翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで四刷になりました。

生きる基本は食事と睡眠

栃尾又温泉の自在館から帰って来たばかりなのに、次はいつ行こうかと考えています。

ただ温泉に入っていただけなのですが、貸切風呂もあり、あちこちを回っているだけで一日が過ぎていきました。

 

食事は一般的な温泉宿の会席料理ではなく、野菜を中心とした湯治向けの食事です。連泊を前提としているのでメニューは日替わりです。「目の前の食事だけにむきあい、一口一口をゆっくりと味わっていただくのも坐禅だ」と教わりました。

 

この日のメニューは鯵の竜田揚げ、かぼちゃのココナッツミルク煮、柿と春菊のごま酢あえ、手作りがんも、けんちん汁。魚沼市なので、ご飯が抜群においしい。食後にデザートとフルーツが出ますが、お腹がいっぱいになっているので部屋にテイクアウトして冷蔵庫に入れ、翌日食べていました。

 

朝起きたらすぐ温泉に行くので、朝食は遅めの8時40分を選びました。しっかり食べるので昼になってもお腹がすきません。夕食を早めの5時半にして、一日二食で十分でした。昼食を食べたい人は食堂で麺類やおにぎりを頼めます。

 

朝食も日替わりで、名物のラジウム納豆、ヨーグルトはおかわり自由。

西日本出身なので納豆を食べる習慣がありませんが、せっかくだから毎朝いただくことに。芥子を効かせたポン酢に大粒の納豆がよく合って、一種の豆料理だと思って食べました。

 

この日のお味噌汁には、不思議な食感の具が入っていました。鶏肉のようだけどちょっと違います。食堂のスタッフの女性に聞いてみると新潟特産の「打ち豆」とのこと。大豆を叩いてつぶして乾燥させた保存食で、味噌汁や煮物にそのまま入れられる便利な食材で、自在館の売店に売っていました。

「東京からお嫁に来て、ここで働き始めてかなりベテランになってしまった」とおっしゃっていましたが、自在館のスタッフの方々はどなたもみんな誇りを持って楽しそうに働いています。いい職場なんでしょう。

 

夕食のメニューの紙には「なかなか皆様にお会いできない調理スタッフへのメッセージを裏面にどうぞ」とあります。丁寧に作られた料理の感想、お湯もすばらしいけれど料理も楽しみでリピーターになった旨を書いて渡しました。

 

自宅にいるときはアルコール依存症の心配をするほど飲んだくれているのに、自在館では夜の入浴のためにノンアルコールビールで過ごしました。お酒を飲みたいという感覚を忘れてしまったので、依存症ではないのかも。そして、ラジウム温泉の効果なのか、風呂上りにすぐに眠くなりました。

 

おいしく食べてぐっすり眠れば、これ以上何を望むことがあるでしょうか。そんなシンプルな幸せに気づかせてくれる自在館。近いうちにまた行きます。