八丈島に来ています。
船乗りの家系なので、船上でも安眠。船の揺れがまるでゆりかごのようでした。
東京と八丈島を結ぶ橘丸。船窓から日の出を拝み、快晴の航海です。
港には宿からの迎えの車。とりあえず荷物を預けるだけのつもりでしたが、部屋の用意ができているとのこと。
「船旅、お疲れ様でした。とりあえず地に足をつけて、ゆっくりなさってください」
この島とは相性がいいなと思った瞬間です。ホスピタリティにあふれています。
時期もよかったのかもしれません。全国旅行支援が始まりましたが、東京都は遅れてスタートしているせいか、観光客はまばらです。しまぽ通貨という東京の離島専用のプレミアム商品券を使うだけでもかなりの割引になるのですが、割引き命の人はダブルで使える時期を待っているのかもしれません。
運転できないのでバスで移動します。2日間乗り放題、温泉入り放題で1000円と、価格がバグっているバスパを購入。
バスの運転手さんは乗るたびに「どちらまで?」と声をかけ、乗り換えのアドバイスまでしてくれます。雨が降ってくると、屋根の乗り換え場所まで教えてくれるきめ細かさです。乗客が多くて4、5人で他に誰もいないこともあり、バス路線が存続できるのか他人事ながら心配になりました。島の人たちは基本的に車移動で、歩いている人はそんなにいません。ばすの本数が少ないので、歩ける距離は徒歩、雨が降ったり日が暮れたらタクシーを利用。流しのタクシーはほぼなく、電話で呼べば数分で来てくれます。
バスパのおかげで島の温泉を次々と堪能。豪快に流れる滝を眺めながら露天風呂を楽しめる裏見滝温泉が最高でした。混浴なので水着必須です。
手前側が温泉です。
島にはコンビニも、スターバックスやドトールといったチェーン店もありません。歩き疲れて休憩に立ち寄った喫茶店では、マダムと常連の女性客が歓談中。マスクをしていたせいか「あ、○○さん?」と、誰かに間違えられました。「旅行者です」と自己紹介して、カウンターでお二人の話に入れてもらいました。
折しも八丈島町会選挙の真っ最中。選挙ポスターにやたらと「浅沼さん」が多いので聞いてみると、しまで代々続く一族だそうです。
昔は風が強いと何日も船が欠航になり、世界から切り離されように感じたことでしょう。だから島の外から来る者にオープンに接してくれるのでしょうが、それは一時的な滞在者だから。島に移住となると、うまく溶け込めるだろうか、あれこれ想像してしまいました。