翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

目指せ!「プロのお客様」

いよいよ明日7月2日に迫った「フレッシュ占い師祭り」。

uranai8.jp

私が所属しているウラナイ8では、講座や読み会を開催し占い愛好家がゆるくつながっています。ある程度学んだら、人を占ってみたくなるもの。本格的な鑑定ではなく、複数の占い師が集まるイベントは、占われる側も占う側も得るものがあります。私が鑑定デビューしたのも地元のお祭りでした。

 

天海玉紀さんが「プロのお客様」という秀逸な言葉で占いイベントの魅力を凝縮しています。

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「プロのお客様」は、10分とか15分とか20分といったメニューの終了時間をしっかり守ります。時間コントロールは、占い師が気を配ってうまく進めなければいけないだいじなポイントですが、プロのお客様はちゃんと制限時間の中にご自身のお話をまとめて、占い師が結論まで辿り着いて綺麗に着地して、お話をクロージングできるように、自然にまとめてくれたりもします。

 

「プロのお客様」は、TPOに敏感です。イベントではイベントのお値段と時間に相応したお話しをなさいます。隣の席に聞こえても構わないような話題を選びますし、あまりにも深刻な話題で取り乱したり、制限時間を大幅に超えて居座るようなことは決してありません。

 

地元のお祭りイベントで「プロのお客様」の対極ケースに遭遇しました。

「片思いの彼がいる。職場に嫌な上司がいる。両親の健康が心配」という恋愛・仕事・家族の3連コンボ。鑑定料はイベント価格の1000円です。しかたがないのでタロットカードを1枚ずつ引いて、一言アドバイスでまとめようとしたのですが、そんなので満足するお客様じゃありません。「私が知りたいのはそんなことじゃないの。彼がいつ私を好きになるのか、上司がいつ異動になるか教えて!」とヒートアップ。

「待っているお客様もいらっしゃいますし、占いでは都合のいい答えが出るとは限りません。お代はけっこうですから」とお引き取り願いましたが、たいそうご立腹でした。

 

明日のイベントは客として出向きますが、プロの客として振舞えるかどうか、私自身の器も試されます。

 

そして、占いに限らず販売店や飲食店でも「プロのお客様」になりたいもの。コンビニやスーパーでもできるだけ丁寧にレジの担当者に接し、個人営業のお店では入店時の挨拶は必須。空いている時なら、八百屋さんや肉屋さんで料理法の相談をして、その結果を伝えたりしています。

 

最終的には介護の現場で「プロのお客様」に。

母のパーキンソン病から始まり、父を送るまで十数年の遠距離介護。週刊誌や月刊誌のライターという不規則で激務の仕事ができたのは、ケアマネージャーを始め、ヘルパーや施設の職員の方々のおかげ。月一回の帰省時、ありきたりの感謝の言葉だけはなく、「介護離職することなく仕事が続けられて本当にありがたい」と表現を替えて伝え、掲載誌を贈呈していました。

将来的に自分が要介護となった時も、担当者に「プロのお客様」として接することができればいいのですが。

お手本にしたいのが『メイドの手帖』に登場するウェンディー。終活の手伝いに来てくれるメイドのステファニーに「私の時間に価値があることだけではなく、私自身にも価値がある」と示してこの世を去っていったのです。

 

bob0524.hatenablog.com

 

那覇牧志公設市場の近くには「せんべろ」の酒場がたくさんあり、猫もいます。おもしろいのは、お客さんかと思ったら注文を取り次いだりドリンクを運んでくれる人がいます。話を聞くと元はお客だったのが、お店の手伝いをするようになって半分スタッフみたいになっっているとのこと。プロの客として「じゃあ、お姉さんにも一杯」と注文して、沖縄の貴重なローカルネタを教えてもらったりします。