翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

再び動き出した世界

いつまでも迷っていないで、スペインの巡礼に行こうと決めたら、フィンランドから一通のメールが届きました。

毎年、クリスマスプレゼントを交換しているヘルシンキのアヌ。

まだはっきりきめたわけじゃないけれど、7月に日本旅行の予定だそうです。主語がweではなく単数形のIだったので、夫も子どもも伴わない一人旅でしょう。

初めて会ったのは2013年の秋。ヘルシンキの自宅にカウチサーフィンでホストしてもらいました。

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ヘルシンキか東京ですぐ再会できるだろうと思っていたのに、10年たってしまいました。40代だったアヌは50代となり、2人の子供は独立。コロナも落ち着いて念願の日本旅行を計画したのでしょう。ロシアの隣国として戦争のニュースは毎日流れているけれど、ヘルシンキの市民生活は平穏だそうです。

アヌはすべてがきちんとしていて、だらしない私とは正反対ですが、なぜかお互いの国のファンとなり、カウチサーフィンを通じて人間関係を作るという発想もぴたりと合致しました。

彼女のおかげでフィンランドの小学校の授業やオフィスでの仕事風景を見学できました。ホームパーティからサウナという流れも。初対面の人とさうなで一緒に和気あいあいとくつろげるのはフィンランド人と日本人ならではです。

10年前は日本は経済大国のイメージが強く「日本に比べたら、フィンランドは小さな国で、税金も高い。でも、私たちは基本的に政府を信用しているから、特に不満もなく暮らしている」というのが大方のフィンランド人の考え方でした。教育費、医療と介護一切の面倒を国がみてくれるのならあくせく貯金する必要もありません。ただし、高校や大学進学を希望しても成績がレベルに達していることが条件です。ちょっとした体調不良で病院に行く習慣もありませんし、自力で食事ができない高齢者に無理やり栄養を摂取させることは一種の虐待とみなされます。

 

観光の語源は易経の風地観「国の光を見る」。本来、観光は名所旧跡を巡るのではなく、人々の暮らしぶりから、その地の統治者の徳の高さや威光を見ることでした。

果たして、アヌに日本の光を見せることができるでしょうか。彼女がヘルシンキ大学で日本語を学んでいた時代に比べると、日本の威光はすっかり霞んでいます。

アヌの趣味は折り紙。本格的に学びたいと希望しているのですが、外国人旅行者向けには初級の折り紙クラスしか見つからないというので、個人レッスンでいい先生がいないだろうかと考えているところです。

 


アヌの来日が7月で、私がスペイン巡礼に出発するのが8月下旬。アヌと私は似ていないところも多いけれど、コロナで閉ざされていた世界が再び動き出したことを察して計画を立てるタイミングは似通っています。