翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。2025年夏、ガルシア=マルケスの聖地巡礼でコロンビアへ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで四刷になりました。

人の老害見て我が老害直せ

旅先でウォーキングツアーに参加しました。

所要時間は1時間ほどで、ガイド1名に参会者4名、料金も1500円程度です。

ガイドさんは70代の男性。元気なものです。開始まで時間があったので、つい「こちらのご出身ですか?」と聞いてしまいました。

定年後の移住だそうです。学生時代から旅が好きで、奄美大島から始まり沖縄諸島、さらにはアジア各地を「地球の歩き方」を片手にバックパッカーとして放浪してきたとのこと。こういうタイプが高齢期に突入しているわけです。

 

基本的にツアーは有意義なものでした。単に1人でぶらぶらするのとは違い、歴史や地形、各種エピソードを教えてもらいながら現地を歩くのはブラタモリのよう。

 

しかし、ツアーが進むにつれて漂ってくる老害臭。

現地の話をしているのに、いつのまにかインドの話に。大型店舗の跡が格安ゲストハウスになっていると「インドでは、ホテルなんて泊まらずドミトリーばかり泊まったものだ」。そんな話より、今このドミトリーには外国人旅行者も泊まっているのか、どの国からが多いのかといった話が聞きたいのに。

地図の話になると「リキシャの値段交渉の前にも地図を見てだいたいの距離を頭に入れておく。現地の人と同じ値段とはいかないが法外な金額をふっかけられたら交渉できる」といった具合。

そして、入り口を開放して長い布で覆い、看板もメニューも出していない狭い食べ物屋の前で「こういう店は風情があって、とてもいい」と絶賛するので「何がおいしいんですか?」と聞いてみました。「いや、この布がインドの柄だから」という答えに脱力しました。

 

インドとは関係ないのですが、アイリッシュパブをイギリスのパブと紹介され突っ込みを入れたくなるのを必死で抑えました。韓国料理店を日本料理店というようなものですが、昔アイルランドオタクだった私の独自のこだわりです。

 

こういう点をあげつらう私は相当性格が悪いのですが、同じタイプだからこそ、鼻に着くのです。いわゆる近親憎悪。人の老害見て我が老害直せ。他の参加者は微笑ましいエピソードだと聞き流しているでしょうし、そもそもガイドさんに自分語りのきっかけを与えてしまったのは私です。

 

インドでの旅自慢を聞くうちに、将来の介護施設の情景が浮かび上がってきました。「あのおばあさん、何を話しかけてもスペイン巡礼の話ばかり」「今は一人で歩くのもおぼつかないのにねえ」と職員を苦笑させているのです。

 

コミュニケーション下手の一つが、話題をすぐに自分語りに変えてしまうタイプ。たとえば「ハワイを旅行してきた」と話す相手に対し、普通の人は「どうだった?」と返すのに、「私がハワイに行った時は」とか「私は飛行機が苦手だからハワイには行かない」と自分の話に持って行ってしまうので、敬遠されるのです。

 

若い人は高齢者の話なんて聞きたくないでしょうから、望まれない限り自分語りは控えるのがいいでしょう。ブログだったら、書きたいことを書いて読むか読まないかは人の自由に任せられますから、語る代わりにこうして書き続けています。

 

スペイン巡礼フランス人の道の出発地、サンジャンピエドポー。この地出身で、日本を第二の祖国として愛さ多カンドウ神父の生家です。今は酒屋さんになっていました。