翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

山をなめるな! 八丈富士登頂記

マリンスポーツの趣味がないので、八丈島では温泉巡りと登山をしました。

 

登ったのは、八丈富士(西山)。

標高854メートル。初心者にはややハードルが高いのですが、登山口から火口分岐点までは階段とスロープが整備されています。

そしてスペイン巡礼の最初の難関、ピレネー越えの最高地点の峠は標高1430メートル。八丈富士に登れないようなら、ピレネー越えなんてとても無理。そして、地元の喫茶店で、八丈富士は小学校の遠足で行ったという話を聞きました。小学生が登れるのなら、私だって登れるはず。

到着日は快晴だったのですが、その後はずっと雨。最終日の天気予報は晴れだったのに、島の天気予報は当てになりません。スペイン巡礼は雨の日も歩くし、ゴアテックスのレインスーツがあれば傘も要りません。雨の装備をして小雨の中を歩くのは、直射日光を浴びるより快適です。

7合目まで車で行けるのですが、宿から歩いてみることにしました。スペイン巡礼の練習です。ハイビスカスの咲く平坦な道を30分歩登山道入口へ、そこからなだらかな坂道で7合目へ。ほとんどの登山者は7合目まで車で行くようで、歩いているのは私だけ。登山道にはトイレがないので、ふれあい牧場でお借りしたところ、「お客さん、歩きで?」とびっくりされました。

 

 

火口(お鉢)へは、階段とスロープが整備されています。全部で1280段あり、かなりの急勾配でけっこうきつく、40分ほどかかりました。

火口に到着すると、さえぎるものが何もないためけっこうな強風です。ここまで来たからには山頂まで行きたいと歩き出したのですが、ゴツゴツした岩がむき出しになってアップダウンの激しい難所が点在し、泥水がたまって沼になっているところもあります。誰とも会わずに一人で登ってきたのですが、さすがに怖くなり、引き返そうかと思ったほど。登山用の地図アプリで確認すると山頂まで6分。ここであきらめるのは悔しいので、ゆっくり慎重に進んでなんとか山頂へ。

 


晴れた日なら絶景なのでしょうが、下界はまったく見えません。

小雨が断続的に降り続き、休息場所もないので、写真だけ撮ってすぐ下山です。

下山途中で、ようやく2人組の登山者に会いました。もしかしたら、一人旅の人が登山ガイドをお願いしたのかもしれません。自分のペースで歩きたいので一人で登ったのですが、私も頼むべきでした。途中で転んで足を痛めて動けなくなったり、最悪の場合は風に飛ばされて火口に落ちることもありえます。後から聞いた話では、登山口に駐車していた車が一晩明けても放置されたままだったことがあり、救急隊や消防団が総出で捜索し、火口に転落した人を救助。それ以来、登山届を出すことになったそうです。

 

無事に帰って来られたのは運がよかったから。登頂してもしなくても、登山の体験はそれほど違いはないはずです。私は金銭欲以上に「体験したい欲」が強いのですが、欲張るのはほどほどにするべきだという教訓を得ました。