チェンマイには有名な仏教寺院が多く、ベジタリアン料理のレベルの高さでも定評があります。
遅めのランチで入った店は、いかにも精神世界を追求しているヒッピー風の旅行者ばかり。おひとり様が多く、テーブル席が空いていないので相席となり、自然な流れで会話が始まります。
こうした雰囲気は、スペイン巡礼(カミーノ)の宿やバルとよく似ています。
タイ、ミャンマー、カンボジアの三国が国境を接するゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)の一日ツアーに参加しました。
日本語ガイドのツアーなら日本から申し込めるのですが、日本人旅行者はそれほど多くないのでツアーが催行されない可能性があるので、現地で英語ガイドのツアーを申し込みました。
参加者はスペイン人のグループにオランダ人カップル、イタリア人、オーストラリア人。「来年は熊野古道を歩きたい」とスペイン人に声をかけられて、仏教と神道、四国のお遍路について話しました。まさにカミーノの再来です。
ガイドと運転手さんはタイ人らしく非常に温厚。片道4時間以上でチェンマイに帰ってきたのは午後10時という非常にハードなスケジュールで、車内では「その席で大丈夫?こちらと代わりましょうか?」と声をかけ合っていました。お互いの気遣いを感じることで、長い道中が苦になりませんでした。
途中、オランダ人カップルとともに集合場所がわからなくなってしまい、みんなを待たせてしまうという大失敗が! しかし不機嫌になる人はおらず、ジョークとして笑い飛ばされ、ガイドさんからは「伝え方が悪かった」と謝られてこちらが恐縮しました。
スペインの巡礼路を再び歩くことはもうないかもしれませんが、運が良ければ世界との温かいつながりを感じられる機会が巡ってくる。そう確信できただけでもチェンマイに来た甲斐がありました。
ベジタリアン料理店で注文した料理。手前のパッタイは米粉の平たい麺を野菜と一緒に甘酸っぱく炒めたもの。肉の代わりに厚揚げのような豆腐が刻まれて入っていました。「日本の精進料理は醤油の味付けが多くて、こんなにスパイシーな料理になるなんて、私にとって新しい発見」と店の人に話していると、他の客も興味津々で耳を傾けてくれましたた。