翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

ダンスするように生きる

旅に出てばかりの日々ですが、ゴールデンウィークはおとなしく家にいました。

連休中の最大のイベントは、スポーツクラブで開催されたズンバのジョイントレッスン。通常のレッスンはインストラクターが一人ですが、ジョイントレッスンは他のクラブのインストラクターと二人で実施。ビジターとして他のクラブのメンバーも遠征してきます。スタジオの位置が決まったら、周囲に初対面の人がいたら言葉をかけておくのは、一緒に盛り上がるために欠かせないプロセスです。ズンバは「お祭り騒ぎ」という意味で、地元のお祭りによそからも人が来て一緒に神輿を担いだような感覚になりました。

 

1時間半という長丁場だったのですが、始まってみると夢中になり、気が付いたら最後の曲でした。他のクラブの人に「楽しかったですね、また来てください」と声をかけて終了。さすがに帰宅後は一気に疲れが出てその日は何もできませんでした。

 

アドラー心理学の教えの一つは、「ダンスするように生きる」。

目的に向かって努力するのが正しい生き方だと思い込んでいましたが、「いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる、連続した刹那」だと岸見一郎は説いています。ヨガや瞑想でも「いま、ここ」に集中するように教えられますが、欲深い私にはむずかしいことでした。未来のために現在を犠牲にする生き方を続けてきました。

しかしアドラー心理学では「楽器を練習してプロになる」「司法試験の勉強をして弁護士になる」「執筆を続けて作家になる」といった目標が実現できなかったとしても、ダンスを踊っている「いま、ここ」が充実していれば、それでいいのです。

スポーツクラブのスタジオレッスンに出るようになって、ようやくその境地に達しました。始めた動機は健康のためでしたが、今では踊ること自体が楽しくて続けています。

 

同年代の友人に「あなたほど体が強い人はいない」と感心されることがありますが、体が強いから踊り続けているのか、踊り続けているのか健康なのか、どちらが原因か結果かわかりません。

 

マドリードの街角の音楽隊。自然に聴衆が集まり、音楽に合わせて踊っている人も。プロなのかアマチュアなのかわかりませんが、とにかく演奏しているのが楽しくてしかたがないという気持ちが伝わってきました。スペインにまた行って巡礼路を歩くのは、こういう雰囲気を再び味わいたいから。車も鉄道もある現代にわざわざ歩いて移動するのは「いま、ここ」を味わうための最適な体験です。