外出自粛で読書とNetflixで過ごしています。
ヘッセの『シッダールタ』を再読。
シッダールタは苦行を重ねて次の3つができるようになりました。
・考えること
・待つこと
・断食すること
思考や断食はむずかしいけれど、待つのは簡単だと最初は思いましたが、コロナ禍の日々を過ごすうち、この3つのうち待つのは最もむずかしいと感じるようになりました。「この1~2週間が重要局面」と言われてもう何週間が過ぎたのか。そしてあと何週間この状態が続くのか。
開運というと「トイレ掃除」「断捨離」「吉方取り」など何らかのアクションを起こして、その結果として幸運に恵まれるとイメージがあります。余計なことをせずにひたすら待つというのは、かなりの精神力が必要です。
運の悪い人は、待てません。時間がたてば状況が変わるのに、余計なことをして事態をますます悪化させます。相手の気持ちがまだ固まっていないのに、押せ押せでアプローチして距離を置かれたり、気が熟していないのに挑戦して失敗し、手痛いダメージを受けたり。
コロナウイルスに対して人間ができることには限りがあります。外出は最小限に控え、時が過ぎるのを待つしかありません。
せっかく時間ができたのですから、家の中でお金をかけずに楽しめることを探しましょう。kindleとNetflixに加えて、Youtubeのズンバや筋トレの動画を利用しています。
そして、仏教伝道協会で昨年開催されたケネス田中先生のBuddhism through English(仏教を英語で学ぶ会)で学んだことは大きな糧になっています。
生きることには横軸と縦軸があり、私たちが意識しているのは横軸だけ。横軸は客観的状況(objective condition)で、日常生活。給料が上がった/下がった、恋人ができた/別れたとか、アップダウンがあります。縦軸は仏道であり、個人的なカルマ。主観的な個人の心であり、修行を積むことで上昇していきます。カルマは因果と訳され、「親の因果が子に報う」と言われますが、これは縦軸ではなく横軸です。
状況は刻々と変わり、気持ちがジェットコースターのように乱高下しますが、こういう時こそ「待つ力」が試されます。