翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

なくなる仕事、なくならない仕事

読書感想文といえば小学校の宿題の定番ですが、ChatGPTが書いたものを提出する小学生が出現したという話がネットで流れてきました。あまりにも上手で、先生は親に手伝ってもらったのかと思うほどの出来だったそうだです。

 

数年前の同窓会で、就職活動中の娘がいる友人から聞いた話。

「お母さんは、会社でどんな仕事をしていたの?」と聞かれたから、「コピーとお茶汲み、出張費の清算とか」と答えたら「そんな仕事で正社員!」とびっくりされたそうです。

そのうち「情報を集めて原稿を書く」というライターの仕事も、「そんなことを人間がやっていたなんて!」とびっくりされるかもしれません。アポ取りやカメラマンの手配、レイアウトの指示、校正、掲載紙の送付など原稿を書く以外の作業も煩雑だったのですが、今やスマホでプロ並みの写真が取れる時代だし、活字印刷がなくなれば不要になるものが多いでしょう。

 

「なくなる仕事」については、数年前から話題になっています。

bob0524.hatenablog.com

ボブ・ディランが絶対になくならない仕事として"male prostitute, escort"を挙げていました。日本のホストは店に所属していますが、アメリカでは個別契約でデートに応じるサービスがあるようです。いい男だと思ってときめいたら、そういうサービス業だったという話がドラマにありました。

 

占い師も一種のサービス業。コンピュータ占いは昔からありましたが、対面鑑定も続いていますから、これからもなくなることはないのでしょうか。

命式やホロスコープ、あるいは出たカードや卦を占い師が一方的に読むだけなら、テクノロジーに取って代わられますが、会話を求めるお客さんもけっこういます。

 

日本語学校で教えていた頃、教室に入るとホワイトボードに書かれていた芭蕉の句。雲の字の横線が一本足りないのもご愛敬。

「日曜日、私は花見をしました。鐘の音を聞きました。芭蕉と同じです」とオランダ人の学生。

語学の教師もなくなる仕事の一つとされていますが、体験を語って理解してもらえるのは人間同士だからこそ。鑑定の場でそれができる占い師は淘汰されないでしょう。

できれば面倒な仕事こそ機会にやってもらって、こうしたリアルの体験をできるだけ味わいたいものです。