外出を控えるようになり、ネットフリックスで過ごす日々。
一番好きなのは5人のゲイ(ファブ5)が登場する『Queer Eye(クィアー・アイ』。
生活に問題を抱えている人を5人が寄ってたかって変身させるリアリティ番組です。シーズン1では男性だけだったのですが、その後、ゲイの息子を持つ母親、トランスジェンダー、食堂を経営する姉妹、レズビアンの若い女性など多彩な人物が登場します。
「単位が足りなくて大学が卒業できておらず、その事実を親に言えない」「同棲相手にプロポーズしたいけれど自信がない」など登場人物はさまざまな事情を抱えていますが、涙なしには見られないのがシーズン3の『シングルファーザーの前進』。
幼い息子二人を遺して妻が乳がんで死去。その後2年間、夫のロブはシングルファーザーとして子育てに追われています。
妻は死の床にありながら、二人の息子に18年分のバースデーカードを書きました。それはあまりにもつらすぎる作業で、途中でペンを置くこともしばしばあったとか。
「長生きしたいけれど、妻との再会も楽しみ」と語るロブ。そして「妻を忘れたくないけれど、悲しみにばかりひたりたくない」いう言葉も実感がこもっています。
新型コロナウィルスが生活のさまざまな部分に暗い影を落としていますが、最愛の人を亡くして悲嘆に暮れる人がいると思うと、ささいなことに不満を抱く自分が恥ずかしくなります。
まさにこういう人こそファブ5が手助けする甲斐があるというもの。5人がそれぞれの分野で活躍しますが、美容担当のジョナサンは直接体に触れるだけに、ロブの心を癒します。
ネットフリックスの番組自体は貼れませんが、『クィア・アイ』のこの回について語るトークショーを見つけました。
Queer Eye Season 3 Episode 6 “Elrod & Sons” | AfterBuzz TV
ロブの髪を洗いながらジョナサンはこう語りかけます。
When you're washing your hair, get present.
Think about how your fingertipus feel on your scalp.
Think about removing the crap off your scalp.
It's really a way for you to get out of your head and into your body.
That's extremely healing to our nervous system.
髪を洗う時は「今」を意識して。
頭皮に当たる指、頭皮の汚れを取り除く感覚…。
考えるのをやめて体に意識を向けると、本当に神経が癒される。
私が髪を洗うのはスポーツクラブのシャワーですが、いつも上の空です。「新型コロナはいつ収まるのか」「仕事がなくなったらどうしよう」「帰ったら何を食べよう」「あの人にメールを書かなきゃ…」「洗濯機を買い替えるべきか」と、ありとあらゆる雑念が頭の中に渦巻いています。ジョナサンの言うように、頭皮と指の感覚だけに集中すれば洗髪の時間はすばらしい癒しの時間となるでしょう。
感染予防のための手洗いも同様です。指の感覚や石鹸の香り、てのひらを流れていく水のを感じるようにジョナサンはアドバイスするでしょう。
心が乱れることの多い今だからこそ、日常の動作一つ一つにゆっくりと向き合いたいものです。
銭湯が好きなのは、入浴が特別な行動になるから。