日のJAL機炎上事故が記憶に新しいところ。「どこかにマイル」は1か月前から申し込めるので、まさかあんなことが起こるなんて想像もしていませんでした。

 

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出発日の羽田は快晴。

 

1月2日の事故でJALの乗客乗員が全員無事に脱出できたのは、客層がよかったからと言われます。最安値のチケットや特典マイルで飛ぼうとする客は繁忙期の便には乗れません。割引なしのチケットを買う経済力があり、律儀にお正月に北海道の実家に帰省し、早めに東京に戻るといった人たちでしょうか。

 

脱出時に乗務員の指示に従って荷物を取り出さず、我先に非常口に殺到することもなかったのですから。なかには避難路を若者に譲る高齢夫婦もいたそうです。

私だったらどうするだろうと考えてしまいました。もう十分やりたいことはやってきたし、社会に貢献するどころかお荷物になっていく年齢ですから、若い人を先に避難させるべきでしょう。頭の中ではそう考えていても、実際にそういう状況になったら、命が惜しくなるのでしょうか。

 

札幌では天然温泉のあるビジネスホテルに泊まり、ひたすら露天風呂に入っていました。冷たい外気にぬるめのお湯だと、時間が溶けていくかのように永遠に入っていられます。

能登の被災地では入浴ができない人がいるというのに、なんと贅沢なことか。

そして、「生まれ育った地を去りたくない」という避難所にとどまる高齢者もいるそうです。急激な人口減少が続く中、国がどこまでインフラを復旧させるのか議論のきっかけになるかもしれません。

 

今年はなるべく自宅で過ごす日数を少なくして、あちこちに滞在しようと思っています。理由の一つは老後の予行演習。いくら住み慣れた自宅にいたくても、自立した生活ができなくなれば、どこかに施設にお世話になるしかないでしょう。そのとき、未練なくさっさと移れるように、自宅以外の場所で寝泊まりする機会を増やしているのです。

我ながらのんきな身分だと思いますが、被災地で役立つような特殊技能もないし、世間の邪魔にならないように不要不急の旅を続けていきます。