約5か月ごとに歯のクリーニングに通っています。
本当はもっと頻繁に行った方がいいのかもしれませんが、ここ十数年同じ歯科衛生士さんに担当してもらっていて、このくらいの間隔でいいと言われています。どうやら歯の強さにも個人差があり、私は虫歯になりにくいタイプのようです。とはいえ、加齢によって歯の状態も悪くなっていくでしょう。できる限り今の家に住み続けて、通い続けるつもりです。
病院は嫌いで、行かないに越したことはないと思っていますが、歯科だけは別。歯のトラブルは自然治癒がありませんから。
東洋占術では口は財運を示します。口が小さく顎が細い顔は上品ですが、自分で稼いで食べて行く力に乏しいとされます。大きくしっかりした口を持っていても、歯がボロボロでは台無しです。
コロナで歯科医院も敬遠され経営が苦しくなっているところもあると報じられていますが、予約の電話をかけると、10日先まで埋まっていました。もともと衛生管理に気を付けているし、感染予防も万全なのでしょう。定期クリーニング専門に別院ができ、2部屋だったのが3部屋に拡大し、フル稼働です。
「前歯の調子はどうですか。院長が一度チェックしたいとのことなので、次回は院長の診察を入れますね」と言われました。歯を折ったことなんてずっと忘れていました。それだけ完璧に治してもらったのです。5年前のことでした。
ネットフリックスの「クィア・アイ」に欠けた前歯を治すエピソードが2回出てきました。
シーズン3の第3話「ジョーンズBBQ」で変身するのは、朝3時から夜8時まで自分たちの小さな店で働くデボラとメアリーの姉妹。バーベキュー店は繁盛して客が途切れませんし、デボラの娘の大学進学費用を稼ぐために必死でした。
ファッション担当のタンは、メアリーを歯科医に連れて行きます。笑うときに口を隠していたのが気になったから。前歯を入れて歯のクリーニングをしたメアリーは鏡を見て「また笑える」と涙を流して喜びます。そんなに嬉しいのならもっと前に治せばよかったのに、忙しすぎてセルフネグレクト気味だったのでしょう。
シーズン5の第3話「花嫁の父」に登場するのは、離婚後すべてに無気力になった男性。寝室のクローゼットには家を出た前妻の服がぎっしり。自分の服は地下室に取りに行くと聞き、ファブ5もびっくりします。前妻には取りに来るように何度も言ったのですが、けんかしたくないため強く出られないのです。カラモは"It's hard to let go.(手放すのはむずかしい)"と同情し、ジョナサンは"We're making space for new things.(新しいもののためにスペースを作ろう)"と鼓舞します。
この男性も前歯が欠けたまま放置していました。洋服も突飛なデザインを着て、自分を笑いの対象にすることで、すべてをごまかしてきたのです。
自分に似合う服を選び、髪と髭を整え、家の中も一新されましたが、最も効果があったのは歯を治すことです。「これで楽しい時に笑える」と娘の結婚式で満面の笑みを浮かべます。
前歯が欠けた時、即座に最高の治療を施してくれる歯科医院とつながっていたことは、本当に幸運でした。
本院の受付にはいつも季節の花が飾られています。受付の女性に許可をもらって撮影しました。一度、花屋さんが納入する時に居合わせたことがあります。定期的に頼んでいるのでしょう。
歯科医院が乱立してワーキングプア状態になっているところもいると週刊誌で読みましたが、この医院は大丈夫。
占い業界では「客が占い師を選んでいるようでいて、占い師が客を選ぶ」と言われます。占い師以上に運気を左右する歯科医も客(患者)を選んでいいはずです。この医院では予約の無断キャンセルを繰り返すと出入り禁止になると噂されています。国民皆保険の日本では、どの病院を選ぶかは患者の自由という建前ですが、自由診療の割合が多い歯科では、患者の選別もあるかも。いつまでもこの歯科の患者でいたいと強く念じました。