翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

ディラン先生からケネス先生へ

NHKのETV「こころの時代」にケネス田中先生が登場しました。8月11日に再放送があり、ようやく観ることができました。

 

www4.nhk.or.jp

 

ケネス田中先生は1947年、山口県生まれ。10歳の時に家族でサンフランシスコに移住しました。

日本とはまったく異なるアメリカ社会では苦難の連続。お母さんがハワイ生まれの日系二世とはいえ、ケネス先生自身は英語がしゃべれず、周囲で何が起こっているのかまったくわからない状況が続いたそうです。経済的な困窮に加え、両親の不和もケネス少年を悩ませました。

 

アメリカでは宗教を持たないといけない」と言われ、最初に行ったのがキリスト教の教会。

「神がすべてを作った」という教えにケネス少年は納得できません。

アメリカでの生活に苦しみ、「神が全知全能なら、なぜこんな問題だらけの現実があるのだろう」と疑問を感じたからです。

その後、13歳で仏教に出会います。一切皆苦という仏教の教えに、ようやく光明を見出しました。

しかし、1960年代初めアメリカで仏教は「おへそをながめながら瞑想するアジアのカルト」にしかすぎませんでした。仏教に心惹かれながらも、"I'm a Buddhist"とはとても公言できる状況ではなかったそうです。

 

そしてアメリカはベトナム戦争に突入。ケネス先生はカリフォルニア州立大学経営学を学び、将校養成プログラムの奨学金を得る予定でした。当時は徴兵制度があり、どうせ軍に入るなら、奨学金を得たほうがいいと考えたからです。

しかし、仏教の教えと入隊は矛盾します。

八正道の一つ、Right Conduct(正業)では、人を殺すことを禁じていますから、仏教徒は戦士になれません。

 

NHKの番組では、1967年のワシントン反戦集会が流れます。バックミュージックはジョーン・バエズが歌う『風に吹かれて』。

 

ここで、かちっと何かがつながる音がしました。

私の人生の師は、ボブ・ディラン

 

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ディラン先生は1941年生まれで、ケネス先生より6つ年上ですが、同世代と言えるでしょう。

ディラン先生の教えを直接受けることはできなくても、ケネス先生がいる。そんな思いに満たされ、残された人生の指針が得られました。

 

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バンコクのワット・ポー(涅槃仏寺)には巨大な涅槃仏が鎮座し、足の裏まで彫刻がほどこされています。

 

去年と今年、バンコクを続けて訪れたのは、ケネス田中先生が仏教修行した地だからです。ほんの一日だけ、ヴィッパサナー瞑想教室に行きましたが、何度も思い返すほど深い体験でした。

 

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