翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

デジタル時代の巡礼

先日、近所のデニーズがリニューアルされ、注文はすべてタッチパネル式になりました。窓際の席はお一人様用となり、電源とWi-Fiも完備。常識的な時間内なら、仕事場としても使えそうです。

フレンドリーな接客の店で「新しい席、どうですか?」「わあ、いいですね!」という会話を交わしました。

ところが、隣の席にご常連らしき男性の高齢者。「え、何? こんなの、使えないよ。いつものとドリンクバー!」

店員さんがお客さんの替わりにタッチパネルに入力していましたが、これからもそうするのでしょうか。

世の中はものすごいスピードで変わっています。自分は年寄りだから対応できないので、誰かにやってもらおうと甘えてばかりもいられません。

 

この秋に計画しているスペイン巡礼も様変わりしているようです。

巡礼宿は予約不可で、その日に歩いた先に先着順でベッドを割り振られる方式だったのが、コロナ後は人数制限が厳しくなり、前日の予約を受け付けるところが出てきたようです。巡礼者の掲示板にも「巡礼宿の予約はアフターコロナの新しい常識?」といった質問がよく出ています。場所や施設の規模によって状況は異なり、グループだとまとまって泊まることができないので予約必須。一人で歩く場合はそれほど厳密ではないようですが、スペイン語で電話予約ができない私は、現地のフリーWi-Fiに頼らずヨーロッパ用のsimカードを手配したほうがいいかもしれません。

 

自分の荷物は自分で背負って歩いたいのですが、疲れたらバックパックだけ次の日の宿まで運んでくれるサービスがあります。封筒に自分の名前と次の宿を書いて現金(ユーロ)を入れて巡礼宿のフロントに置いていくという牧歌的なものでしたが、今ではオンラインで申込んで決済もする方式となっているようです。

 

その日の気分で「今日は疲れたからここまでにしよう」「この村が気に入ったからここで泊まろう」なんてのんきなことは言ってられず、前日に決めたノルマを歩く旅になってしまうのは味気ない気がしますが、しかたありません。デニーズでタッチパネルを使わず、スタッフを呼び立てて口頭で注文するような高齢者、今は許されてもそのうち相手にされなくなるかもしれません。年寄りだからといって甘えず柔軟に学ぶ姿勢を持ち、ネット環境を整えデジタル時代の巡礼として歩かなくては。

 

2019年の秋に訪れたスペインでは快晴に恵まれました。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路はスペインの北部なので、雨に降られることも多いでしょうが、気持ちだけは明るく歩きたいものです。