行こうとして断念したヴィッパサナー瞑想合宿。アルコールを飲まなくなればそのうち参加できるかもしれないと考えていましたが、自分には向いていないことが易の読み会でわかりました。自分のことは案外自分でわかっていないもの。占い仲間に指摘され無言の行とデジタル断ちはともかく、紙とペンを取り上げられて10日間も過ごせるわけがないと思い至りました。
そこで思い出したのが今年の夏に滞在した登別カルルス温泉。厳しい修行をしなくても、ぬるい湯で呼吸に集中しているうちに瞑想状態になったのです。
ここ数年はサウナにハマり「ととのう」状態を求めていたのですが、極端な高温から水風呂は体にダメージを与えているという話が出てきました。
そしサウナのテレビが苦痛になりました。ネットの動画に慣れたせいか、一方的に流れ続けるCMにがまんできなくなったのです。番組内容も時々は興味が持てますが、大部分はどうでもいいことばかり。サウナ、水風呂、外気浴を3回ほど繰り返していたのですが、テレビがつけっぱなしになっているサウナ室に入るのが気が進みません。
その点、ぬる湯ならせいぜい客のおしゃべり程度なので呼吸に集中できます。
瞑想の方法は、NETFLIX『ヘッドスペースの瞑想ガイド』を参考にしています。バンコクで受けたヴィッパサナ―瞑想の講座が英語だったこともあり、日本語より英語の瞑想指導のほうがしっくりきます。
ヘッドスペースのアンディから学んだ瞑想のやり方。
ゆっくり深呼吸。鼻から吸って肺が空気で満たされると体が拡大し、口から出すときは体が柔らかくなっていくのを感じる。
呼吸を10まで数えたらまた1に戻る。目は半眼にしてソフトフォーカス。
思考は高速道路を走る車のようなもの。すべて走り過ぎていくものだから、特定の車を追っていることに気づいたら、ただ全体の流れを眺めるのに戻ればいい。
ぬるいお湯に入っていれば重力を感じないので姿勢も楽です。ゆらゆら揺れる水面を見つめていると雑念もあまり湧いてきません。
9月に訪れた島根では、地元在住の友人に千原温泉に連れて行ってもらいました。足元から湧き出る源泉は35℃。炭酸ガスの泡が体にびっしりと付きます。寒い時期は温めた上がり湯もあるそうです。
駐車している車のナンバープレートを見ると広島や岡山など遠方から来ている人も多く、それだけ効果があるということでしょう。
探求を始めたばかりの、ぬる湯の世界。全国各地にぬる湯の名湯があるらしいので、訪れるのが楽しみです。