推しという言葉が一般的になって、推しを持たない人生はつまらないという風潮です。ただし、推しへの愛があまりにも強くなって課金が過ぎると生活が圧迫されます。
BTSを推しているようでいて、ほとんど課金していない私。ダンスからハマったので、曲だけを聴くことはなくyoutubeの視聴がほとんどです。CMが入るのがいやでyoutubeプレミアムに加入したぐらい。ソウルや釜山の聖地巡礼にはよく行きますが、旅のついでといった感じです。
ライブの抽選に申し込もうかとも思ったのですが、知り合いがJ-HOPEの埼玉アリーナ公演のVIP席に当選し、大喜びで出かけたら隣の客がすべての曲を大声で一緒に歌いさんざんだったと聞きました。
作家の推しは本を買う程度だから金銭的負担はそれほどありません。昨年はガルシア=マルケス押しが高じてコロンビアまで出かけしたが、これも旅行の一種です。
女性一人で温泉を楽しむという本を読んでいたら「推し宿に課金」という言葉が出てきました。私がお金をかけるのはこれだ!
今のところ、一番の推し宿は新潟・栃尾又温泉の自在館。
初めて訪れたのは一昨年の11月。
お湯と食事がすばらしくて、すぐに再訪したかったのですが、人気の宿なので一人部屋の連泊がなかなか取れず、二度目はほぼ一年後になってしまいました。この時は地元の住職による坐禅会にも参加。
一年に一回のペースではなく、定期的に泊まることにして、お正月明けに4泊5日で行ってきました。

東京ではそろそろ杉花粉が飛び始めます。自在館は杉の木に囲まれていますが、雪が積もっていれば花粉は飛ばないので、花粉症の症状は出ませんでした。
ぬる湯は冬用に温度調整され寒すぎることはありませんでした。離れの大浴場に行くには一度外に出なくてはいけないので、凍結した雪道が不安でしたが、ドーム状の屋根にすっぽり覆われていました。
4泊5日、どこにも行かず、ひたすらお湯に入るだけ。食事は遅めの朝食と早めの夕食の一日二食で済ました。
山奥の温泉まで来て鮪の刺身や海老の天ぷらを食べるるのはあまり気が進みません。その点、自在館の食事は日替わりの湯治食。毎日メニューが変わるので連泊しても飽きません。
雪景色を眺めながら朝ご飯。

魚沼産コシヒカリが美味し過ぎて、つい食べ過ぎるのが難点。
お湯も食事もまさに私の理想。宿の人はみんな感じがいいのですが、必要以上のサービスはせずほったらかしてくれるのも心地いい。おひとり様が多いので食堂でも孤独感は感じません。大浴場では会話もなく一人一人が静かにお湯に向き合っています。
湯治の宿なので体の悪いところを治す目的で来ている人が大半でしょうが、私はアルコール断ち。朝も昼も夜もぬる湯に延々と入りたいので、お酒を飲んでいる暇がありません。アルコール依存症で精神科に強制入院となるぐらいなら、自在館で暮らせばいいのでは? 先のない高齢者のどうしようもない病気のために社会保障費を負担してもらうぐらいなら、自在館に自費で長期滞在するほうがずっといい。これからはもっと頻繁に来ようと誓いました。
推し宿から高齢者の医療費負担減まで妄想が広がりましたが、このすばらしい宿をひたすら推したい。人気があるのでなくなることはないでしょうが、光熱費、食材、人件費の高騰でちゃんと利益が確保できているのか心配です。高いお酒や追加料金で課金できないので、一泊でも多く連泊し、ファンレターのつもりで「お客様の声」を書いて渡してきました。
