翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)、ビジネス記事翻訳ですが、そろそろリタイア状態へ移行中。JALの「どこかにマイル」で日本各地に出没。ウラナイ8で活動しています。

斜陽の国、黄昏の人生

いよいよ旅行割が開始。うかれたいところですが、宿泊料金は高騰しそう。

40年ほど前、大学のゼミ旅行で東南アジアに行き、物価をとても安く感じました。

なにしろ当時は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代。学生には分不相応な高級ホテルに滞在したのですが、現地の人はめったに利用しないと聞いて複雑な思いでした。

インバウンドが再開すれば、高級ホテルは軒並み料金を上げて日本人には高嶺の花に。その値段でも安いと感じる外国人旅行者が大挙して来日するのですから。学生時代に気の毒に思った旅先に暮らす人の立場になろうとは、想像もしませんでした。

 

日本の衰退と足並みを揃えて、私の人生も黄昏を迎えています。

編集者からの依頼が殺到し、睡眠時間を削ってまで原稿を書いていたのは過去のこと。出版業界はじりじりと衰退し、本業だけでは食べていけずアルバイトを始めたライターもたくさんいました。私には東洋占術という専門があったおかげで仕事が途切れることがなく、筆一本で生計が成り立っていました。

 

ところが先日、週刊誌の担当編集者から、連載終了のお知らせが届きました。

ロシア・ウクライナの影響で紙代の高騰が抑えきれないところまできて、減ページをせざるを得ないと上層部が判断。そのため連載ページがなくなるそうです。

 

フリーランスのライターとして30年以上関わってきて、収入の大黒柱となっていた出版社の縁がこれで切れます。

スペイン巡礼に行くなら連載を続けるのが大変だと思っていたし、税理士さんからインボイスのお尋ねがあったときも「そろそろ引退なので登録しない」と答えました。

 

連載が終わるのは好都合のはずなのに、どっと落ち込みました。

 

奇しくも年金機構からお知らせがあり、誕生日月である11月から厚生年金の受給が始まるとのこと。私の年齢では厚生年金は62歳からなのです。会社勤めは長くないので微々たる金額ですが、ついに国から年金をもらう年になるとは。そして30代の頃、マネー記事をよく書いていて、「フリーランスの老後は厳しいから、国民年金基金と小規模共済をできるだけかけておくべき」とアドバイスしてくれたファイナンシャルプランナーのおかげで、ライター業を引退しても働く必要はありません。それでも承認欲求が強すぎて、無職になるのは抵抗があるのです。

 

とりあえず今は残っている仕事をこなしていき、行けるかどうかわからないスペイン巡礼の準備を進めることにします。

 

帯広に行くたびに藤丸百貨店にお世話になっていました。

 

マスクが手に入りにくかった頃は、婦人服売り場でお洒落な布製のマスクを見つけました。お年を召した女性店員さんが「引退していた洋裁学校の先輩が、『私の出番が来た』と喜んでミシンを踏んでいる」とおっしゃるので、いろいろな柄をまとめ買いしました。

 

スポーツクラブのダンスレッスンはマスク必須なのですが、性能のいいマスクだと息苦しくなるので布製のマスクを使用。インストラクターも布マスクのことが多いし、声を出さないので、大目に見てもらっています。

洋食のレストランでのランチでは、セットのドリンクに十勝産はあるか尋ねたところ、メニューにはない牛乳を特別に牛乳を出してくれたこともあります。

 

百貨店だからサービスが丁寧なのが当然ですが、東京とは違うどこか温かみのあるパーソナルな接客。すっかりファンになり、JALの「どこかにマイル」で帯広に行くたびに文房具やスポーツウエアなど軽いものを買いました。

 

この9月、藤丸百貨店に行くと「閉店のお知らせ」の貼り紙が。来年の1月末、120年以上続いた歴史に幕が降ろされます。これで道東にデパートはなくなるそうです。

 

釧路も好きな街ですが、JR釧路駅前の目抜き通りの物悲しさといったら…。

bob0524.hatenablog.com

コロナの影響で観光客が激減した時期だったので、駅前の目抜き通りを歩いていても、めったに人とすれ違いません。大音量で流される広告と広報の音声テープが響き渡り、SF小説のようでした。

 

日本の衰退と自分の老いが同時期に押し寄せているようで複雑な気分。人が老いるのは当然ですが、日本はどこかに活路を見いだして、若い人が前向きに暮らせる国になってほしいものです。