翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

不要不急の人生

新型コロナの影響で最もつらいのは、スポーツクラブのスタジオレッスンが休止されたこと。

 

当初からスポーツクラブは感染源の一つとされていましたが、ズンバのレッスンには中毒性があり、開催されるかぎり参加していました。ズンバはインストラクターによって振り付けが異なるので、お気に入りのインストラクターを追いかけて他のクラブに遠征する人も多いのですがめっきり減りました。顔なじみの地元のメンバーと「こうなったら一蓮托生」とばかり熱中して踊ったものです。

 

まず、スタジオレッスンの中止が伝えられて、それならプールで泳ぐつもりでしたが、すぐにクラブ自体が休館になってしまいました。

フリーランスになって以来、私の週間スケジュールはスタジオレッスンのプログラムに添って作られていました。今の住居を決めたのはスポーツクラブに徒歩5分だったから。入浴もすべてスポーツクラブで済ませていました。

 

「不要不急の外出は避けるように」と呼びかけられていますが、自宅で原稿を書きメールで送れば仕事は終了。編集者との打ち合わせもメールか電話で済みます。

 

そして最大の趣味である旅行こそ不要不急の極み。新型コロナが国境を越えて広がったのは旅行者のせいです。

 

ズンバも旅行もできないとなれば、手足を縛られたも同然。そもそも私の人生すべてが不要不急であり「生まれて、すみません(太宰治)」状態です。

 

騒動が落ち着いて、不要不急の人も受け入れられる世の中に戻ってほしい。でも、日本経済が壊滅状態になればそんな呑気なことも言っていられないのかも。

 

現在のペースで高齢化が進めば日本はお年寄りだらけの国になります。「年金だけもらう役立たず」と若者たちに憎まれる存在になったらどうしよう。息をひそめて家に閉じこもっているしかないのでしょうか。恐ろしいのは、新型コロナより人間の心です。 

 

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マドリードで一番よかったバル、カサ・ラブラ。スペイン社会党発祥の地であり創業1860年の老舗で、名物はコロッケ。老いも若きも手軽に楽しめるお値段でした。

 

飲み歩きこそ不要不急の最たるものですが、必要なこと、急ぎのことしか認められない世の中は、殺伐として生きる意味も見つからないのではないでしょうか。