翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで四刷になりました。

品のいい老婆を目指す

現在、日本では65歳以上を高齢者としています。今のスピードで高齢化が進めば定義が変わるかもしれませんが、とりあえず私は次の誕生日から高齢者の仲間入りです。

父がお世話になっていた高齢者施設に行くと、何かのプログラムで童謡や唱歌を使っていましたが、これからの高齢者はロックンロールやシティポップじゃないと反応しないでしょう。

高齢者になりかけていても、電車やバスに優先席に座るのには抵抗があります。ベビーカーや車椅子の人が待っていればエレベーターから降りて階段を使います。ほぼ毎日のようにダンスのクラスで踊っているし、、ウォーキングや階段の昇降は格好の筋トレ。何よりも「高齢者だから優遇されて当然」というずうずうしい老婆になりたくないのです。

 

「育ちがいい人は、人と関わる時に自分が得をするようにふるまわず、むしろ自分が得をしないように何かを差し出す」という文を読んだことがあります。自分は十分恵まれているから、これ以上必要ないというゆとりがあるのでしょう。

残念ながら私の育ちは悪い。血縁者を見れば明白です。もらえるものは何でももらう。額は多ければ多いほどいいという、よく言えば生命力にあふれるタイプが多いのです。

だから意識して、自分が得をする状況を避け上品な行動を心がけているのですが、その根底にあるのは「もっと大きな得が欲しいから、ちっぽけな目先の損得にはあえてこだわらない」という計算高さ。一番欲が深いのは私かもしれません。

 

スペイン巡礼中、パンプローナで泊まった宿の共有スペース。自由に使えるキッチンと冷蔵庫があり、お茶も自由に飲めます。歩き始めたばかりで、ここで聞いたベテランの巡礼者の話は大いに参考になりました。

雑然としているようで、センスのよさが感じられて居心地のいいスペース。こういうインテリアはさすがスペイン。取り澄ました上品さではなく、ちょっとゆるんだぐらいがちょうどいいと思います。

そしパンプローナに限らず、自分には何の得にもならないのに、惜しげもなく情報やヒントを与えてくれた巡礼者たち。中には私より年上の人もいました。ああいう高齢者になるのが目標です。