北陸応援割、JALで小松に飛んで空港近くの片山津温泉あたりに泊まれるといいなと思ってJMBツアーで予約を試みましたが、あっという間に枠が埋まってしまいました。本当に応援したいのなら、割引なんて使わず正規料金で行くべきなのでしょう。
定期的に通っている個人経営のフットケアのサロンでそんな話題を振ってみたら、女性オーナーは「割引とかクーポンは一時的にお客様が増えるけれどデメリットのほうが大きいので使わないことにした」と言います。新規のお客さんがリピーターになってくれるかと期待したらそんなことはなくて、初回限定の割引を渡り歩くお客さんが多くて、常連さんに迷惑をかけることになってしまうそうです。
そして、北陸応援割の時期に旅行してもそういうずうずうしいお客さんで宿もいっぱいで不愉快な思いをするかもしれないから、予約が取れなくてよかったんじゃないかという結論に達しました。世の中には「もらえるものなら何でも限界までもらう」という貪欲な人がいるのです。
「旅は道連れ」と言いますが、同じ飛行機や鉄道の乗客、同宿者の運をかぶってしまうことはあり得ます。1月2日の羽田空港JAL機炎上事故で「お正月の正規料金で乗っている乗客だから、民度が高くて全員無事だった」と感じたのは記憶に新しいところ。イソップ物語の「すっぱい葡萄」ではありませんが、低料金ばかりをアピールしている旅には参加しないように誓ったのですから、北陸応援割が取れなくてよかったと思うべきです。
クーポンとかポイントカードなど、消費者としては当然の権利だから堂々と使っていいはずですが、断捨離のやましたひでこさんは「その分どうぞ儲けてください」と断っているそうです。
私が無欲だからではなく、強欲だからともいえます。小さな得ではなく、もっと大きな得を見ているといったらいいのでしょうか。もっと大きな世の中の機運や人とのご縁を見ているのです。チマチマと目先の損得で動くと、チマチマしたお金しか入ってこないのです。
単なる片付けテクニックを超えて断捨離がここまで普及したのは、やましたひでこさんのこうした姿勢に共感する人が多いからではないでしょうか。
昨年秋のスペインの巡礼路で出会った猫。巡礼者たちは、自分だけが得しようなんて利己的な思いとは無縁で自分のペースで淡々と歩き続けていました。そうした旅を体験したというのに、帰国すると世俗に戻ってしまいました。