翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで四刷になりました。

塩原温泉で最高のぬる湯と出会う

ぬる湯の温泉を求めてたどり着いた那須塩原赤沢温泉旅館。

akasawaonsen.com

那須塩原駅からバスで塩原温泉バスターミナルに向かい、そこから徒歩30分。宿にお願いすればバスセンターまで迎えに来てくれるようですが、気持ちのいい天候だったので川沿いの道を歩きました。対岸に宿の姿が見えるのですが、橋まで行かないと川を渡れません。

 

山小屋風の外観。自転車に乗ってどこかに出かける若い女性スタッフが感じよく挨拶してくれて、いい宿だろうと予感。紅葉の前なので、そんなに混んでいません。

 

宿のホームページの文章、なかなかこだわりがあるのはオーナー自ら書いているから。たとえば「典型的な日本旅館とは少々違うかもしれません」という一文。

当館は文化、芸術(音楽、美術、美食他)、安らぎを大事にする心が 国境を越えて集える場所を目指し、英、中、西語対応可能となっております。
その代わり日本語能力がまだ十分で無いスタッフがいたり、異国の芸術品が置いてあったり、オーナー自身うわべだけの堅苦しい日本の作法ルールが大の苦手だったりします。
誰でものんびり出来る、 堅苦しくない日本旅館の在り方をお客様のご意見を承りながらたえず探求していきたいと考えております。

 

部屋に置いてあった案内にオーナーの紹介があり「コロンビアで植林に従事」という一文に釘付けになりました。こんなところにコロンビア関係者がいようとは! 温泉旅館という何代も続いた跡取りの経営者が多いのですが、国際ビジネスマンからの転身です。どんな人なのかネットで検索してインタビュー記事を見つけました。

詳しいプロフィールは1960年11月東京生まれ。慶応高校卒、米国の大学に進み森林学で博士号を取得。米国やコロンビアで林業に従事し、王子製紙に就職、中国の植林事業の総監督に。2014年に早期退職し、2015年に赤沢温泉旅館をオープン。私と同級生で、しかも同月生まれです。

 

オーナーの遠藤正俊氏には翌朝、お目にかかることができました。

最初はぬる湯談義。赤沢温泉旅館の露天風呂、入る場所によって温度が替わり、永遠に浸かっていられるような心地よさでした。一般の温泉を求めてきた人から「ぬるすぎる」という声も出るそうですが、内湯は温かく交互浴を思う存分楽しみました。さすがに冬はぬるすぎるので露天も過熱するそうです。

 

ぬる湯が好きなのは、ゆらゆら揺れる水面を眺めつつ心を空っぽにできるから。

bob0524.hatenablog.com

 

そして、赤沢温泉旅館には猫がいます! オーナーの奥様と一緒に中国からやって来た灰灰(フエイフエイ)、猪猪(ジュージュー)、虎虎(フフ)。残念ながら今回は遊んでもらえませんでしたが、何回も通っているうちに仲良くなれるかも。ビーグル犬のボーロは人懐こくて、散歩から帰ったら真っ先に私のところに来てくれました。

 

行きは塩原温泉バスターミナルから歩いて来たので、帰りも徒歩でよかったのですが、那須塩原行のバスの時間に合わせて送ってもらうことに。

なんと、遠藤氏自らが車を出してくれました。コロンビアの話を聞きたかったのですが、車だと5分ほどでバスターミナルに到着。。

 

もう人生は終盤に差しかかっているにと思っていたのに、同い年の遠藤氏はさらなる事業拡大に向かっているようす。大いに刺激を受けた温泉旅でした。先月の山梨下部温泉の橋本屋旅館と同様、オーナーの人柄が伝わってくる宿が好き。次はぜひ長期滞在したいものです。