最高だった山梨・下部温泉の元湯橋本屋。
近いうちにまた行こうと高揚した気分で帰宅して荷解きをしていると、部屋の鍵が出てきました! 初めての宿泊で、まさか宿泊代を踏み倒すとは思われていないだろうけれど、早めに払っておいたほうがお互いに安心だし朝は女将さんも忙しいだろうと思って前夜に清算を済ませておいたのがよくなかったのです。
女将さんとのおしゃべりが楽しくて、そのままお別れの挨拶をして宿を出てしまいました。いい気分で特急ふじかわとあずさを乗り継いで東京へ。
バッグから出てきた鍵を前に顔から血の気が引く思いでした。まずは連絡。電話をかけると、休館日というメッセージが流れました。家族経営なのでお子さんの学校行事などがある日はお休みにされているようです。
ネットで検索すると、こんな場合はレターパックプラスで送るのが最適解のようです。対面で届けてサインかハンコをもらうので確実です。というわけでレターパックプラスで発送し、宿のメールアドレスがわからなかったので、ファックスで鍵を持って帰ってしまったこと、レターパックプラスの追跡番号を伝えました。翌日もお休みで、女将さんと電話で話せたのは翌々日。おおらかで優しい対応に救われました。
老化に加えてアルコールの飲み過ぎで脳が萎縮しているのか、これからこんな失敗が増えていくような気がします。
1月に行ったチェンマイでは、ゴールデン・トライアングルへの現地発ツアーで迷子になりました。

ゴールデン・トライアングルへの道中にあるワット・ロンクン(白い寺)。人気の観光スポットで混雑していました。自由散策の後の集合場所が出口だったのに、入口だと誤解。同じツアーのオランダ人カップルもそう思ったようで「おかしい、どうして誰もいないのだろう」と現地の旅行社に問い合わせてくれ、ツアーと合流できました。
オランダ人カップルがいなかったら、言葉巧みに連れて行かれ、ミャンマーかカンボジアで監禁され日本人相手の詐欺に加担していたかもしれません。
札幌のビジネスホテルで。これはわたしの失敗ではありません。
大浴場が一つしかなくて男湯と女湯が時間で入れ替わります。間違えると大変なので何度も確認。
風呂上がりにバスタオルを巻いて髪を乾かそうとしていたら、入って来る人がいます。「こんばんは」と声をかけると、ものすごくびっくりされました。
男性だったのです。
ある程度の年齢になると、男女の区別があいまいになります。「おじさんみたいなおばさんが入ってきた」と私は思い、先方は「おばさんみたいなおじさんがいる」と思っていたのでしょう。大謝りですぐ出て行ったので性同一性障害でも変質者でもなく、単に女湯の表示を見落としただけのようでした。若い女性がいなくてよかったし、こちらから挨拶してよかった。男性が服を脱ぐ前に女湯だとわかったのですから。
失敗ばかりしている私が人の失敗を責めるわけにはいきません。
人間だからまちがうことはあります。ダメージを最小限に抑えるためには、とにかく誠実な対応。アメリカ人が見知らぬ人にもフレンドリーに挨拶したり話しかけるのは「自分はいきなり銃を撃つような危険な人物じゃない」と示すためだと読んだことがありますが、失敗だらけの私はできるだけ愛想よくふるまって、悪意がないことを伝えておかなくてはと改めて思いました。