翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

もしあなたが令和の女子高生だったら

スペイン巡礼のために昨年からドイツ式フットケアのサロンに通うようになりました。長い距離を毎日歩くために、爪の健康状態を整えておこうと考えたからです。地元出身の50代の女性オーナーが一人でやっているサロンです。通い続けるうちに話が弾むようになりました。大人になったら新たに友人を作るのは簡単ではありません。お金を介しているとはいえ、ほどよい距離で近況を報告しあいながら交流できる関係は貴重です。占い師と客の関係もこういうパターンがあるはすです。

昨年から足つぼマッサージにも通っているのですが、こちらもゆるい関係を楽しむのがメイン。肝臓と腎臓の反射区を押されると痛いだけで、あとは特に問題なし。こういう場所に通う人は体の不調を相談することが多いのでしょうが、「お酒を少し控えなければいけませんね」だけで終わります。

担当の女性が私の仕事歴に興味を抱いたようで、あれこれ聞かれます。お嬢さんが高校3年で受験生。文系で得意科目は国語と英語となると、まずあこがれるのが編集関係の仕事だからです。出版社に入社できなくてもフリーランスで食べていく道があったのは過去のこと。斜陽産業の最たるものですから、とてもお勧めできません。

「だったらどの学部がいいでしょうか。学校の先生に相談してもなかなかこれだというのが選べなくて」

お嬢さんはどんな仕事がしたいのか聞くと、マニュアル通りに言われた通りに働くのではなく、自分の強みを生かせる仕事だそうです。一昨年、東大の経済学部に入学した知り合いの息子さんによると、官僚やメガバンクを目指す東大生は減少しコンサルか起業を希望する学生が大半とのこと。マニュアル仕事は昇進や昇給も期待できませんから、仕組みを作る側になるしかない。若い人も、労働市場の格差に敏感になっているのでしょう。

 

もし私が令和の高校生だったら、どの学部を志望するか。文学部では就職に苦労しそう。外国語学部で語学を習得するのも、それだけでは弱いような気がします。

とっさに出たのが「立教大学の観光学部」。為替の動きからしても日本人相手の職業ではジリ貧になる恐れが。富裕層の外国人観光客は画一的なサービスを嫌い、特別な経験を好みますから、パーソナルな対応が求められます。英語を学んで観光業の知識を身につけて、長期休暇はバイトやインターンで現場での経験を積む大学生活。アメリカのコーネル大学の観光学部に日本で匹敵するのは立教だと聞いことがありますし、英語教育も充実しているのでは。

マッサージの担当者は「一度、娘と会って話してほしい」と言います。まるで占い鑑定の場みたいになってしまいましたが、四柱推命の講座で教わったことを思い出しました。

占い鑑定でお金をもらうためには、占いのロジックを見に付けるだけでは不十分。たとえば「手先が器用」という特技を持つ人。一昔前なら和裁や畳職人などさまざまな職業が選べたが、今はマーケットを見極めないと職業として成立しません。そこまで含めて鑑定をする必要があります。

今は占いの鑑定はやっていませんが、どの仕事も食べていくのは大変だと改めて痛感。超高齢化社会の日本では若者の存在は貴重です。失敗してもやり直せるような柔軟な社会になってほしいものです。

 

先日滞在した伊豆高原の「やすらぎの里」は、1週間プランと週末プランを組合せて空室を出さない仕組みになっていました。メニューも固定しているので食材の無駄が出ません。三軒目となる本館をオープンするにあたり、地元の銀行がすんなり融資してくれたのもそれまでの二軒の業績を目の当たりにしていたからでしょう。