翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

阿佐ヶ谷七夕まつりでサービス業体験

阿佐ヶ谷七夕まつりの占いイベント、開催中です。

uranai8.jp

夕方6時から9時までお客様をお迎えしたり、ドリンクやフードの注文をまとめる係をしています。

 

本業のライター業は原稿をメールで送ることが多く、人に頭を下げることはめったにありませんでした。徐々にリタイア状態となり、旅に出ることが多くなりましたが、それほど豪華旅行ではないにしても、交通機関や宿では頭を下げてもらう客の立場です。

サービスされるのが当たり前になったまま認知機能が衰えていくと、クレーマー婆さんになってしまうのではないか。かといって新しい仕事を探すのも面倒で、気楽な毎日を送っています。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と挨拶しながら、こういう体験が暴走老婆にならないために少しは役立つといいのですが。

 

アジア食堂「スキマほーる」2階のレンタルスペースが会場ですが、このお店はスポーツクラブのダンス仲間が始めました。よそのお店の軒先でバインミーのテイクアウトを始めた頃から知っているので、店の関係者の気分。イベント初日、空調のスイッチを入れるのが遅れて暑い中での開催となり、非常に申し訳なく思いました。

 

「他人の靴を履く」が、私にとって大きなテーマの一つです。複数の立場を体験することで、人生に変化が起こり視野が広がるから。

占いの原稿を書くことに加えて、お金をいただいて人を占ってみたこともあります。

週2日の対面鑑定を始めたことで、私の中で大きな気づきがありました。
直接、人と向き合うサービス業のむずかしさ。
ネガティブな表現は活字なら読み飛ばすこともできるけれど、個人鑑定では、相手の受け止め方を配慮しなくてはなりません。

bob0524.hatenablog.com

 

非常勤講師として日本語を教えたのも、貴重な体験でした。今回のイベントに参加してくださった方の中に日本語教師志望者がいて、少しお話をしたのですが、私にとっての日本語教師は仕事ではなく修行を兼ねた趣味のようなものでした。

教師という職業は人に頭を下げなくて済むというのは昔の感覚。しかも私が働いていたのはヨーロッパ系の学校で「学生はカスタマー」という意識が徹底していました。教師が学生の評価をつけると同時に、学生も教師を評価します。

サービス提供側も生身の人間であり、精一杯やってもカスタマーの要望を満たせないことがある。これだけは、老いても絶対に忘れたくありません。

bob0524.hatenablog.com

 

たまにサービスする側に回ってみると、日常生活で何も考えずに利用しているコンビニやスーパー、宅急便、スポーツクラブ、図書館などはそこで働く人々のおかげで成り立っているという当たり前の事実を実感できます。

そして、お客様からかけられた温かい言葉は、サービス提供側にとって大いにうれしいもの。これからは客側から感謝の気持ちをできるだけ伝えようと思います。

 

京都から「スキマほーる」に宅急便で届けられたお菓子。占い師仲間の一条ヤヲリさんからです。

添えられたメッセージの達筆なこと! 「暑いのでニセの氷を」とあります。宝石箱のように色鮮やかなお菓子。上品な甘さでしっとりとした食感。占い師とお客様で少しずつ楽しんでいます。八つ橋も「修学旅行を思い出した」と楽しい話題がでました。

 

東京と京都で、普段はzoomでお会いすることが多いヤヲリさん。こうして贈り物をいただいて、センスのよさと心遣いは大河ドラマ『光る君へ』の世界だと感じ入りました。平安貴族がモテるためには和歌の文才、華麗な筆跡、紙やお香の選び方まで気を配る必要がありましたが、ヤヲリさんはまさしく雅な京都人。こうしたうれしい発見があるのも、イベントを開催する醍醐味の一つです。