このブログを始めた当初、想定した読者は出版編集関係者でした。
対面鑑定よりも原稿書きがメインの仕事で、ブログを書いていれば、何か依頼があるかもと期待したのです。
ライターとして取材対象者のアポ取りをずっとやっていた経験から、ブログがあるほうが取材してもらえる確率が高いと考えました。その人の興味の対象がわかりますし、切り口が探しやすく、取材がぐっと充実するのです。
ありがたいことに、初仕事の雑誌から取材を受けたり、旧知の編集者から「ブログに書いてあったあのテーマで企画を」と依頼されたこともあります。
今月リリースされた占いコンテンツ「輝石推命占」も、きっかけは雑誌の記事を見て連絡をいただいたのですが、担当の方がブログを読んでくださっていたようです。占いに対する私の考え方をしっかり取り込んでもらえて、打ち合わせもとんとん拍子に進み、あっという間に完成の運びとなりました。
honkaku-uranai.jp
そして、鑑定にも「ブログを読んで」という方がいらっしゃるようになりました。
取材とは、インタビューアー(話を聞く者)とインタービュイー(話す者)のセッションのようなものだし、対面鑑定も占い師とお客様による共同作業です。
占い業界には「占い師がお客を選ぶ」という言葉があります。お客さんが占い師を選んでいるようでいて、運のいい占い師には運のいい(開運していく)お客さんが集まり、その逆パターンもあるというのです。
中華街のお店は、大通りに面していて「おいしい中華料理も食べたし、占いでもするか」というお客さんが多く、たまたま、ある占い師の前に座るのも、シンクロニシティ、すなわち意味のある偶然です。一方で、私のブログを読んで来店してくださったお客様だと、鑑定がスムーズで一気に深いところまで掘り下げられます。
占い師だからといって、未来が100%予測可能なわけではありません。
占術理論を使いながら、占い師それぞれがかけているレンズのようなものを通して、未来の一部分を垣間見ているのです。よく見えるところもあれば、死角もあります。
占い師の視覚のバイアスと自分の知りたいことが重なっていれば、それは充実した鑑定になるでしょう。
占い師によっては、ブログなんて書くヒマがあったら占術理論の研究に励むという人もいるでしょう。あるいは、紹介のみでしか鑑定を受け付けないという大家だっています。
さまざまなスタイルの占い師がいる中で、私の場合は、自分の立ち位置をはっきりさせるために、このブログを書いています。
といっても、旅や音楽、映画など、趣味をテーマにすると、つい冗長になる傾向がありますが、占いとは関係なく、ブログを通して人と知り合うのもとても楽しいものです。
映画「かもめ食堂」の舞台となったカフェ。