ネットフリックスの『グレイスとフランキー』、現在シーズン6を視聴中。
シーズン7は現在撮影中で最終シーズンとなるそうです。主役の一人、ジェーン・フォンダは撮影が終わる頃には84歳! いくらおもしろいからといって、これ以上求めるのは無理でしょう。
日本語字幕付きで見て、おもしろい表現があれば英語字幕で確認しています。
シニア・モーメントもその一つ。「度忘れ」と訳されています。高齢者だけでなく若者も一瞬、言葉が出てこない時に"I'm having a senior moment."などと言うそうです。
先月から今月にかけて、ウラナイ8の杏子さんの主催で九星気学の講師を務めています。声に出して教えることで自分の中の知識を再確認できる貴重な機会です。
東京から南の方位のとある邸宅の話になり、「小津安二郎の映画に出演した女優が所有していて…」と言いかけた時にシニア・モーメントが!
「原節子?」と声がかかりましたが、原節子じゃないけれど、男社会の日本映画界で奮闘しアメリカかぶれと罵倒されつつ、大きな足跡を残した人…。『楢山節考』では捨てられる老婆を演じるために歯まで抜いた…、ああ、思い出せない!
正解は田中絹代。『宗像姉妹』や『彼岸花』を観て、下関の記念館まで行ったのに。
シニア・モーメントが頻発するようになると、高齢者は仕事から引退する時期が来たと悟るのでしょう。
そして、頭だけでなく体も確実に老いています。ご馳走を食べた翌日は胃もたれに悩まされるようになりました。若いころは何を食べても平気だったのに。
誕生日や記念日は吉祥寺のスペイン料理店ドスガトスで高森シェフのお任せコース。30年以上の付き合いなので、好みはしっかり伝わっています。
これが徐々に苦しくなってきました。
前菜の盛り合わせのあと、この日はカリッと焼き上げた白身魚のソテーとイカが少しあるからと、この一皿。ソースの盛り付けが綺麗で思わず声を上げると「バルセロナは芸術の都」。高森さんはバルセロナの名店「レイチェル」で修業した唯一の日本人です。
この後パエリアが出て、デザートはチーズと果物、アイスクリームと大好物のクレマカタラナの盛り合わせ。一つ一つはそんなにボリュームがないのだけど、全部食べ終わると胃がずっしり重くなり、胃もたれは翌日の昼まで続きました。
食料が乏しかった昔は、生産性のない年寄りは食が細くなるのは理にかなっています。不作で食料が足りなくなれば、姥捨て山みたいに自発的に村を出て自然死を待つ年寄りもいたのでしょう。
いくら政府が70代まで働くべきだと呼びかけても、加齢により頭と体は衰える一方。若い人に交じって働くのは無理があります。老人だらけになるこれからの日本、どうなっていくのでしょう。