コロンビア旅行を前にガルシア=マルケスの著作を再読するのに忙殺されているうちに、結婚40周年となりました。
ジューンブライドにあこがれて梅雨入り前のタイミングで、夫との共通の母校のチャペルで挙式。40年も過ぎたなんて信じられないのは、独身時代よりも伸び伸びと好きなことに没頭できてあっという間だったからでしょう。
記念に夫婦で旅行するとして、どこがいいか?
夫婦とはいえ趣味も嗜好も異なります。旅先で険悪になったら目も当てられません。そこで選んだのが、ちょっと変わったパッケージツアー。
東京から上高地へ向かい、飛騨高山で宿泊。2日目は名古屋から太平洋フェリーに乗船。3日目の夕方に仙台に到着して、秋保温泉泊。4日目に松島観光で新幹線で東京に戻るという日程。
上高地は小学生の時に親戚に連れて行ってもらったことがあり、再訪したいと思っていました。上高地の帝国ホテルに泊まるのも検討しましたが、行って帰るだけでは味気ない。飛騨高山は共立メンテナンスの温泉宿のワーケーションプランを利用しましたが、夫は行ったことがありません。飛鳥Ⅱはあまり楽しめなかったけれど、太平洋フェリーならちょうどいいのではないか。そして仙台の秋保温泉の宿が佐勘だったのが決め手となりました。
8年前の仙台旅行で宿泊してとても気に入ったので、結婚40周年で訪れるのにぴったりです。
ちなみにこのツアー、夫婦参加限定です。事実婚や同性婚はどうなんでしょうか。特急あずさや新幹線はグリーン車、太平洋フェリーは特等客室のツインと乗り物にはこだわっています。
新宿の集合場所に来たのは9組。私たちのような熟年夫婦ばかりでした。会話もあまりないから、とりあえず予定が詰まっている旅がいいのでしょう。かといってスケジュールぎっしりでは疲れるし、宿もそこそこのところに泊まりたいという熟年夫婦のニーズを満たすツアーです。バスは40人乗りで、夫婦で一列を使います。並んで座って、空いている席に荷物を置いてもいいと言われましたが、全員、二座席に一人で左右に離れて座っていました。
予定していた白川郷への高速道路が事故で一時的通行止めとなり、通常のツアーなら解除を待つところですがフェリーの時間があるので予定を変更して郡上八幡を観光することに。クレームを口にする人は一人もおらず、淡々とおだやかムード。超ラブラブなカップルもいなければ、喧嘩も皆無。女性同士のおしゃべりがないので、全体的に静かな旅でした。

上高地はマイカー規制をしているので、観光バスか路線バス、タクシーでしか行けません。自分の乗るバスを覚えておくようにと念を押されました。旅慣れた人が多いのか、迷う人はいませんでした。「集合時間前ですが皆さんお揃いなので」ということが多く、これは絶対に遅れることはできないと思いました。
パッケージツアーはやはり楽。これだけの場所を個人で一度に回るとしたら、かなりの手間です。バスや電車の時間を調べることもなく、添乗員さんの言う通りにしていれば目的地に着きます。
人と同じがいやで、個性を発揮して生きようとしてきたけれど、そろそろ潮時かも。譲れないことだけ我が道を行き、その他のたくさんのことはパッケージされたプランに乗ったほうが楽なのではないかと思い至りました。