ドイツ人とスペイン人の女の子がキモノ姿で日本語学校の教室にやってきました。
着物じゃなくキモノとカタカナで書くしかありません。
連日の猛暑ですが教室の中はエアコンが効いて肌寒いくらい。そこで彼女たちは、Tシャツに短パンの上に、キモノをロングカーディガンのように羽織っているのです。
「近所の古着屋で買った」という二人。とてもリーズナブルな値段だったそうです。
鮮やかな赤や青、大きな花柄が金髪に映えて、とても似合っていました。ここまでぶっ飛んでいると、着物警察も口を出せないのでは。
「着物警察」というのは、ネットで見かけた言葉ですが、街で着物を着ている若い女性にいきなり近づいてダメ出しをする人。
「帯が着物の柄に合っていない」「その生地、ポリエステルでしょ」とか失礼なコメントをしたり、いきなり帯の形を直された人もいるそうです。
一方、食べ物の話題になるとイタリア人の学生が強く主張するのが「スパゲティにケチャップなんてありえない」というナポリタンの否定です。
「アメリカ人が持ち込んだもので、日本人はそれが西洋のスタンダードだと思った」と説明するのですが、もしパスタ警察というものがあったら、日本での多種多様な創作パスタを見て取り締まりをあきらめるでしょう。
日本オタクの学生たちですが、日本と同じぐらい韓国文化が好きという学生もいます。
KPOPはJPOPより世界で人気があるようですし、韓国ドラマもおもしろいし。
韓国人や中国人を差別したがるネトウヨが知ったら発狂しかねませんが、日本人だって世界各国を一国ずつ認識しているわけではありません。
カウリスマキ映画をきっかけにフィンランドにはまった私は、フィンランド文化だけが好きなのですが、そうじゃない人は、ふつうの人は北欧諸国というざっくりしたくくりでスウェーデンもノルウェーも似たようなものだと思っているのではないでしょうか。
細かいことなんて言い出したらきりがありません。その人が満足しているんならそれでいいじゃないか。そんな気持ちで日々教壇に立っている、いい加減な教師です。
釜山で食べたミルミョン(冷麺)とワンムンドゥ(蒸し餃子)。日本人にとっては異国の味ですが、西洋人にとってはアジアの味なんでしょう。