日本語教師を辞して以来、のんびり過ごす毎日。今年はコロナの自粛期間もあり、家でだらだらすることが多くなりました。あまりに楽過ぎて、このまま一生が終わってしまいそう。そんなだらけた自分に活を入れるために、メル・ロビンズが提唱する「5秒ルール」を意識しています。
この動画だけ見ると、メル・ロビンズはいかにも成功者風に見えますが、この本を読んで親近感を持ちました。
仕事が行き詰まり、夫の事業もうまくいかなって、アルコールに逃げる日々。朝起きられなくなり、学校に行く子供を見送ることもなくなりました。自分は何てだめな人間なんだろうと自己嫌悪からまた酒に手が伸びて、悪循環に。このままではいけないとわかっているけれど、変わるきっかけがつかめない。
そんなある日、テレビCMでロケット発射前の5秒間のカウントダウンのシーンを目にします。
「5、4、3、2、1、GO!」
これだとひらめき、朝6時に目覚まし時計が鳴ったら、スヌーズボタンを押さずに5秒数えて起き上がったのです。そこから人生が好転していきました。
何かを始めるのに、やる気が出るのを待ってはいけない。やる気になんて絶対にならないから。人間の脳は現状維持を好むので、最初の一歩を踏み出すのがむずかしいのです。5秒をカウントしているうちに言い訳するのを忘れて心が新しい方向に向きます。
私はスポーツクラブをさぼらないために、似たようなことをしているので5秒ルールが効果的なのはすぐにわからりました。
ウエア類はあらかじめ用意しておき、出発する時間にボブ・ディランの『ライク・ア・ローリング・ストーン』が鳴るようにタイマーをセット。アル・クーパーのオルガンのイントロが鳴り響くと、「今日は疲れているし」「雨が降っているし」という言い訳が頭に浮かぶ前にバッグをつかんで外に出るようにしています。
そして5秒の次の単位が2分。
終盤に近付く人生の総まとめをするために始めたデビッド・アレンのGTD(Getting Things Done)の手法の一つです。
頭に中にある気になることすべてを把握し、次にとるべき行動をリスト化していきます。もしその行動が2分以内にできることなら、その場でやってしまいます。優先順位が高くなくても、いつか行動するつもりなら、その場で片付けてしまったほうが効率的だとデビッド・アレンは説いています。2分でできることをわざわざリスト化する必要はありません。
仕事なら締め切りになんとか間に合わせてきましたが、家の整理や終活はいつかやらなければと考えつつ年月だけが過ぎてきました。
5秒ルールと2分ルールを実行する気力もないぐだぐだな日もありますが、なんとか一生が終わるまでに帳尻を合わせたいものです。