コロナによって「新しい生活様式」が提唱されています。
混雑した酒場で語り合ったり、バイキング形式の食事を楽しむことはもうできないのでしょう。
休館となっていたスポーツクラブが6月から再開しました。ズンバのレッスンに通っていた私にとって、約2か月間の休館はつらいものでした。頭の中を空っぽにして、音楽に合わせて踊る時間があるから、体と心の状態をなんとか維持してきたのです。日本語学校で教えていた頃は心身とも消耗しきっていましたが、ズンバがあったから3年間続けられたようなものです。
ジムのマシーンは一台ずつビニールで区切られ、ロッカールームでの会話を控えるようにと注意書きが貼られています。
ズンバやエアロビクスのレッスンは30分に短縮。スタジオには床にテープが貼られて区切られていました。枠から出ないように踊るのです。曲ごとに後ろ向きになったり、左右2グループに分かれて向き合って踊るなど、さまざまなスタイルで楽しむのがズンバなのに。もちろんハイタッチ、声出し禁止。
一番大きな変化は、20名の定員制となったこと。人気のインストラクターのレッスンは受付開始の1時間半前に行列ができ、たちまち満員となります。
私は行列が嫌い。マスクが不足していた頃、ドラッグストアの行列に絶対並びたくないと思いました。暇な高齢者が買い占めるので、マスクが本当に必要な人に行き渡らないと聞いたからです。
老人ばかりで活力のない国に成り果てそうな日本。
高度経済成長期に子供時代を送り、社会人としてバブル景気を謳歌した世代としては、今の若い人たちに後ろめたい気持ちがあります。せめて、多くを望まず人に道を譲るような高齢者になりたい。ズンバのレッスンも、空きがあったら参加するけれど我先に行列に並ぶつもりはありません。スポーツクラブには水風呂がなくてもサウナはあるので、レッスンに参加できない日はゆっくり入浴して帰ることにしました。
そんなふうに淡々と生きようとしているのに、これを目にしてしまいました。
YouTubeのズンバはいま一つだったのですが、これならゲーム形式で楽しめそう。しかもインストラクターにズンバの創始者、ベト・ペレスがいます!
昨年9月に訪れたマドリードの街角。
ズンバとガルシア=マルケスを生んだコロンビア行きの夢は果たせなくても、スペインを旅していると「まるでガルシア=マルケスの小説の舞台みたい」と思うことがよくありました。スペインの流れを汲む国ですから、よく似ているのでしょう。