Netflixの『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』がとても面白かったので、同じく主演がパク・ウンビンの『無人島のディーバ』も観ました。「できないことがない女優」と評されるだけあって、半年間一日3時間ずつのボーカルレッスンを受けて堂々とした歌声を披露しています。
日本のドラマにも出演し人気上昇中のチェ・ジョンヒョプが相手役です。
パク・ウンビンがいくら芸達者だからといって、無人島で15年間も生き延びるという設定は荒唐無稽。しかし回が進むにつれて、無人島の設定は必要だったとわかりました。
恋愛や韓国の芸能界事情も描かれていますが、大きなテーマが父親による児童虐待だったからです。日本以上に儒教精神や家父長制度が根付いている韓国で、実の父親を否定するドラマはすんなりと受け入れられず、そのために無人島に漂着という現実離れした要素をプラスしたのかもしれません。
暴力親父は自分では愛情深いと思い込んでいる節があり、執念深く逃げた家族を探します。このあたりはサスペンスドラマのようでぞくぞくしました。再会できたら改心して優しい父親になるのかと思いきや、逃げた罰を与えることしか考えていません。この父親役の俳優さんも鬼気迫る迫真の演技でした。
とんでもない暴力親父の血が自分にも流れていると知りつつ生きるのは容易なことではないでしょう。だからこそ、ようやくつかんだ平穏な生活の喜びも丁寧に描かれていました。
一昔前までは、結婚したら子供を持つのが当たり前で、親は無条件に子を慈しみ育てるものだということになっていましたが、親も未熟な人間だし子供との相性もあります。虐待までいかなくても、親子関係がうまくいっていないという人は多いのでは。「毒親」という言葉も一般的になってきました。
この記事の「育ててもらったからといって、無理に親を好きでいる必要はない」というタイトルに救われる人もいるでしょう。親子の縁は強いけれど、必ずしもとらわれる必要はありません。
『無人島のディーバ』には東洋占術が出てくるので、ウラナイ8のデイリーメッセージでも紹介しました。