成人式の連休明けは航空券がぐっと安くなるので、長期旅行に出かけています。
今年はチェンマイ。予約したのは去年の秋頃で、本場でヴィッパサーナ瞑想を体験する前に街の雰囲気を知りたいと思ったのです。しかし、その後、本格的な瞑想は私に向いていないと思い至りました。
だったらチェンマイで何をして過ごそうか。
たまたま出発直前に、チェンマイが好きで何度も訪れているという人に会いました。チェンマイで何をして過ごしているのか質問したところ、こんな答えが。
「観光スポットを見て回ったり、象に乗ったりしたけれど、それは最初のうちだけ。宿の近くをぶらぶら歩いて、おいしいものを食べているうちに一日が過ぎていく」
あまり予定を詰め込まず、のんびり過ごすのがいいのかも。
バンコクは何度か訪れたけれどチェンマイは初めて。バンコクからの国内便はほぼ満席で、別名「タイの京都」の通り、世界から観光客が押し寄せているのかも。
深夜に羽田を発ちチェンマイ到着は午前9時過ぎ。時間はたっぷりあるので、タクシーではなくバスに乗ることにしました。貧乏バックパッカーの癖が抜けません。
バス乗り場では案内係から直接、切符を買います。客は3組だけ。やって来たバスの運転手に案内係がそれぞれの行き先を告げます。券売機も降車ボタンも人力で処理するスタイル。
ホテルでも自動ドアではなく、ドアマンが開けてくれました。人手不足の波はまだチェンマイまで押し寄せていないようです。

日が暮れると道の両側に露店がずらりと並びます。朝になるときれいに片付いているので、毎日、組み立てと撤去を繰り返しているのでしょう。
バンコクの物価は日本とそれほど変わらないように感じたし、大都会だから渋滞や混雑も当たり前。それに比べるとチェンマイは割安感があり、ゆったりリラックスできます。1時間250バーツというマッサージ店も多く、円安でも1200円ほど。フットマッサージは台湾式ほど痛くて心地よく、タイ式マッサージは着替えて行う本格的なものでした。

ぶらぶら歩いて疲れたら、お茶。ヨーロッパやオーストラリアからの旅行者が多いせいか、西洋風のお洒落なカフェもたくさんあります。
なるほど、象の背に乗らなくても何日いても飽きません。長期滞在や移住者が多いのもわかります。
日本人はお辞儀をしますが、タイ人は挨拶の時に合掌します。ホテルやレストランを出る時に手を合わせて見送ってくれるスタッフに同じように合掌し、タイ語でコープンカ(ありがとう)と声をかけるとこぼれるような笑顔が返ってきます。まさに微笑みの国。お互いの中にある仏性を認め合っているかのようで、わざわざお寺で瞑想しなくても街中で仏の教えに触れているような気になります。