翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

「水のような心」と「サルの頭」

意志力が弱い。

深酒はやめようと何度も決意したのに、二日酔いで目覚める朝。

そして、ずるずる先延ばししている案件のリストを見るたびに、意志力の欠如にうんざりします。

 

意志力関係の本の大元。

 

WILLPOWER 意志力の科学

WILLPOWER 意志力の科学

 

現在、アマゾンでは品切れ状態で、マーケットプレイスではかなりの高値。こういう本こそ電子書籍にしてほしいものです。

 

意志力のもとになるエネルギーはグルコースブドウ糖)。甘い物や高たんぱくの食品に含まれています。

 

なるほど。伊豆の断食施設に行くと「断食中は生産的なことをやろうと欲張らず、ただゴロゴロしていればいいんです」と言われますが、空腹では意志力が発揮できないからでしょう。友永ヨーガの通い断食はスパルタで断食中も家の片づけをしたり、家族の食事を作るのをカルマ・ヨーガと位置付けていました。それはちょっと無理。断食を続けることで意志力を使い果たしました。

 

脳が疲れると甘いお菓子が食べたくなりますが、砂糖は血中のグルコース濃度を急上昇させたあと急降下させます。GI値が低い野菜、ナッツ、果物、チーズ、魚、肉、全粒粉のパンが推奨されています。

 

精神修養ではない意志力の鍛え方。

生産性向上コンサルタントのデビッド・アレンの方法が紹介されています。

このアレンの経歴がおもしろい。

禅とスーフィー、空手を学び、カリフォルニア大バークレー校の大学院を中退後はセールスマン、奇術師、造園技師、シェフ、ガラス吹き工など職を転々とし、35歳の誕生日には35番目の仕事に就いていたそうです。

 

そんな彼が説く生産性向上は、空手修行から得た「水のような心」。

「静かな池に小石を投げ込んだら、石の重さと力にぴったり合った反応をして、まだ穏やかな水面に戻る。過剰な反応もしないし、過小な反応もしない」

こんな精神状態で仕事をこなしていけたら、どんなにいいことか。

 

そしてもう一つのたとえは、仏教イメージで「サルの頭」。

やるべきことが多すぎて、集中できないのは、木から木へと飛び回るサルのように常に思考があちこちに飛んでいるから。

 

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私の混乱した頭の中は、サルというより、ウサギがあちこちにいるイメージ。 

 

アレンはまずクライアント乱雑なデスクを片付けるのを助けます。書類は1か月31日分と各月用12の合計43の忘備録ファイルへ。これは旅行代理店に勤めていた時に使っていたツールです。忘備録ファイルに入れておけば、処理をしなければならない日には自然に目に入るので、なくしたり忘れたりする不安がなくなります。

 

やりかけの仕事には、NA(Next Action 次の行動)リストを作る。

NAは具体的でなければなりません。「田中さんに連絡を取る」ではなく「電話する」あるいは「メールを送る」。あいまいな指示だと、脳は潜在的な不安を抱えたままになりサルが飛び回るようになるのです。

私の今日の仕事は「翻訳原稿を書く」ですが、その前に「編集者から送られてきたファイルをUSBメモリに入れる」「コンビニで印刷する」の2つのアクションが必要です。

 

そして、2分間ルール。比較的簡単に実行できます。2分以内で終わる作業はリストに入れてはいけません。すぐに取り掛かって終わらせてしまうのです。

 

最終的に目指すのは「ゼロ地点」。やりかけの仕事がなにもない状態です。罪悪感をおぼえずに、読書をしたりズンバのクラスに出られる状態。

そんな状態、働きだしてから経験したことがありません。そのうち仕事がなくなって何もしなくてよくなったら、そんな境地に達することができるのでしょうか。

 

この類の本は読むだけで満足して実行に移すハードルが高いのですが、とりあえず2分間ルールを心がけています。2分間でできることを片付けるだけでも、頭の中の動物は静かになります。